8.1.8 モードとリングポートに関する設定(共有リンクありマルチリング構成)
共有リンクありマルチリング構成について,モードとリングポートのパラメータ設定パターンを示します。
(1) 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)
共有リンクありマルチリング構成(基本構成)を次の図に示します。
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(a) 共有リンク監視リングのマスタノード
シングルリングのマスタノード設定と同様です。「8.1.7 モードとリングポートに関する設定(シングルリングと共有リンクなしマルチリング構成) (1) マスタノード」を参照してください。「図8‒3 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」ではM3ノードがこれに該当します。
(b) 共有リンク監視リングのトランジットノード
シングルリングのトランジットノード設定と同様です。「8.1.7 モードとリングポートに関する設定(シングルリングと共有リンクなしマルチリング構成) (2) トランジットノード」を参照してください。「図8‒3 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」ではT2,T4およびT5ノードがこれに該当します。
(c) 共有リンク非監視リングのマスタノード
- [設定のポイント]
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リングでの本装置の動作モードをマスタモードに設定します。また,本装置が構成しているリングの属性,およびそのリングでの本装置の位置づけを共有リンク非監視リングに設定します。イーサネットインタフェースまたはポートチャネルインタフェースをリングポートとして指定します。リングポートは一つのリングに対して二つ設定してください。「図8‒3 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」ではM1ノードがこれに該当します。
[コマンドによる設定]
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(config)# axrp 1
(config-axrp)# mode master ring-attribute rift-ring
リングID 1の動作モードをマスタモード,リング属性を共有リンク非監視リングに設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/1
(config-if)# axrp-ring-port 1
(config-if)# interface gigabitethernet 1/2
(config-if)# axrp-ring-port 1
ポート1/1および1/2のインタフェースモードに移行して,該当するインタフェースをリングID 1のリングポートとして設定します。
(d) 共有リンク非監視リングのトランジットノード
シングルリングのトランジットノード設定と同様です。「8.1.7 モードとリングポートに関する設定(シングルリングと共有リンクなしマルチリング構成) (2) トランジットノード」を参照してください。「図8‒3 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」ではT6ノードがこれに該当します。
(e) 共有リンク非監視リングの最終端ノード(トランジット)
- [設定のポイント]
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リングでの本装置の動作モードをトランジットモードに設定します。また,本装置が構成しているリングの属性,およびそのリングでの本装置の位置づけを共有リンク非監視リングの最終端ノードに設定します。構成上二つ存在する共有リンク非監視リングの最終端ノードの区別にはエッジノードID(1または2)を指定します。「図8‒3 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」ではS2およびS5ノードがこれに該当します。リングポート設定は共有リンク側のポートにだけshared-edgeを指定します。「図8‒3 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」ではS2およびS5ノードのリングポート[R2]がこれに該当します。
[コマンドによる設定]
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(config)# axrp 1
(config-axrp)# mode transit ring-attribute rift-ring-edge 1
リングID 1での動作モードをトランジットモード,リング属性を共有リンク非監視リングの最終端ノード,エッジノードIDを1に設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/1
(config-if)# axrp-ring-port 1
(config-if)# interface gigabitethernet 1/2
(config-if)# axrp-ring-port 1 shared-edge
ポート1/1および1/2のインタフェースモードに移行して,該当するインタフェースをリングID 1のリングポートとして設定します。このとき,ポート1/2を共有リンクとしてshared-edgeパラメータも設定します。
- [注意事項]
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エッジノードIDは,二つある共有リンク非監視リングの最終端ノードで他方と異なるIDを設定してください。
(2) 共有リンクありのマルチリング構成(拡張構成)
共有リンクありマルチリング構成(拡張構成)を次の図に示します。共有リンク非監視リングの最終端ノード(マスタノード)および共有リンク非監視リングの共有リンク内ノード(トランジット)以外の設定については,「(1) 共有リンクありマルチリング構成(基本構成)」を参照してください。
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(a) 共有リンク非監視リングの最終端ノード(マスタノード)
- [設定のポイント]
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リングでの本装置の動作モードをマスタモードに設定します。また,本装置が構成しているリングの属性,およびそのリングでの本装置の位置づけを共有リンク非監視リングの最終端ノードに設定します。構成上二つ存在する共有リンク非監視リングの最終端ノードの区別にはエッジノードID(1または2)を指定します。「図8‒4 共有リンクありのマルチリング構成(拡張構成)」ではM5ノードがこれに該当します。リングポート設定は共有リンク側のポートにだけshared-edgeを指定します。「図8‒4 共有リンクありのマルチリング構成(拡張構成)」ではM5ノードのリングポート[R2]がこれに該当します。
[コマンドによる設定]
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(config)# axrp 1
(config-axrp)# mode master ring-attribute rift-ring-edge 2
リングID 1での動作モードをマスタモード,リング属性を共有リンク非監視リングの最終端ノード,エッジノードIDを2に設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/1
(config-if)# axrp-ring-port 1
(config-if)# interface gigabitethernet 1/2
(config-if)# axrp-ring-port 1 shared-edge
ポート1/1および1/2のインタフェースモードに移行して,該当するインタフェースをリングID 1のリングポートとして設定します。このとき,ポート1/2を共有リンクとしてshared-edgeパラメータも設定します。
- [注意事項]
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エッジノードIDは,二つある共有リンク非監視リングの最終端ノードで他方と異なるIDを設定してください。
(b) 共有リンク非監視リングの共有リンク内ノード(トランジット)
- [設定のポイント]
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リングでの本装置の動作モードをトランジットモードに設定します。「図8‒4 共有リンクありのマルチリング構成(拡張構成)」ではS7ノードがこれに該当します。リングポートは両ポート共にsharedパラメータを指定し,共有ポートとして設定します。「図8‒4 共有リンクありのマルチリング構成(拡張構成)」ではS7ノードのリングポート[R3]がこれに該当します。
[コマンドによる設定]
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(config)# axrp 1
(config-axrp)# mode transit
リングID 1の動作モードをトランジットモードに設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/1
(config-if)# axrp-ring-port 1 shared
(config-if)# interface gigabitethernet 1/2
(config-if)# axrp-ring-port 1 shared
ポート1/1および1/2のインタフェースモードに移行して,該当するインタフェースをリングID 1の共有リンクポートに設定します。
- [注意事項]
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共有リンク監視リングの共有リンク内トランジットノードにshared指定でポート設定をした場合,Ring Protocol機能は正常に動作しません。
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共有リンク非監視リングの共有リンク内でshared指定したノードにマスタモードは指定できません。
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