コンフィグレーションガイド Vol.2


6.9.4 マルチプルスパニングツリー使用時の注意事項

〈この項の構成〉

(1) 他機能との共存

1.3 レイヤ2スイッチ機能と他機能の共存について」を参照してください。

(2) MSTリージョンについて

本装置と他装置で扱えるVLANの範囲が異なることがあります。そのような装置を同じMSTリージョンとして扱いたい場合は,該当VLANをMSTインスタンス0に所属させてください。

(3) トポロジの収束に時間が掛かる場合について

CISTのルートブリッジまたはMSTインスタンスのルートブリッジで,次の表に示すイベントが発生すると,トポロジが落ち着くまでに時間が掛かる場合があります。その間,通信が途絶えたり,MACアドレステーブルのクリアが発生したりします。

表6‒16 ルートブリッジでのイベント発生

イベント

内容

イベントの発生したルートブリッジ種別

影響トポロジ

コンフィグレーション変更

リージョン名※1,リビジョン番号※2,またはインスタンス番号とVLANの対応※3をコンフィグレーションで変更し,リージョンを分割または同じにする場合

CISTのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス0(IST)でのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス1以降でのルートブリッジ

該当MSTインスタンス

ブリッジ優先度をコンフィグレーションコマンドspanning-tree mst root priorityで下げた(現状より大きな値を設定した)場合

CISTのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス1以降でのルートブリッジ

該当MSTインスタンス

その他

本装置が停止した場合

CISTのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス0(IST)でのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス1以降でのルートブリッジ

該当MSTインスタンス

本装置と接続している対向装置で,ループ構成となっている本装置の全ポートがダウンした場合(本装置が該当ループ構成上ルートブリッジではなくなった場合)

CISTのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス0(IST)でのルートブリッジ

CIST

MSTインスタンス1以降でのルートブリッジ

該当MSTインスタンス

注※1

MSTコンフィグレーションモードのコンフィグレーションコマンドname

注※2

MSTコンフィグレーションモードのコンフィグレーションコマンドrevision

注※3

MSTコンフィグレーションモードのコンフィグレーションコマンドinstance