16.1.9 SNMPマネージャとの接続時の注意事項
(1) MIB情報収集周期のチューニング
SNMPマネージャは,ネットワーク上の新しい装置を検出したり,トラフィック状況を監視したりするため,SNMPエージェントサポート機器から定期的にMIBを取得します。この定期的なMIB取得の間隔が短いと,ネットワーク機器やネットワークに負荷が掛かります。また,装置の状態や構成などによって,MIB取得時にマネージャ側でタイムアウトが発生するおそれがあります。特に,次に示すケースでは応答タイムアウトの発生するおそれが高まります。
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接続SNMPマネージャ数が多い場合
本装置にSNMPマネージャが多数接続され,MIB情報の収集が集中した場合。
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SNMPイベントが同時に多数発生している場合
本装置から大量にSNMP通知が送信されるような状態のときに,MIBを取得した場合や,本装置から送信されたSNMP通知に基づいて,並行してMIBを取得した場合。
応答タイムアウトが頻発する場合は,SNMPマネージャのポーリング周期や応答監視タイマ値をチューニングしてください。代表的なSNMPマネージャのチューニングパラメータには,次の三つがあります。
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ポーリング周期
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応答監視タイマ
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応答監視タイムアウト時のリトライ回数
(2) SNMPオペレーションメッセージの最大長
SNMPオペレーションのメッセージには最大長があります。各Requestのメッセージが最大長を超えた場合,メッセージは廃棄されます。ただし,GetBulkRequestオペレーションの場合,指定した繰り返し回数個分のMIB値を取得するか,最大メッセージサイズまでMIBを取得してから,GetResponseまたはResponseを応答します。
SNMPオペレーションのメッセージフォーマット,およびメッセージの最大長を次に示します。
オペレーション |
Requestの最大長 |
GetResponseまたはResponseの最大長 |
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---|---|---|---|
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2048 |
4096 |
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2048 |
65507 |
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2048 |
2048 |
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2048 |
2048 |
なお,本装置とSNMPマネージャとの間の最小MTUの値によっては,SNMPオペレーションのメッセージがこの最大長を超えていない場合でも,フラグメント化してファイアウォールやフィルタを通過できないおそれがあります。SNMPオペレーションのメッセージサイズに関係なく,フラグメント化しない程度のパケットサイズにすることを推奨します。