コンフィグレーションガイド Vol.1


3.2.12 マルチキャストルーティング

IPv4マルチキャストおよびIPv6マルチキャストの収容条件を次に示します。複数のVRFでIPv4マルチキャストまたはIPv6マルチキャストを使用する場合,グローバルネットワークとすべてのVRFの合計を本収容条件内に収めてください。

〈この項の構成〉

(1) マルチキャストの収容条件

IPv4マルチキャストおよびIPv6マルチキャストの収容条件を次の表に示します。

表3‒114 マルチキャストの収容条件

項目

最大数

IPv4マルチキャスト

IPv6マルチキャスト

PIM-SMおよびPIM-SSMマルチキャストインタフェース数

512/装置※1

512/装置

IGMPおよびMLD動作インタフェース数

4095/装置※1

4095/装置

マルチキャスト送信者の数

PIM-SM使用時

256/グループ

PIM-SSM使用時

512/グループ※2

4000/装置

PIM-SM使用時

256/グループ

PIM-SSM使用時

512/グループ※2

4000/装置

すべてのマルチキャスト中継エントリの下流インタフェースの合計※3

switch-1

140000/装置

switch-1e

140000/装置

switch-2

280000/装置

switch-2-qinq

0/装置

switch-2-flow

280000/装置

switch-3

280000/装置

switch-3e

280000/装置

switch-3-qinq

0/装置

switch-3e-qinq

0/装置

PIM-SMまたはPIM-SSMのマルチキャスト経路情報数((S,G)マルチキャスト経路情報および(*,G)マルチキャスト経路情報の合計)

  • S:送信元アドレス

  • G:グループアドレス

switch-1

4000または8000/装置※4※5

switch-1e

4000または8000/装置※4※5

switch-2

8000/装置※4

switch-2-qinq

0/装置

switch-2-flow

8000/装置※4

switch-3

8000/装置※4

switch-3e

8000/装置※4

switch-3-qinq

0/装置

switch-3e-qinq

0/装置

switch-1

4000/装置

switch-1e

4000/装置

switch-2

8000/装置

switch-2-qinq

0/装置

switch-2-flow

8000/装置

switch-3

8000/装置

switch-3e

8000/装置

switch-3-qinq

0/装置

switch-3e-qinq

0/装置

PIM-SMまたはPIM-SSMのマルチキャスト中継エントリ数※6(マルチキャスト中継エントリおよびネガティブキャッシュエントリの合計)

switch-1

4000または8000/装置※5

switch-1e

4000または8000/装置※5

switch-2

8000/装置

switch-2-qinq

0/装置

switch-2-flow

8000/装置

switch-3

8000/装置

switch-3e

8000/装置

switch-3-qinq

0/装置

switch-3e-qinq

0/装置

switch-1

4000/装置

switch-1e

4000/装置

switch-2

8000/装置

switch-2-qinq

0/装置

switch-2-flow

8000/装置

switch-3

8000/装置

switch-3e

8000/装置

switch-3-qinq

0/装置

switch-3e-qinq

0/装置

IGMPおよびMLDのマルチキャストグループ参加数※7※8

256/インタフェース

32768/装置

256/インタフェース

32768/装置

IGMPおよびMLDでのグループアドレス当たりの送信元アドレス数

PIM-SM使用時

256/グループ

PIM-SSM使用時

512/グループ※2

PIM-SM使用時

256/グループ

PIM-SSM使用時

512/グループ※2

注※1

PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔によって,インタフェース数が変わります。「表3‒115 PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔に対するIPv4マルチキャストインタフェース数」に示す範囲内で使用してください。

注※2

PIM-SSMだけを使用している場合の収容条件です。PIM-SMおよびPIM-SSMを併用している場合は,256/グループになります。

注※3

すべてのマルチキャスト中継エントリの下流インタフェースの合計は,IPv4マルチキャストとIPv6マルチキャストの合計です。

注※4

PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔によって,マルチキャスト経路情報数が変わります。「表3‒116 PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔に対するIPv4マルチキャスト経路情報数」に示す範囲内で使用してください。

注※5

経路配分パターンによって決定します。詳細は,「表3‒19 custom指定時のマルチキャスト経路エントリ数」を参照してください。

注※6

マルチキャスト中継エントリとは,「3.2.1 テーブルエントリ数」に示すIPv4マルチキャスト経路およびIPv6マルチキャスト経路を指します。

注※7

マルチキャストグループ参加数は,IGMP ReportメッセージおよびMLD Reportメッセージの最大受信数を示します。

注※8

装置当たりのマルチキャストグループ参加数とは,すべてのインタフェースで参加しているマルチキャストグループ数の合計です。

表3‒115 PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔に対するIPv4マルチキャストインタフェース数

PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔

IPv4マルチキャストインタフェース数

30秒以上

4095/装置

20〜29秒

2047/装置

19秒以下

255/装置

注※

各インタフェースに設定しているPIM Join/Pruneメッセージの送信間隔のうち,最小の値が対象となります。

表3‒116 PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔に対するIPv4マルチキャスト経路情報数

PIM Join/Pruneメッセージの送信間隔

IPv4マルチキャスト経路情報数

10秒以上

8000/装置

4〜9秒

4000/装置

3秒以下

1500/装置

注※

各インタフェースに設定しているPIM Join/Pruneメッセージの送信間隔のうち,最小の値が対象となります。

(2) PIM-SM関連の収容条件

本装置で使用するPIM-SM関連の収容条件を次の表に示します。

表3‒117 PIM-SM関連の収容条件

項目

最大数

IPv4マルチキャスト

IPv6マルチキャスト

隣接ルータ数

256/インタフェース

512/装置

256/インタフェース

512/装置

ランデブーポイント候補数

2/グループアドレス

2/グループアドレス

1装置当たりランデブーポイントで設定できるグループアドレス数

128/ネットワーク(VPN)

512/装置

128/ネットワーク(VPN)

512/装置

1ネットワーク(VPN)当たりランデブーポイントに設定できるグループアドレス数

1024/ネットワーク(VPN)

1024/装置

128/ネットワーク(VPN)

512/装置

1ネットワーク(VPN)当たりのランデブーポイント候補数

1024/ネットワーク(VPN)

1024/装置

128/ネットワーク(VPN)

512/装置

ブートストラップルータ候補数

512/装置

512/装置

静的ランデブーポイントルータアドレス数

16/ネットワーク(VPN)

512/装置

16/ネットワーク(VPN)

512/装置

マルチキャストサーバ仮想接続機能の設定数

128/インタフェース

256/装置

(凡例)−:該当なし

注※

グループアドレスを指定しないでランデブーポイントを設定した場合,デフォルトのグループアドレス(IPv4では224.0.0.0/4,IPv6ではff00::/8)が設定されます。なお,グローバルネットワークおよびVRFでランデブーポイントを設定する場合,デフォルトのグループアドレスも1グループアドレスとして使用します。

(3) IGMP/MLD関連の収容条件

本装置で使用するIGMPおよびMLD関連の収容条件を次の表に示します。

表3‒118 IGMP/MLD関連の収容条件

項目

最大数

IPv4マルチキャスト

IPv6マルチキャスト

静的グループ参加数※1

256/インタフェース

4000/装置

256/インタフェース

4000/装置

IGMP/MLD PIM-SSM連携機能の設定数(送信元アドレスとグループアドレスのペア数)※2

2048/装置※3

1024/装置※4

IGMPv3およびMLDv2で1Reportメッセージ当たり処理できるRecord情報

32Record/メッセージ

32ソース/Record

32Record/メッセージ

32ソース/Record

IGMPv3およびMLDv2で1Reportメッセージ当たり処理できるソース数※5

256ソース/メッセージ

256ソース/メッセージ

インタフェースに設定するマルチキャストチャネルリスト数※6

8/インタフェース

マルチキャストチャネルリストに設定するアクセスリスト数※7

2048/装置

マルチキャストチャネルリストに設定するマルチキャストチャネル数

32/マルチキャストチャネルリスト

帯域容量を設定したマルチキャストチャネルリスト数

2048/装置

帯域容量を設定したマルチキャストチャネル数

2048/装置

マルチキャストチャネル受信者数※8

65536/装置

400/インタフェース

(凡例)−:該当なし

注※1

静的グループ参加数とは,各マルチキャストインタフェースで静的参加するマルチキャストグループの合計です。複数のインタフェースで同一マルチキャストグループに静的参加した場合,静的グループ参加数は一つではなく,静的参加したインタフェースの数になります。

注※2

マルチキャストで使用するインタフェース数によって,設定できる数が変わります。「表3‒119 使用インタフェース数に対するIGMP/MLD PIM-SSM連携機能の設定数」に示す範囲内で使用してください。

注※3

マルチキャストグループ参加数によって,1グループアドレスに連携できる送信元アドレス数が変わります。「表3‒120 IGMP PIM-SSM連携機能で1グループアドレスに連携できる送信元アドレス数」に示す範囲内で使用してください。なお,IGMP PIM-SSM連携機能は,マルチキャストグループ参加数に関係なく収容条件の最大数まで設定できます。

注※4

マルチキャストグループ参加数によって,設定できる数が変わります。「表3‒121 マルチキャストグループ参加数に対するMLD PIM-SSM連携機能の設定数」に示す範囲内で使用してください。

注※5

一つのIGMPv3 ReportメッセージまたはMLDv2 Reportメッセージの各Recordに格納されるソース数の合計です。ソース情報のないRecordも1ソースとして数えます。

なお,IGMP/MLD PIM-SSM連携機能を設定している場合は,その設定によって生成されるソース数も本収容条件の対象となります。

注※6

マルチキャストチャネルフィルタ機能,マルチキャストチャネル数制限機能,および帯域管理機能それぞれでの最大設定数です。

注※7

マルチキャストチャネルフィルタ機能,マルチキャストチャネル数制限機能,および帯域管理機能で使用する,マルチキャストチャネルリストに設定するアクセスリストの数です。マルチキャストチャネルフィルタ機能,マルチキャストチャネル数制限機能,および帯域管理機能で一つのアクセスリストを使用する場合,1として数えます。

注※8

ホストトラッキング機能使用時のマルチキャストチャネルの総受信者数です。

表3‒119 使用インタフェース数に対するIGMP/MLD PIM-SSM連携機能の設定数

使用インタフェース数

IGMP/MLD PIM-SSM連携機能設定数

256

1024以上

512

512

1024

256

4095

64

表3‒120 IGMP PIM-SSM連携機能で1グループアドレスに連携できる送信元アドレス数

マルチキャストグループ参加数

1グループアドレスに連携できる送信元アドレス数

128

512

256

256

512

128

1024

64

2048

32

4096

16

8192

8

注※

動的グループ参加数および静的グループ参加数の合計です。IGMP PIM-SSM連携機能の対象ではないマルチキャストグループ参加も含みます。異なるインタフェースで同一のグループアドレスに参加している場合,マルチキャストグループ参加数は一つではなく,参加しているインタフェースの数になります。

表3‒121 マルチキャストグループ参加数に対するMLD PIM-SSM連携機能の設定数

マルチキャストグループ参加数

MLD PIM-SSM連携機能設定数

64

1024

128

512

256

256

512

128

1024

64

2048

32

4096

16

8192

8

注※

動的グループ参加数および静的グループ参加数の合計です。MLD PIM-SSM連携機能の対象ではないマルチキャストグループ参加も含みます。異なるインタフェースで同一のグループアドレスに参加している場合,マルチキャストグループ参加数は一つではなく,参加しているインタフェースの数になります。

(4) VRF関連の収容条件

VRFでマルチキャストルーティング機能を使用する場合の収容条件を次の表に示します。

表3‒122 VRF関連の収容条件

項目

最大数

IPv4マルチキャスト

IPv6マルチキャスト

マルチキャストを設定できるVRF数

512/装置

512/装置

マルチキャストエクストラネットのマルチキャストフィルタ数

1024/装置

1024/装置

マルチキャストエクストラネットで使用するroute-map数

512/装置

512/装置

注※

すべてのroute-mapで指定したアクセスリスト内のグループアドレスの合計です。

(5) マルチキャストパケットの送信者に関する注意

マルチキャストパケットの送信者の中には,マルチキャストパケットをバーストトラフィックとして送信する特性を持つものがあります。この特性を持つ送信者から受信したマルチキャストパケットを,マルチキャスト配信する場合には注意が必要です。

マルチキャスト受信者の回線を収容するネットワークインタフェース機構(NIF)の種類によって,マルチキャストが動作できるインタフェース数が異なります。マルチキャスト送信できるインタフェース数を次の表に示します。なお,IPv4マルチキャストとIPv6マルチキャストを同時に使用する場合は,合計のインタフェース数となります。

表3‒123 マルチキャスト送信できるインタフェース数

NIF略称

マルチキャスト送信できるインタフェース数(推奨値※1

NL1G-12T

ポート当たり64インタフェース

NL1G-12S

ポート当たり64インタフェース

NL1GA-12S

NIF当たり512インタフェース※2

NL1G-24T

8ポート当たり64インタフェース

NL1G-24S

8ポート当たり64インタフェース

NLXG-6RS

ポート当たり64インタフェース

NLXGA-12RS

NIF当たり512インタフェース※2

NLXLG-4Q

ポート当たり128インタフェース

NLCG-1Q

ポート当たり512インタフェース

NMCG-1C

ポート当たり1024インタフェース

注※1

推奨値は,送信者がマルチキャストパケットを8バーストで送信する特性(8パケット分のマルチキャストパケットをいったん蓄積したあとに,ネットワークに対して連続で送信する特性)を持っていることを想定しています。バースト数が大きくなるとマルチキャストパケットを一部廃棄することがあるので,マルチキャストを設定するインタフェース数を少なくする必要があります。

注※2

PSU-FE NIF送信キューのキュー長変更機能によってキュー長を拡張することで,マルチキャスト送信できるインタフェース数を拡張できます。インタフェース数とキュー長は,運用に応じて適切に設定してください。