コンフィグレーションガイド Vol.3
エクストラネットを実現するには次の二つの方法があります。
- VRF間の経路交換
- VRF間にわたるスタティックルーティング
ここでは,ルーティングテーブルを操作するVRF間の経路交換,およびVRF間にわたるスタティックルーティングについて説明します。また,VRF間でインポートできる経路について説明します。
- <この項の構成>
- (1) VRF間の経路交換
- (2) VRF間にわたるスタティックルーティング
- (3) VRF間でインポートできる経路
(1) VRF間の経路交換
各VRFが持つ経路情報を交換して,エクストラネットを実現します。VRF間の経路交換を次の図に示します。
図13-29 VRF間の経路交換
VRF 2の経路(172.16.1.0/24)とVRF 3の経路(172.16.3.0/24)を交換して,特定ネットワーク間で通信できます。
(2) VRF間にわたるスタティックルーティング
他VRFのゲートウェイをネクストホップとするスタティック経路を生成して,エクストラネットを実現します。VRF間にわたるスタティックルーティングを次の図に示します。
図13-30 VRF間にわたるスタティックルーティング
VRF 2のルーティングテーブルにホストCへの経路を,VRF 3のルーティングテーブルにホストAへの経路をスタティックで生成すると,特定ホスト間だけで通信できます。
(3) VRF間でインポートできる経路
他VRFまたはグローバルネットワークからインポートできる経路種別を次の表に示します。複数の経路種別に一致する場合は,一致したすべての経路種別がインポートできるときだけインポートできます。
表13-17 他VRFまたはグローバルネットワークからインポートできる経路種別(IPv4)
経路種別 インポートの可否 非アクティブ経路 × 削除保留中の経路 × エクストラネット用にインポートした経路 × 集約経路 ○ ループバックインタフェースに設定した経路 ○ イーサネットインタフェースの直結経路 ○ イーサネットサブインタフェースの直結経路 ○ ポートチャネルインタフェースの直結経路 ○ ポートチャネルサブインタフェースの直結経路 ○ マネージメントポートの直結経路 × AUXインタフェースの直結経路 × 出力インタフェースがイーサネットインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがイーサネットサブインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがポートチャネルインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがポートチャネルサブインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがループバックインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがNullインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがマネージメントポートとなる経路 × 出力インタフェースがAUXインタフェースとなる経路 × (凡例) ○:インポートできる ×:インポートできない
表13-18 他VRFまたはグローバルネットワークからインポートできる経路種別(IPv6)
経路種別 インポートの可否 非アクティブ経路 × 削除保留中の経路 × エクストラネット用にインポートした経路 × 集約経路 ○ ループバックインタフェースに設定した経路 ○ イーサネットインタフェースの直結経路(グローバルアドレス) ○ イーサネットインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス) × イーサネットサブインタフェースの直結経路(グローバルアドレス) ○ イーサネットサブインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス) × ポートチャネルインタフェースの直結経路(グローバルアドレス) ○ ポートチャネルインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス) × ポートチャネルサブインタフェースの直結経路(グローバルアドレス) ○ ポートチャネルサブインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス) × マネージメントポートの直結経路 × 出力インタフェースがイーサネットインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがイーサネットサブインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがポートチャネルインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがポートチャネルサブインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがループバックインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがNullインタフェースとなる経路 ○ 出力インタフェースがマネージメントポートとなる経路 × (凡例) ○:インポートできる ×:インポートできない
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