運用コマンドレファレンス Vol.2
[機能]
宛先ホストまでUDP6メッセージが通ったルート(通ったゲートウェイのルートとゲートウェイ間の転送速度)を表示します。本コマンドはIPv6専用です。
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[入力形式]
traceroute ipv6 <host> [numeric] [direct] [verbose] [gateway <Gateway_Address>…] [hoplimit <hops>] [port <port>] [probes <nqueries>] [[specific-route] source <Address>] [waittime <time>] [packetsize <size>]
[パラメータ]
- <host>
- テスト対象(IP送信先)のホストIPv6アドレス
- numeric
- ゲートウェイのアドレスをホスト名とIPv6アドレスではなく,IPv6アドレスだけで表示します。
- direct
- プローブパケットを接続されているネットワーク上のホストに直接送信します。通常のルーティングテーブルを使用しません。本オプションは,経路を持たないインタフェースを使ってホストにtraceroute ipv6を実行する場合に使用できます。
- verbose
- 冗長出力を有効にします。
- gateway <Gateway_Address>
- ソースルートのゲートウェイを指定します。
- hoplimit <hops>
- 送信されるプローブパケットの最大ホップ数をセットします。デフォルトは30ホップです。指定できる値は2〜255です。
- port <port>
- 使用するUDP6パケットのポート番号(デフォルトは33434)を指定します。プローブパケットのポート番号は<port>+1から始まり,プローブパケットごとに1ずつ増加します。
- probes <nqueries>
- ホップごとの探索の回数をnqueriesに指定します(デフォルトは3です)。指定できる値は2〜2147483647です。
- source <Address>
- 送信されるプローブパケットのソースアドレス(送信するアドレス)として,引数のIPv6アドレス(ホスト名ではなく,数字で指定してください)を用います。複数のIPv6アドレスを持つホストで,プローブパケットに別のソースアドレスを持たせるのに使用できます。指定したIPv6アドレスが,本ホストのインタフェースのアドレスのうちの一つでない場合,エラーが返され何も送信されません。
- specific-route
- マルチパス経路の宛先の場合に,一方の経路へだけパケットを送信します。パケットの送信インタフェースはsourceオプションのAddressで指定したIPv6アドレスが設定されているインタフェースです。
- waittime <time>
- プローブパケットの応答待ち時間(デフォルトは5秒)を(秒単位で)指定します。指定できる値は2〜2147483647です。
- packetsize <size>
- プローブパケットのデータサイズ(デフォルトは40)を(バイト単位で)指定します。指定できる値は0〜65515です。
[実行例]
図2-16 traceroute ipv6コマンドの実行結果画面
>traceroute ipv6 3ffe:1:120::100 numeric traceroute to 3ffe:1:120::100 (3ffe:1:120::100), 30 hops max, 40 byte packets 1 3ffe:22::100 0.612 ms * 0.532 ms 2 3ffe:1:120::100 0.905 ms 0.816 ms 0.807 ms
[ユーザ通信への影響]
なし
[注意事項]
- IPv6はIPv4と異なり,送信インタフェースに設定されているアドレスが始点アドレスとならない場合があります。traceroute ipv6コマンドによる中継経路確認をする場合は,始点アドレスにどのアドレスが選択されているか確認し,疎通ができなければsourceパラメータを使用して自装置のインタフェースに設定されている他のIPv6アドレスを指定して再度確認してください。
- 宛先ホストに対するグローバルホスト経路が存在する場合,そのホストに対してdirectパラメータは有効となりません。
- 他装置と重複しているIPv6アドレス宛にtraceroute ipv6コマンドを実行した場合,そのIPv6アドレスとは異なるIPv6アドレスから応答メッセージが返ることがあります。
また,立ち上がり直後数秒以内のインタフェースのIPv6アドレス宛に実行した場合も,異なるIPv6アドレスから応答メッセージが返ることがあります。
- 本装置よりtraceroute ipv6コマンド実施中に,本装置上の他のアプリケーションに対して大量のICMPv6エラーメッセージが発行された場合,traceroute ipv6コマンドが無応答になったように見えることがあります。そのような場合は,ICMPv6エラーメッセージの要因となっている他のアプリケーションを終了させてからtraceroute ipv6を実施するようにしてください。なお,verboseオプションを指定して実施するとこのような場合には,”failed to get upper layer header”のメッセージが表示されます。
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