コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.2

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alarm(RMONアラームグループの制御情報の設定)

RMON(RFC1757)アラームグループの制御情報の設定をします。本コマンドでは最大128エントリの設定ができます。

[入力モード]

グローバルコンフィグモード

[入力形式]

情報の設定
alarm <Index> variable <Object ID> interval <Seconds>
sample_type { delta | absolute }
[ startup_alarm { rising_falling | rising | falling } ] rising_threshold <Value>
rising_event_index <Number> falling_threshold <Value>
falling_event_index <Number> [ owner <String> ]

情報の変更
alarm <Index> [ variable <Object ID> ] [ interval <Seconds> ]
[ sample_type { delta | absolute } ]
[ startup_alarm { rising_falling | rising | falling } ] [ rising_threshold <Value> ]
[ rising_event_index <Number> ] [ falling_threshold <Value> ]
[ falling_event_index <Number> ] [ owner <String> ]

情報の削除
delete alarm <Index>

情報の表示
show alarm [<Index>]

[サブコマンド入力形式]

なし

[モード階層]

なし

[パラメータ]

<Index>
RMONアラームグループの制御情報の情報識別番号を指定します。本パラメータはRFC1757のalarmIndexに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(省略不可)
  2. 値の設定範囲
    1〜65535の任意の値を設定します。

variable <Object ID>
閾値チェックを行うMIBのオブジェクト識別子を指定します。本パラメータはRFC1757のalarmVariableに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    ドット形式で,MIBのオブジェクト識別子を”(ダブルクォート)で囲み指定します。最大63文字で指定可能なオブジェクト識別子だけ有効です。また,指定するオブジェクトは,Integer,TimeTicks,CounterやGaugeタイプのオブジェクト識別子を指定願います。なお,入力文字列に,英数字,および .(ピリオド)以外の特殊文字列を含まない場合は,”(ダブルクォート)で囲まなくても入力可能です。

interval <Seconds>
閾値チェックを行う時間間隔を指定します。[単位:秒] 本パラメータはRFC1757のalarmIntervalに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <Seconds>に1〜4294967295までの数値を指定します。

sample_type { delta | absolute }
閾値チェック方式を指定します。deltaの場合,現在値と前回のサンプリング時の値の差分を閾値と比較します。absoluteの場合,現在値を直接閾値と比較します。本パラメータはRFC1757のalarmSampleTypeに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    deltaまたはabsoluteを指定します。

startup_alarm { rising_falling | rising | falling }
最初のサンプリングで閾値チェックを行うタイミングを指定します。risingを指定した場合,最初のサンプリングで上方閾値を超えた場合にアラームを出します。fallingを指定した場合,最初のサンプリングで下方閾値を超えた場合にアラームを出します。rising_fallingの場合,最初のサンプリングで上方閾値または下方閾値を超えた場合にアラームを出します。本パラメータはRFC1757のalarmstartUpAlarmに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    rising_falling
  2. 値の設定範囲
    rising,falling,rising_fallingのうち一つ選択します。

rising_threshold <Value>
上方閾値の値を指定します。本パラメータはRFC1757のalarmRisingThresholdに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <Value>に-2147483648〜2147483647までの数値を指定します。

rising_event_index <Number>
上方閾値を超えた時のイベント方法の識別番号を指定します。イベント方法は,コンフィグレーションコマンドのeventで指定する(または指定した)制御情報の情報識別番号です。指定された情報識別番号がない場合,アラームは出ません。本パラメータはRFC1757のalarmRisigEventIndexに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <Number>にコンフィグレーションコマンドのeventコマンドで指定する(または指定した)制御情報の情報識別番号(1〜65535までの数値)を指定します。

falling_threshold <Value>
下方閾値の値を指定します。本パラメータはRFC1757のalarmFallingThresholdに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <Value>に-2147483648〜2147483647までの数値を指定します。

falling_event_index <Number>
下方閾値を超えた時のイベント方法の識別番号を指定します。イベント方法は,コンフィグレーションコマンドのeventで指定する(または指定した)制御情報の情報識別番号です。指定された情報識別番号がない場合,アラームは出ません。本パラメータはRFC1757のalarmFallingEventIndexに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    なし(初回だけ省略不可)
  2. 値の設定範囲
    <Number>にコンフィグレーションコマンドのeventコマンドで指定する(または指定した)制御情報の情報識別番号(1〜65535までの数値)を指定します。

owner <String>
本設定の設定者の識別情報を指定します。本設定を誰が行ったかを識別するための情報です。本パラメータはRFC1757のalarmOwnerに対応します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    初期値は,空白になっています。
  2. 値の設定範囲
    <String>に情報の設定者の名称を24文字以内の文字列を ”(ダブルクォート)で囲み設定します。なお,入力文字列に,英数字,および .(ピリオド)以外の特殊文字列を含まない場合は,”(ダブルクォート)で囲まなくても入力可能です。
    入力可能な文字に関しては,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 パラメータに指定できる値」を参照願います。
    ただし,次の文字は使用できませんのでご注意ください。
    ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)

[サブコマンド]

なし

[入力例]

  1. RMONアラームグループの制御情報の設定
    RMONアラームグループ制御情報の設定のために以下の設定を行います。
    • RMON MIBを参照するためにSNMPマネージャをコンフィグレーションのsnmpコマンドで登録します。
      本コマンドの詳細は「snmp(SNMPマネージャの登録)」を参照願います。
      コミュニティ名:public
      SNMPマネージャのIPアドレス:30.1.1.1
      MIBアクセスモード:Read/Write
      トラップを発行します。
    • アラームが発生したとき実行するイベントを設定します。
      本コマンドの詳細は「event(RMONイベントグループの制御情報の設定)」を参照願います。
      情報識別番号:3
      イベント実行方法:log_trap
      Trap送信コミュニティ名:public
    • interfasesグループの1.3.6.1.2.1.2.2.1.19.3(ifOutDiscards.3)の閾値チェックを行い2.で設定したイベントを実行するように指定します。ifOutDiscardsは送信パケットでエラーが検出されなかったのに廃棄されたパケット数をカウントするMIBです。
      情報識別番号:12
      閾値チェックを行う時間間隔:256111秒
      閾値チェック方式:delta
      上方閾値:400000パケット
      上方閾値のイベント方法の識別番号:3
      下方閾値:100パケット
      下方閾値のイベント方法の識別番号:3
      設定者の識別情報:”net-mgr ken 07/25”
    • ifOutDiscards.4の閾値チェックを行い2.で設定したイベントを実行するように指定します。
      情報識別番号:20
      閾値チェックを行う時間間隔:12800秒
      閾値チェック方式:absolute
      上方閾値:30000パケット
      上方閾値のイベント方法の識別番号:3
      下方閾値:300パケット
      下方閾値のイベント方法の識別番号:3
      設定者の識別情報:”net-mgr ichiro 07/25”
     
    (config)# snmp public 30.1.1.1 read_write trap
    (config)# event 3 type log_trap community public
    (config)# alarm 12 variable "1.3.6.1.2.1.2.2.1.19.3"  interval  256111 sample_type  delta rising_threshold 400000 rising_event_index 3 falling_threshold 100  falling_event_index 3 owner "net-mgr ken 07/25"
    (config)# alarm 20 variable "ifOutDiscards.4"  interval  12800 sample_type absolute rising_threshold 30000 rising_event_index 3 falling_threshold 300 falling_event_index 3 owner "net-mgr ichiro 07/25"
    (config)# show alarm
    alarm 12 variable "1.3.6.1.2.1.2.2.1.19.3" interval 256111 sample_type delta rising_threshold 400000 rising_event_index 3 falling_threshold 100 falling_event_index 3 owner "net-mgr ken 07/25"
    !
    alarm 20 variable "ifOutDiscatds.4" interval 128000 sample_type absolute rising_threshold 30000 rising_event_index 3 falling_threshold 300 falling_event_index 3 owner "net-mgr ichiro 07/25"
    (config)# 
     
  2. 情報の変更
    RMONアラームグループ制御情報の情報識別番号12の閾値間隔を256秒に変更します。
     
    (config)# alarm 12 interval 256
    (config)# show alarm
    alarm 12 variable "1.3.6.1.2.1.2.2.1.19.3" interval 256 sample_type delta rising_threshold 400000 rising_event_index 3 falling_threshold 100 falling_event_index 3 owner "net-mgr ken 07/25"
    !
    alarm 20 variable  "ifOutDiscatds.4" interval 128000 sample_type absolute rising_threshold 30000 rising_event_index 3 falling_threshold 300 falling_event_index 3 owner "net-mgr ichiro 07/25"
    (config)# 
     
  3. 定義情報の表示
    RMONアラームグループ制御情報の登録状況を表示します。
     
    (config)# show alarm
    alarm 12 variable "1.3.6.1.2.1.2.2.1.19.3" interval 256 sample_type delta rising_threshold 400000 rising_event_index 3 falling_threshold 100 falling_event_index 3 owner "net-mgr ken 07/25"
    !
    alarm 20 variable "ifOutDiscatds.4" interval 128000 sample_type absolute rising_threshold 30000 rising_event_index 3 falling_threshold 300 falling_event_index 3 owner "net-mgr ichiro 07/25"
    (config)# 
     
  4. 設定情報の削除
    RMONアラームグループ制御情報の情報識別番号12の情報を削除します。
     
    (config)# delete alarm 12
    (config)# show alarm
    alarm 20 variable "ifOutDiscatds.4" interval 128000 sample_type absolute rising_threshold 30000 rising_event_index 3 falling_threshold 300 falling_event_index 3 owner "net-mgr ichiro 07/25"
    (config)# 
     

[関連コマンド]

event(RMONイベントグループの制御情報の設定)

snmp(SNMPマネージャの登録)

[注意事項]

  1. SNMPマネージャからアラームグループをアクセスするときはSNMPマネージャの登録が必要です。
  2. アラームグループのrising_event_index,falling_event_indexの値はイベントグループで設定した情報識別番号を設定してください。値が異なっていれば,アラームが発生したときイベントは実行されません。
  3. コンフィグレーションコマンドで設定したアラームグループと,SNMPマネージャからSetで設定したアラームグループを合わせて,最大128エントリ設定できます。最大エントリを設定した状態で,コンフィグレーションにアラームグループを設定しても,追加したアラームグループは動作しません。不要なalarm設定を削除してから,再設定してください。
  4. SNMPマネージャからRMON alarmTableのSetを行った場合,コンフィグレーションには反映されません。
  5. alarmのコンフィグレーション数が多い場合や,intervalに設定した値が60秒以内である場合など,一部のalarmでMIB情報収集できずに,alarmが動作しない場合があります。そのような状態では,alarmStatusのMIB値は,invalid(4)になります。この様な状態になっている時は,interval値を延ばすか,不要なalarm定義を削除するようお願いします。
  6. interval値が長く設定されている場合,5.などの理由で,historyControlStatusがvalid(1)からinvalid(4)になるまで,しばらくはvalid(1)で応答します(目安としては,interval値の約半分の時間が掛かります)。
  7. IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。

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