コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1
ここでは,IPマルチキャストルーティングプロトコルに関する情報を定義するコンフィグレーションコマンドとパラメータを説明します。「表18-1 マルチキャストコマンド一覧」にマルチキャストコマンド一覧を示します。
表18-1 マルチキャストコマンド一覧
目的別ガイド 主な定義項目 コマンド 参照個所 PIMネットワーク情報 PIM-DM/SM情報 pim pim【OP-MLT】 IPv4グループ管理情報 multicast multicast【OP-MLT】 DVMRPネットワーク情報 IGMP情報 igmp igmp【OP-MLT】 DVMRP情報 dvmrp dvmrp【OP-MLT】 IPv4グループ管理情報 multicast multicast【OP-MLT】
[注意事項]
- system config_update autoが定義されていない時の変更反映に関する注意事項
- IPマルチキャストルーティングプロトコル情報は上記IPマルチキャストルーティングプロトコル関連のコマンドを投入しただけでは運用に反映されません。上記コマンドを使用してIPマルチキャストルーティングプロトコル情報を変更した場合は,applyコマンドを使用して運用に反映してください。
- スタートアップコンフィグレーションファイルの編集を行っている時にだけapplyコマンドは有効です。バックアップコンフィグレーションファイルの編集を行っている時にapplyコマンドを投入しても変更した内容は運用に反映されません。
- IPマルチキャストルーティングプロトコル情報を変更したあとにsaveコマンド,promptコマンド,IPマルチキャストルーティングプロトコル以外のコンフィグレーションの追加・変更コマンドを投入した場合は,applyコマンドを投入しなくても,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更内容を運用に反映します。また,quitコマンド,showコマンドの場合はIPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更が行われていても運用に反映しませんのでご注意ください。
- PIMネットワーク情報とDVMRPネットワーク情報を同時に定義しないでください。
(PIMとDVMRPは同時には動作しません。また,PIM-DMとPIM-SMも同時に動作しません)
- PIMが動作している状態でDVMRPへの(DVMRPを動作させる)オンライン変更は不可です。
また,DVMRPが動作している状態でPIMへの(PIMを動作させる)オンライン変更も不可です。また,PIM-DMからPIM-SMへの動作およびPIM-SMからPIM-DMへの動作のオンライン変更も不可です。これらの変更を反映するには,本装置の再起動を実施してください。
- マルチキャストをPIMで動作させる場合はigmpの定義は不要です。
- マルチキャストをDVMRPで動作させる場合,igmpを定義したインタフェースには必ずDVMRPの定義も設定してください。
DVMRPルータだけが接続しているインタフェースではdvmrpの定義を設定してください(igmpの定義は不要です)。
DVMRPルータおよびマルチキャストホスト(PC)が接続しているインタフェースではigmpおよびdvmrpの定義を設定してください。マルチキャストホスト(PC)が接続しているインタフェースではigmpおよびdvmrpの定義を設定してください。
- マルチキャストで定義可能なインタフェース数を「表18-2 マルチキャストで定義可能なインタフェース数」に示します。
表18-2 マルチキャストで定義可能なインタフェース数
ネットワーク情報 動作可能な最大インタフェース数(装置当たり) 定義可能な最大インタフェース数 (装置当たり) PIM-DM 256 enable指定のPIM-DMインタフェースの数はpimコマンドで定義したmax-interfacesサブコマンドの値(32,64,128,256)まで定義できます。
disable指定のPIM-DMインタフェースは動作可能なインタフェースに含みませんが,定義できる数はenable指定のPIMインタフェースと合わせて最大256です。PIM-SM(sparse mode) 255 enable指定のPIM-SMインタフェースの数はpimコマンドで定義したmax-interfacesサブコマンドの値(32,64,128,256)まで定義できます。
disable指定のPIM-SMインタフェースは動作可能なインタフェースに含みませんが,定義できる数はenable指定のPIMインタフェースと合わせて最大255です。DVMRP 32 dvmrpコマンドで定義したenable指定のDVMRPインタフェース数は最大32です。また,igmpおよびdvmrpコマンドで定義できるインタフェース数はそれぞれ最大32です。 - 本装置でIPマルチキャストが動作可能なインタフェース種別を「表18-3 IPマルチキャストのインタフェース種別」に示します。
表18-3 IPマルチキャストのインタフェース種別
項番 インタフェース種別 サポート可否 備考 1 LAN イーサネット マルチホーム未使用時 可 Ethernet V2フレームタイプだけサポート 2 マルチホーム使用時 不可 − 3 Tag-VLAN連携 可 − 4 リンクアグリゲーション 可 − 5 POS 可 − 6 共用アドレスインタフェース 不可 − 7 VLAN 可 − 8 プライベートVLAN 不可 − 9 RMイーサネット(AX5400Sではリモートマネージメントポート) 不可 − 10 RMシリアル接続 不可 − 11 装置管理情報(system)の装置IPアドレス 不可 ただし,ランデブーポイント候補およびBSR候補アドレスとして使用する。 12 ローカルループバックインタフェース 不可 − 13 nullインタフェース 不可 − 14 トンネルインタフェース 不可 − - 本装置でIPマルチキャストを使用する際は,コンフィグレーションのsystem psu_resource(AX5400Sではsystem bsu_resource)コマンドでPSU(AX5400SではBSU)上のハードウェアテーブルのIPv4マルチキャスト経路を割り当ててください。
- IPマルチキャストルーティングプロトコルの設定を行ったあと,showコマンドによって設定情報を確認した時に,"connection failed to mrp"というメッセージが出力され,これが複数回続く場合,注意事項3.の条件に一致している可能性があります。
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