解説書 Vol.2

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6.3 障害監視インタフェース

VRRPでは仮想ルータを設定したインタフェースの障害時に,マスタルータを装置単位で切り替えます。しかし,仮想ルータが設定されていないそのほかのインタフェースに障害が発生した場合には切り替えません。本装置では独自の付加機能として他インタフェースを監視して,他インタフェースがダウンした場合に,仮想ルータの優先度を下げて運用する機能を使用できます。このインタフェースを障害監視インタフェースといいます。

障害監視インタフェースがダウンしたとき,仮想ルータの優先度の扱いは2通りあります。一つは,障害監視インタフェースがダウンしたときに仮想ルータの優先度をあらかじめ設定しておいた優先度(Critical Priority)に変更して運用します。もう一つは,障害監視インタフェースがダウンしたときにあらかじめ障害監視インタフェースに設定された,優先度減算値(Down Priority)を仮想ルータの優先度から減算し運用します。前者の場合,障害監視インタフェースは一つしか設定できませんが,VRRPポーリング機能を使用することができます。後者の場合,障害監視インタフェースを複数設定することができます。ただし,VRRPポーリング機能は使用できません。

仮想ルータの優先度障害監視インタフェースを次の図に示します。

図6-3 障害監視インタフェース

[図データ]

この図を例にして説明します。本装置AにはIaというイーサネットインタフェースとIbというイーサネットインタフェースの二つが定義されています。仮想ルータはインタフェースIaに設定されています。通常のVRRPの動作ではイーサネット回線の障害によってインタフェースIbがダウンしても,仮想ルータの動作には影響を与えません。しかし,本装置では障害監視インタフェース(Critical Interface)と障害監視インタフェースダウン時の優先度(Critical Priority),または優先度を下げる値(Down Priority)を指定することによって,仮想ルータの動作状態を変更させることができます。

本装置Aの仮想ルータの障害監視インタフェースをIb,そして障害監視インタフェースダウン時の優先度を0に設定した場合,インタフェースIbのダウン時には自動的マスタが本装置Aから本装置Bへ切り替わります。

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