解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 概要
- (2) VLANトンネリング機能を使用するための必須条件
- (3) VLANトンネリング機能使用時の注意事項
(1) 概要
VLANトンネリング機能とは,複数ユーザのVLANをほかのVLANの中に集約して「トンネル」する機能です。IEEE802.1Q VLAN-Tagをスタックすることで一つのVLAN内にほかのVLANに属するフレームをトランスペアレントに通すことができます。トンネルは3個所以上のサイトを接続するマルチポイント接続が可能です。適用例を次の図に示します。
この適用例では,レイヤ2 VPNサービスである広域イーサネットサービスに適用する場合を例に示します。本装置にVLANトンネリング機能を適用します。本装置でVLAN-Tagをスタックして図中のLANスイッチ間の通信をトランスペアレントに行うことができます。
図7-13 VLANトンネリング概要(広域イーサネットサービス適用例)
(2) VLANトンネリング機能を使用するための必須条件
VLANトンネリング機能を使用する場合は,下記の設定が必須となります。
- コンフィグレーションコマンドvlan-tunneling-enableを設定する。
- VLANトンネリング機能を実現するVLANでは,アクセス回線側はUntaggedポートを定義,バックボーン回線側はTaggedポートを定義する(アクセス回線側とバックボーン回線側を同じポートで共用することはできない)。
- VLANトンネリングのバックボーン回線はコンフィグレーションコマンドlineのjumbo-frameサブコマンドもしくはethernet-jumbo-frameコマンドで,1,522バイト以上(FCSを除く)を設定する。
(3) VLANトンネリング機能使用時の注意事項
(a) デフォルトVLANについて
デフォルトVLANの自動加入を行いません。すべてのVLANを明示的に設定してください。
(b) スパニングツリーについて
Untaggedポート(アクセス回線側)ではスパニングツリーは動作しません。Taggedポート(バックボーン回線側)だけでスパニングツリーを使用できます。
(c) VLAN Tagスタックの段数について
VLAN Tagのスタックは2段のスタックをサポートします。3段以上スタックしているフレームを扱うことはできません。
(d) レイヤ3インタフェースの使用について
VLANトンネリング機能使用時は,VLANにIPアドレスを設定することはできません。本装置の管理などを目的としたIPアドレスは,次に示すどれかを使用してください。
- RMイーサネットインタフェース【AX7800S】
- リモートマネージメントポートもしくはメンテナンスポート【AX5400S】
- ルータポート
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