運用ガイド

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9.3.1 障害が発生したボードの交換(電源ONしたまま)

ここでは本装置のBCU,PRU,PRU内蔵型高密度ポートNIF,NIFで障害が発生して,ボードの交換が必要なときの手順を記載しています。交換対象となるボードに応じて,次に記載してある説明を参照してください。なお,各ボードの搭載位置に関する説明およびLEDに関する説明は「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 運用中なので電源ONしたまま,待機系BCUを交換したい【AX7800R】
(2) 運用中なので電源ONしたまま,PRUを交換したい
(3) 運用中なので電源ONしたまま,PRU内蔵型高密度ポートNIFを交換したい
(4) 運用中なので電源ONしたまま,NIFを交換したい

(1) 運用中なので電源ONしたまま,待機系BCUを交換したい【AX7800R】

電源ONしたまま待機系BCUを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-10 待機系BCU交換手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)待機系BCUの切り離し
まず,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行して,待機系BCUの運用状態を確認してください。
 
> show system[Enter]
 
コマンド実行結果を次の図に示します(次の図では「BCU0」が運用系,「BCU1」が待機系となっています)。

図9-11 show systemコマンド実行結果

[図データ]

<待機系BCUが障害になっている場合>
待機系BCUが障害になっている場合,待機系BCUの状態が「Fault」になっています。この場合,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示す待機系BCUを閉塞状態にするclose standbyコマンドを実行してください。
 
> close standby[Enter]
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”standby”を選択
 
本コマンド,または本操作を実行後,(手順2)に従って待機系BCUを取り外してください。

<待機系BCUが障害になっていない場合>
障害の発生したBCUが再立ち上げに成功した場合,待機系BCUの状態が「Standby」になっています。この場合にも,再発防止の観点からBCUボードを交換することをお勧めします。

(手順2)待機系BCUの取り外し
待機系BCUの取り外し手順を次の図に示します。

図9-12 待機系BCU取り外し手順

[図データ]

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員に依頼してください。

(手順3)待機系BCUの取り付け

<交換対象が待機系BCUの場合>
待機系BCUの取り付け手順を次の図に示します。なお,待機系BCUの取り付け手順は,(手順2)で説明した取り外し手順とは一部順序が異なっているで注意してください。

図9-13 待機系BCU取り付け手順

[図データ]

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)待機系BCUの運用開始
待機系BCUを交換しただけでは,待機系BCUは運用状態(正常な二重化運用)になりません。(手順3)終了後,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示す待機系BCUを運用状態にするfree standbyコマンドの実行が必要です。
 
> free standby[Enter]
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”standby”を選択
 
本コマンド,または本操作を実行後,待機系BCUの運用状態が「Standby」になっていることを確認してください。待機系BCUの運用状態の確認方法は,運用系に接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行してください。
 
> show system[Enter]
 
show systemコマンド実行結果を次の図に示します。

図9-14 show systemコマンド実行結果

[図データ]

〔交換後の注意事項〕
スロット0,スロット1両方のMCスロットにMCを実装している場合,BCU交換後の初期状態ではスロット0のMCを優先して起動するように設定されています。このため,待機系BCU交換前にset modeコマンドによりスロット1のMCを優先して起動する設定で運用していて,待機系BCU交換後も同様にスロット1のMCを優先して起動したい場合は,運用系BCUに接続した運用端末から,装置管理者モードに移行したあと,次に示すset modeコマンドで再度設定してください。
 
# set mode standby slot1 reload [Enter]
 
待機系BCU起動時の優先MCスロットの設定後,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すreloadコマンドにより,待機系BCUを再起動してください。なお,本コマンドは,装置管理者モードでなくても実行できます。
 
> reload dump-image -f standby [Enter]
 
待機系BCU再起動後,待機系BCUの運用状態が「Standby」になっていることを確認してください。待機系BCUの運用状態の確認方法は,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行してください。show systemコマンドの実行結果は,「図9-14 show systemコマンド実行結果」を参照してください。
 
> show system[Enter]
 

(2) 運用中なので電源ONしたまま,PRUを交換したい

電源ONしたままPRUを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-15 PRUボード取り外し手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)PRUボードの運用停止
撤去するPRUの運用を停止します。次に示すclose pruコマンドを運用端末から実行します。このとき,対象となるPRU配下のNIFは運用中であっても停止します。
 
close [-f] pru <PRU No.>[Enter]   ( PRU No.:対象となるPRU番号)
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”PRUx” (x : 対象となるPRU番号)を選択

(手順2)PRUボードの取り外し
対象となるPRUボードのSTATUS LED表示が消灯していることを確認したあと,対象となるPRUボードに取り付けられているNIFボードを取り出し,次にPRUボードを取り外してください。詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)PRUボードの取り付け
空きスロットにPRUボードを取り付けます。次にPRUボードに(手順2)で取り外したNIFボードを取り付けます。詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)PRUボードの運用開始
取り付けたPRUボードの運用を開始します。次に示すfree pruコマンドを運用端末から実行します。
 
free pru <PRU No.>[Enter]   ( PRU No.:対象となるPRU番号)
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”PRUx” (x : 対象となるPRU番号)を選択

(3) 運用中なので電源ONしたまま,PRU内蔵型高密度ポートNIFを交換したい

電源ONしたままPRU内蔵型高密度ポートNIFを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-16 PRU内蔵型高密度ポートNIFボード取り外し手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)PRU内蔵型高密度ポートNIFボードの運用停止
撤去するPRU内蔵型高密度ポートNIFの運用を停止します。次に示すclose pruコマンドを運用端末から実行します。このとき,対象となるPRU内蔵型高密度ポートNIF配下のNIFは運用中であっても停止します。
 
close [-f] pru <PRU No.>[Enter]   ( PRU No.:対象となるPRU番号)
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”PRUx” (x : 対象となるPRU番号)を選択

(手順2)PRU内蔵型高密度ポートNIFボードの取り外し
対象となるPRU内蔵型高密度ポートNIFボードのSTATUS LED表示が消灯していることを確認したあと,PRU内蔵型高密度ポートNIFボードを取り外してください。詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)PRU内蔵型高密度ポートNIFボードの取り付け
空きスロットにPRU内蔵型高密度ポートNIFボードを取り付けます。詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)PRU内蔵型高密度ポートNIFボードの運用開始
取り付けたPRU内蔵型高密度ポートNIFボードの運用を開始します。次に示すfree pruコマンドを運用端末から実行します。
 
free pru <PRU No.>[Enter]   ( PRU No.:対象となるPRU番号)
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”PRUx” (x : 対象となるPRU番号)を選択

(4) 運用中なので電源ONしたまま,NIFを交換したい

電源ONしたままNIFを交換する概略手順を次の図に示します。なお,PRU内蔵型高密度ポートNIFの場合は以下の手順を実行しても,交換はできません。交換方法については,「(3) 運用中なので電源ONしたまま,PRU内蔵型高密度ポートNIFを交換したい」を参照してください。

図9-17 NIFボード取り外し手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)NIFボードの運用停止
取り外すNIFボードの運用を停止します。次に示すclose nifコマンドを運用端末から実行します。
 
close [-f] nif <NIF No.>[Enter] ( NIF No.:対象となるNIF番号)
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”NIFxx” (xx : 対象となるNIF番号)を選択
 

(手順2)NIFボードの取り外し
対象となるNIFボードのSTATUS LED表示が消灯していることを確認したあと,NIFボードを取り外してください。取り外し方法の詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)NIFボードの取り付け
以下のNIFボードの場合,取り付け前にインタフェースモードを8kインタフェースモードに設定してください。詳細については「5.4.1 NE1G-48Tの実装手順」を参照してください。
NIFの空きスロットにNIFボードを挿入します。挿入方法の詳細については,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。
注※ NIFボード
  • NE1G-48T

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)NIFボードの運用開始
NIFの付属するPRUボードが運用状態の場合は,増設したNIFボードを運用状態にします。次に示すfree nifコマンドを運用端末から実行します。
 
free nif <NIF No.>[Enter]   ( NIF No.:対象となるNIF番号)
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”NIFxx” (xx : 対象となるNIF番号)を選択
 
NIFの付属するPRUボードが停止状態の場合,PRUボードを運用状態にします。次に示すfree pruコマンドを運用端末から実行します。PRUが運用状態になると配下のNIFもすべて運用状態になります。
 
free pru <PRU No.>[Enter]   ( PRU No.:対象となるPRU番号)
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”PRUx” (x : 対象となるPRU番号)を選択

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