運用ガイド
- <この項の構成>
- (1) MPLSパケットの通信を確認する
- (2) 通過ルータを確認する
- (3) MPLS網内IPv4ユニキャストルーティング情報の確認
- (4) MPLSラベルを確認する
- (5) Basic LDPセッションの状態を確認する
- (6) Basic LDPセッションダウンの要因を確認する
- (7) static LSPの状態を確認する
- (8) ポリシールーティングの状態を確認する
(1) MPLSパケットの通信を確認する
LDPまたはrouting-baseなstatic LSPで非VPN MPLS通信をする場合,宛先アドレスまでのMPLSパケットの到達性を確認できます。ping mplsコマンドにより宛先アドレスまでのMPLSパケットの到達性を確認してください。
到達性の確認が成功した例を,「図6-88 LSP pingによるMPLSパケットの到達性確認(成功時)」に,中継装置に問題があり失敗した例を「図6-89 LSP pingによるMPLSパケットの到達性確認(失敗時1)」に,ping mplsコマンドを実施した装置に問題があり失敗した例を「図6-90 LSP pingによるMPLSパケットの到達性確認(失敗時2)」に示します。
図6-88 LSP pingによるMPLSパケットの到達性確認(成功時)
図6-89 LSP pingによるMPLSパケットの到達性確認(失敗時1)
図6-90 LSP pingによるMPLSパケットの到達性確認(失敗時2)
> ping mpls 192.168.113.101/32 Corresponding FEC dose not found.
(2) 通過ルータを確認する
LDPまたはrouting-baseなLSPで非VPN MPLS通信をする場合,宛先アドレスまでの通過ルータを確認できます。traceroute mplsコマンドにより宛先アドレスまでの通過ルータを確認してください。
通過ルータの確認が成功した例を,「図6-91 LSP tracerouteによる通過ルータの確認(成功時)」に,中継装置に問題があり失敗した例を「図6-92 LSP tracerouteによる通過ルータの確認(失敗時1)」に,traceroute mplsコマンドを実施した装置に問題があり失敗した例を「図6-93 LSP tracerouteによる通過ルータの確認(失敗時2)」に示します。
図6-91 LSP tracerouteによる通過ルータの確認(成功時)
図6-92 LSP tracerouteによる通過ルータの確認(失敗時1)
図6-93 LSP tracerouteによる通過ルータの確認(失敗時2)
> traceroute mpls 192.168.113.101/32 Trace to 192.168.113.101/32 is via LDP FEC timeout timeout timeout ^C
(3) MPLS網内IPv4ユニキャストルーティング情報の確認
LDPによる非VPN MPLS通信をするためには,宛先アドレスへの経路が必要です。IPv4ユニキャストルーティング情報を,「6.4.1 宛先アドレスへの経路を確認する」に従って確認します。
static LSPによるMPLS通信では,宛先アドレスへの経路は不要です。
(4) MPLSラベルを確認する
非VPN MPLS通信をする場合,show mpls forwarding-tableコマンドでラベルとフォワーディングテーブルを確認してください。
MPLSパケット送受信数の収集統計取得が開始されている場合,show mpls forwarding-tableコマンドにstatisticsオプションを指定すると送受信パケット数が表示されます。
図6-94 IPアドレス指定によるラベルとフォワーディング情報の表示
> show mpls forwarding-table 192.168.113.101/32 statistics Current Statistics Status : Collecting Total : 1 FEC: 192.168.113.101/32 Next Hop : 192.168.7.7 Out: Label: 4503 Interface: Fukuoka Packets : 78901 Octets : 25874630 Discard Packets : 190static LSPを使用している場合のコアLSRでは,show mpls forwarding-tableコマンドのパラメータに,宛先アドレスではなくラベルまたはLSPIDを指定する必要があるので注意してください。
(5) Basic LDPセッションの状態を確認する
show mpls ldpコマンドでBasic LDPセッションの状態がUPであることを確認してください。LDPによる非VPN MPLS通信を行う場合は,宛先アドレスへの経路の出力インタフェースを指定したBasic LDPセッションがUPしている必要があります。
図6-95 Basic LDPセッション状態の表示
(6) Basic LDPセッションダウンの要因を確認する
Basic LDPセッションがダウンしている場合,show mpls ldp detailコマンドでBasic LDPセッションダウンの要因を確認してください。
図6-96 Basic LDPセッションダウンの要因の表示
表6-2 Basic LDPセッションの障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 show mpls ldp detailコマンド表示結果のLast down reasonを確認してください。 最後にBasic LDPセッションがUPからDownに変化した理由が表示されている場合は項番3へ。 ’-’が表示されている場合は,まだ一度もBasic LDPセッションが確立していない状態です。項番2へ。 2 Helloメッセージの統計情報を確認してください。 受信回数が0の場合,対向LSRからのHelloメッセージが届いていません。相手ルータの状態およびリンクの状態を確認してください。 Helloを受信している場合,Basic LDPセッションのtcpコネクションの状態および対向LSRの状態を確認してください。 3 show mpls ldp detailコマンドのLast down reasonの表示内容を確認してください。 Configuration changed or unsupported hardwareの場合,コンフィグレーションが変更されたか,MPLS未対応のハードウェアを使用しています。コンフィグレーションとハードウェアを確認してください。 Hello expiredの場合,対向LSRからのHelloメッセージが届かなくなっています。相手ルータの状態およびリンクの状態を確認してください。 Keepalive expiredの場合,対向LSRからのKeepaliveメッセージが届かなくなっています。相手ルータの状態およびリンクの状態を確認してください。※ Illegal message receivedの場合,対向LSRから不正なメッセージを受信したことによりBasic LDPセッションを強制解放しています。※ Notification message receivedの場合,対向LSRからNotificationメッセージを受信したことによりBasic LDPセッションを強制解放しています。※ Unknownの場合,上記以外の理由でBasic LDPセッションが解放されています。※
- 注※ これらの要因でBasic LDPセッションが障害となった場合,通常は自動的にBasic LDPセッションが回復します。しばらく待ってもBasic LDPセッションが回復しない場合は,相手ルータの状態を確認してください。
(7) static LSPの状態を確認する
show mpls static-lspコマンドでstatic LSPの状態を確認してください。
図6-97 static LSP状態の表示
(8) ポリシールーティングの状態を確認する
policy-baseのstatic LSPで非VPN MPLS通信をする場合,show filter-flowコマンドでポリシールーティング機能によりMPLS通信がされていることを確認してください。
図6-98 MPLSポリシールーティング指定時のフローフィルタ統計
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