解説書 Vol.1

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19.1.3 EoMPLS

本装置はMartini方式ベースのEoMPLSを実装しています。

<この項の構成>
(1) VC
(2) カスタマサイト間フレーム転送方式
(3) VCラベル配布

(1) VC

EoMPLSのカスタマサイト間でレイヤ2の接続を行う仮想的な回線をVC(Virtual Circuit)と呼びます。VCは,エッジルータ間であらかじめ確立されているLSPの内側に確立されます。このLSPをトンネルLSPと呼びます。VCの概要を次の図に示します。

図19-3 VCの概要

[図データ]

(2) カスタマサイト間フレーム転送方式

トンネルLSPで使用されるラベルをトンネルラベルと呼び,VCを特定するラベルをVCラベルと呼びます。この二つのラベルは,EoMPLSのカスタマサイト間でイーサネットフレームを転送するために使用されます。カスタマサイト間のフレーム転送手順を次に示します。

  1. 入口エッジルータは,アクセス回線から受信したイーサネットフレームをトンネルラベルおよびVCラベルでカプセル化します。VCラベルは,受信ポート情報またはTag-VLAN情報(VLAN ID)から決定され,トンネルラベルは決定されたVCラベル情報から決定されます。
    カプセル化されたイーサネットフレームは,トンネルLSPを使用して出口エッジルータまで転送されます。
  2. 出口エッジルータ直前のLSRはPHPによって,トンネルラベルによるカプセル化を解除します。
  3. 出口エッジルータはVCラベルによって送信するアクセス回線を特定し,VCラベルによるカプセル化を解除したあとで,該当するアクセス回線へイーサネットフレームを送信します。

フレーム転送の概要を次の図に示します。

図19-4 フレーム転送の概要

[図データ]

(3) VCラベル配布

VCラベルを配布するために,MPLS網内で隣接していないLSR間でLDPセッションを確立できるようにするTargeted LDPを使用します。Targeted LDPのFEC種別にVCを追加し,エッジルータ間でTargeted LDPセッションを確立させ,VCラベルを配布します。LSR間で確立するLDPセッションと,配布するラベルを次の図に示します。

図19-5 LSR間で確立するLDPセッションと,配布するラベル

[図データ]

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