解説書 Vol.1

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15.3.1 BGP4+の基礎概念

BGP4+はAS間のルーティングプロトコルであり,扱う経路情報は,宛先ネットワークへのASパス情報(パケットが宛先のネットワークに到達するまでに通過するASの列)で構成されます。BGP4+が動作するルータをBGP4+スピーカといいます。このBGP4+スピーカはほかのBGP4+スピーカと経路情報を交換するためにピアを形成します。

<この項の構成>
(1) ピアの種類
(2) 装置アドレス

(1) ピアの種類

本装置で使用されるピアには外部ピアおよび内部ピアの2種類があります。内部ピアはインターナルピアおよびルーティングピアがあります。ネットワーク構成に合わせてピアを使用してください。内部ピアと外部ピアの例を次の図に示します。

図15-3 内部ピアと外部ピアの例

[図データ]

(2) 装置アドレス

本装置では装置に対してIPv6アドレスを割り当てることができます。これを装置アドレスと呼びます。この装置アドレスを内部ピアのIPv6アドレスとして使用すると,特定の物理インタフェースの状態に依存した内部ピア(TCPコネクション)への影響を排除できます。

例えば,「図15-3 内部ピアと外部ピアの例」でルータ1−ルータ2間の内部ピアにインタフェースのIPv6アドレスを使用すると,ルータ1−ルータ2間に障害が発生してインタフェースが使用できない場合には,ルータ1−ルータ2間の内部ピアは確立できません。しかし,内部ピアのIPv6アドレスとして装置アドレスを使用すると,ルータ1−ルータ2間のインタフェースが使用できない場合でもルータ4,ルータ5経由で内部ピアを確立できます。

装置アドレス使用上の注意事項
装置アドレスを使用する場合,そのアドレスへの経路情報をスタティックまたはIGP(RIPng,OSPFv3)でお互いに学習していなければなりません。なお,本装置は,装置アドレスを直結経路情報として扱います。

ルーティングピアで非BGP4+スピーカを経由する場合の注意事項
ルーティングピアで非BGP4+スピーカを経由して経路情報を通知する(例えば,ルータ2からルータ3に通知する)場合,非BGP4+スピーカではIGP経由でその経路情報を学習していなければなりません。これは該当する経路情報の通知によって通知先BGP4+スピーカから入ってくる該当する宛先へのIPv6パケットが,該当する経路を学習していない非BGP4+スピーカのルータで廃棄されるのを防ぐためです。例えば,ルータ3からルータ5に入ってくるIPv6パケットがルータ5で廃棄されるのを防ぐためです。

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