解説書 Vol.1
RIPngによる経路広告/切り替えのタイミングは,RIPngが持つ次の四つの機能が関係します。
- 周期的な経路情報広告
- エージングタイムアウト
- triggered update
- ホールドダウン
各機能で使用するRIPngタイマを次の表に示します。
タイマ名称 タイマ値 内容 周期広告タイマ※1※2 30秒
(デフォルト)自ルータが持つ経路情報を隣接ルータに周期的に通知するために使用します。 エージングタイマ※2 180秒
(デフォルト)隣接ルータから通知された経路情報の周期的な通知が一定時間ない場合に経路情報を削除するために使用します。 triggered update なし
(経路変動が発生したとき)自装置の経路情報の変化を認識したときに定期的な配布周期を待たないで経路情報を配布します。 ホールドダウンタイマ
※2120秒
(デフォルト)経路情報が削除されたことを隣接ルータに一定時間通知するために使用します。
- 注※1
- 指定タイマ値(デフォルト:30秒)の±50%(デフォルト:15〜45秒)の範囲で動的に変動します。
- 注※2
- コンフィグレーションで変更できます。
- <この項の構成>
- (1) 周期的な経路情報広告
- (2) エージングタイムアウト
- (3) triggered update
- (4) ホールドダウン
RIPngは自装置が持つすべての経路情報を周期的に隣接のルータに広告します。周期的な経路情報の広告を次の図に示します。
図14-9 周期的な経路情報の広告
RIPngは隣接から受信した経路情報が最良の経路の場合,自装置のルーティングテーブルに取り込みます。取り込んだ経路情報はエージングタイマによって監視されます。エージングタイマは隣接からの周期的な広告によってリセット(クリア)します。隣接装置の障害や自装置と隣接装置間の回線障害などによって,隣接から該当する経路情報の広告が180秒(エージングタイムアウト値)間ない場合,該当する経路情報を自装置のルーティングテーブルから削除します。エージングタイムアウトによる経路情報の削除を次の図に示します。
自装置の経路情報の変化を認識したときに定期的な配布周期を待たないで経路情報を配布します。triggered updateによる経路情報の広告を次の図に示します。
図14-11 triggered updateによる経路情報の広告
到達可状態から到達不可状態(メトリック16受信,またはインタフェース障害によって該当するインタフェースから学習した経路を削除)となった経路に対して,一定時間(120秒:ホールドダウンタイマ)はメトリック16(到達不可)で隣接ルータに広告します。ホールドダウンタイマは古くなったメッセージを誤って受け取ることのないように十分な時間になっています。ホールドダウンを次の図に示します。
図14-12 ホールドダウン
ホールドダウン期間中に,該当する宛先への新しい経路を再学習した場合は,ホールドダウンタイマを停止し,新しい経路を広告します。ホールドダウン期間中の再学習を次の図に示します。
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