解説書 Vol.1
MPLS-VPNは各装置に収容されるVPNサイト間を論理的にマッピングして,任意のプライベート・ネットワーク(VPN)を構築できます。各装置に収容されるVPNサイト間のマッピングは,BGP4で広告される各VPN経路に付与された拡張コミュニティによって行われます。広告するVPN経路に付与する拡張コミュニティの指定,および受信したVPN経路に付与された拡張コミュニティに基づく受入先VPNサイトの指定は,コンフィグレーション(vpnmapコマンド)で,あらかじめ定義しておきます。
- <この項の構成>
- (1) 拡張コミュニティの種類
- (2) 拡張コミュニティのコード化
- (3) 拡張コミュニティの適用例
(1) 拡張コミュニティの種類
本装置で取り扱う拡張コミュニティの種類を次の表に示します。
表9-17 拡張コミュニティの種類
種類 内容 ルート・ターゲット
拡張コミュニティ各装置に収容されたVPNサイト間のマッピングに使用する。この拡張コミュニティによって,MPLS網上でのプライベート・ネットワークを構築する。 ルート・オリジン
拡張コミュニティVPN経路の生成元サイトを識別するために使用する。この拡張コミュニティによって,プライベート・ネットワーク内での通信制限やルーティング・ループの発生を防止する。
(2) 拡張コミュニティのコード化
各拡張コミュニティは8バイトで構成されます。拡張コミュニティのコード化は自律システム番号形式とネットワークアドレス形式があります。拡張コミュニティのコード化の形式を次の表に示します。
表9-18 拡張コミュニティのコード化の形式
拡張コミュニティ 自律システム番号形式 ネットワークアドレス形式 ルート・ターゲット
拡張コミュニティ0x0002(2バイト)
+任意の自律システム番号(2バイト)
+任意の識別番号(4バイト)0x0102(2バイト)
+任意のネットワーク・アドレス(4バイト)
+任意の識別番号(2バイト)ルート・オリジン
拡張コミュニティ0x0003(2バイト)
+任意の自律システム番号(2バイト)
+任意の識別番号(4バイト)0x0103(2バイト)
+任意のネットワーク・アドレス(4バイト)
+任意の識別番号(2バイト)
(3) 拡張コミュニティの適用例
拡張コミュニティの適用例は,「18. IP-VPN【OP-MPLS】【OP-BGP】」を参照してください。
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