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9.7.2 POS回線

回線テストでは,指定するテスト種別により,テスト用に送出するフレームまたはデータの折り返し位置が異なります。テスト種別によるフレームの折り返し位置を次の図に示します。

図9-40 回線テストのテスト種別によるフレームの折り返し位置

[図データ]

表9-7 フレーム折り返し位置ごとの回線テスト種別

フレームの
折り返し位置
回線テスト種別 確認できる障害部位
NIF モジュール内部ループバックテスト NIF(トランシーバを除く)
ループコネクタ ループコネクタループバックテスト NIF(トランシーバ含む)
相手装置 ループコネクタループバックテスト NIF(トランシーバ含む),接続ケーブル,相手装置
本装置のフレーム折り返し設定 ネットワークラインループバックテスト

また,コマンドの詳細は,「運用コマンドレファレンス Vol.1 test interfaces(POS)」を参照してください。

次にテスト種別ごとのテスト方法を説明します。

<この項の構成>
(1) NIF内でのフレーム折り返しを確認する
(2) ループコネクタでのフレーム折り返しを確認する
(3) 相手装置内でのフレームの折り返しを確認する
(4) 相手装置からのフレームの折り返し設定をする

(1) NIF内でのフレーム折り返しを確認する

NIF内でのフレーム折り返しを確認する場合,モジュール内部ループバックテストを実行してください。モジュール内部ループバックテストを実行する場合は,closeコマンドで回線を閉塞してから行ってください。テストを終了するときは,freeコマンドで回線を閉塞状態から運用状態に戻してください。本テストでは,NIF障害(トランシーバを除く)の有無を確認するため,テスト用フレームを本装置のNIFボード内で折り返します。本テストは全回線種別で実行できます。本テスト実行中はトランシーバの抜き差しを行わないでください。

テスト例として,NIF番号1のLine番号0で送信間隔1秒としてテストを行ったケースを示します。

運用端末からtest interfaces,no test interfacesの順でコマンドを実行します。

 
> close nif 1 line 0[Enter]
 
> test interfaces nif 1 line 0 internal[Enter]
 
(約1分間待つ)
 
> no test interfaces nif 1 line 0[Enter]
 
> free nif 1 line 0[Enter]
 

コマンド実行結果として,「図9-41 test interfaces,no test interfacesコマンド実行結果例」に示す画面を表示するので,次のことを確認してください。

”Send-NG”および”Receive-NG”が0であること。

”Send-NG”および”Receive-NG”が0の場合,回線テスト結果は正常です。

”Send-NG”および”Receive-NG”が0でない場合は,何らかの異常があるので「運用コマンドレファレンス Vol.1 no test interfaces(POS)」の回線テスト実行結果の表示内容を参照してください。

図9-41 test interfaces,no test interfacesコマンド実行結果例

[図データ]

(2) ループコネクタでのフレーム折り返しを確認する

ループコネクタでのフレーム折り返しを確認する場合,ループコネクタループバックテストを実行してください。ループコネクタループバックテストを実行する場合,およびループコネクタを接続する場合は,closeコマンドで回線を閉塞してから行ってください。テストを終了するときは,接続を戻してからfreeコマンドで回線を閉塞状態から運用状態に戻してください。本テストでは,NIF障害(トランシーバ含む)を確認するため,テスト用フレームを本装置のNIFボードに接続したループコネクタ内で折り返します。本テストは全回線種別で実行できます。

回線種別ごとにテストする対象のLine番号のケーブルを抜いて各回線種別ごとのループコネクタを接続しテストを実施します。ループコネクタ未接続,またはその回線に対応するループコネクタを接続しない場合,正しくテストが実施できないので注意してください。テスト例として,NIF番号1のLine番号0で送信間隔1秒としてケーブルを抜いて各回線種別ごとのループコネクタを接続しテストを行ったケースを示します。

運用端末からtest interfaces,no test interfacesの順でコマンドを実行します。

 
> close nif 1 line 0[Enter]
 
(該当ポートにループコネクタを接続する)
 
> test interfaces nif 1 line 0 connector[Enter]
 
(約1分間待つ)
 
> no test interfaces nif 1 line 0[Enter]
 
(該当ポートのループコネクタを外し,接続を元に戻す)
 
> free nif 1 line 0[Enter]
 

なお,テスト実行結果の確認は「(1) NIF内でのフレーム折り返しを確認する」のテスト実行結果と同様に行ってください。

注 OC-48c/STM-16 POS(40km)およびOC-192c/STM-64 POS(40km)でループコネクタループバックテストを行う場合には光アッテネータ(光減衰器)が必要です。光の減衰については次の表を参照してください。

表9-8 光の減衰

No 回線種別 減衰値(db)
1 OC-48c/STM-16 POS(40km) 15〜18
2 OC-192c/STM-64 POS(40km) 5〜11

(3) 相手装置内でのフレームの折り返しを確認する

相手装置内でのフレーム折り返しを確認する場合,ループコネクタループバックテストを実行してください。ループコネクタループバックテストを実行する場合は,closeコマンドで回線を閉塞してから行ってください。テストを終了するときは,freeコマンドで回線を閉塞状態から運用状態に戻してください。本テストでは,NIF(トランシーバ含む),接続ケーブル,相手装置の障害を確認するためテスト用フレームを相手装置内で折り返します。

相手装置内で折り返す場合のテスト手順を以下に示します。

テスト例として,相手装置のNIF番号1のLine番号0で折り返し,本装置のNIF番号1のLine番号0で送信間隔1秒で受信するケースを示します。

運用端末からtest interfaces,no test interfacesの順でコマンドを実行します。

 
[本装置]
> close nif 1 line 0[Enter]
 
[相手装置]
> test interfaces nif 1 line 0 network-line[Enter]
[本装置]
> test interfaces nif 1 line 0 connector[Enter]
 
(約1分間待つ)
[相手装置][本装置]
> no test interfaces nif 1 line 0[Enter]
 
[本装置]
> free nif 1 line 0[Enter]
 

なお,テスト実行結果の確認は「(1) NIF内でのフレーム折り返しを確認する」のテスト実行結果と同様に行ってください。テストの実行結果は本装置(ループコネクタループバックテストを実行した装置)で確認します。

(4) 相手装置からのフレームの折り返し設定をする

フレームの折り返しを設定する場合,ネットワークラインループバックテストを実行してください。ネットワークラインループバックテストを実行する場合は,相手装置のテスト対象回線をcloseコマンドで閉塞してから行ってください。テストを終了するときは,相手装置のテスト対象回線をfreeコマンドで閉塞状態から運用状態に戻してください。本テストは受信したテスト用フレームの折り返し設定だけ行います。相手装置から受信したデータは,物理層フレームごとに折り返します。本テストは全回線種別で実行できます。

本装置のNIFボード内で折り返す場合のテスト手順を以下に示します。

テスト例として,本装置のNIF番号1のLine番号0で折り返し,相手装置のNIF番号1のLine番号0で送信間隔1秒で受信するケースを示します。

運用端末からtest interfaces,no test interfacesの順でコマンドを実行します。

 
[相手装置]
> close nif 1 line 0[Enter]
 
[本装置]
> test interfaces nif 1 line 0 network-line[Enter]
[相手装置]
> test interfaces nif 1 line 0 connector[Enter]
 
(約1分間待つ)
[本装置][相手装置]
> no test interfaces nif 1 line 0[Enter]
 
[相手装置]
> free nif 1 line 0[Enter]
 

注 本テストは,受信データの折り返し設定だけを行うため,テスト結果表示はありません。テスト結果は相手装置で確認できます。このため,テスト間隔,テストパターン番号,テストデータ長は,指定不可となります。

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