コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.2
本装置からnotification(SNMPv2-Trap)を送信するための情報を設定します。本コマンドでは,notification送信時のセキュリティユーザ,セキュリティレベルの設定,notification送信のための通知フィルタの設定,宛先ネットワーク管理装置(SNMPv3マネージャ)のアドレスの設定を行います。
本コマンドで設定可能な,パラメータおよびサブコマンドごとのエントリ数を次の表に示します。
項番 パラメータ/
サブコマンド最大エントリ数 1 通知情報 装置当たり50エントリ 2 セキュリティユーザ 通知情報当たり1エントリ 3 フィルタ 通知情報当たり1エントリ 4 宛先 通知情報当たり50エントリ 5 装置当たり50エントリ(一つの宛先を複数の通知情報に設定することはできません)
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定・変更
- snmp-notify <Notify Name>
- >>移行モード:snmp-notify
- 情報の削除
- delete snmp-notify <Notify Name>
- 情報の表示
- show snmp-notify [<Notify Name>]
[サブコマンド入力形式]
- 情報の設定・変更
- user <User Name> {noauth | auth | priv}
- notify-filter <Filter Name>
- target <Target Name> {<IPv4 Address> | <IPv6 Address>} [{ limited_coldstart_trap | unlimited_coldstart_trap }] [link_trap_mode{ interface | protocol }] [link_trap_bind_info {private | standard}] [ level <Level> ]
- 情報の削除
- delete user
- delete notify-filter
- delete target <Target Name> [{ limited_coldstart_trap | unlimited_coldstart_trap | link_trap_mode | link_trap_bind_info | level }] }]
[モード階層]
snmp-notify
[パラメータ]
- <Notify Name>
- 通知名を設定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
32文字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字列は,英数字と特殊文字です。ただし,入力文字に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても指定できます。
詳細は,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 パラメータに指定できる値」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
[サブコマンド]
- user <User Name> {noauth | auth | priv}
- notification送信時のセキュリティユーザ,セキュリティレベルを設定します。
- <User Name>:
- SNMPセキュリティユーザ名を設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
32文字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字列は,英数字と特殊文字です。ただし,入力文字に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても指定できます。
詳細は,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 パラメータに指定できる値」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
- {noauth | auth | priv}:
- セキュリティレベルを設定します。
- noauth:認証なし,暗号化なし
- auth:認証あり,暗号化なし
- priv:認証あり,暗号化あり
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
noauth,auth,またはprivのどれかを指定します。
- notify-filter <Filter Name>
- トラップ送信のための通知フィルタを設定します。トラップ(PDUタイプがSNMPv2-Trap-PDUのSNMPパケット)を送信するとき,<Filter Name>に指定した通知フィルタ名がSNMP通知フィルタ情報に存在していれば,SNMP通知フィルタ情報の設定内容に従って通知フィルタのチェックを行います。もし,通知フィルタ名がSNMP通知フィルタ情報に存在していなければ,通知フィルタのチェックは行わずにトラップが送信されます。
- 本サブコマンドが設定されていない場合は,通知フィルタのチェックは行わず,トラップも送信されません。
- <Filter Name>:
- 通知フィルタ名を設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
32文字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字列は,英数字と特殊文字です。ただし,入力文字に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても指定できます。
詳細は,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 パラメータに指定できる値」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
- target <Target Name> {<IPv4 Address> | <IPv6 Address>}
- 送信先ネットワーク管理装置(SNMPv3マネージャ)の設定を行います。
- <Target Name>:
- 宛先名を設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
32文字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字列は,英数字と特殊文字です。ただし,入力文字に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても指定できます。
詳細は「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 パラメータに指定できる値」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
- 本サブコマンド使用時の注意事項
一つの宛先を複数の通知情報に設定することはできません。
- {<IPv4 Address> | <IPv6 Address>}:
- 宛先ネットワーク管理装置(SNMPv3マネージャ)のIPアドレスを設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし(省略不可)
- 値の設定範囲
<IPv4 Address>にIPアドレス(ドット記法)を指定するか,または<IPv6 Address>にIPv6アドレス(コロン記法)を指定します。
- { limited_coldstart_trap | unlimited_coldstart_trap }
- coldStart Trapを発行する契機を限定します。本サブコマンドの設定によるcoldStart Trapの発行契機の概要を次の表に示します。
サブコマンド coldStart Trap発行契機 limited_coldstart_trap
- 装置起動(装置電源オンまたは運用系BCU再起動)時。
- 運用系BCUから待機系BCUへ系切替した時。
unlimited_coldstart_trap
- 装置起動(装置電源オンまたは運用系BCU再起動)時。
- 運用系BCUから待機系BCUへ系切替した時。
- copy backup-configコマンドまたはcopy startup-configコマンドでスタートアップコンフィグレーションファイル変更時。
- IPのコンフィグレーション(ipコマンド)を追加,削除時。
- set calendarコマンドで時間を変更した時。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値はlimited_coldstart_trapです。
- 値の設定範囲
limited_coldstart_trap,unlimited_coldstart_trapのどちらかを指定します。
- link_trap_mode{ interface | protocol }
- link up/down Trapを発行する契機を設定します。本サブコマンドの設定によるlink up/down Trapの発行契機の概要を次の表に示します。
パラメータ link up/down Trap発行契機 interface
- 物理インタフェースでのup/downの契機でトラップを送信します。
protocol
- プロトコルレベルでのリンク確立・切断の契機でトラップを送信します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値はprotocolです。
- 値の設定範囲
interface,protocolのどちらかを指定します。
- link_trap_bind_info {private | standard}
- link up/down Trap を発行する際に付加するMIBを選択するための設定をします。
- 本サブコマンドの設定によるlink up/down Trapの発行の際,付加するMIBを次の表に示します。
パラメータ link up/down Trap発行時に付加するMIB private ifIndex,ifDescr,ifType standard ifIndex,ifAdminStatus,ifOperStatus
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値はstandardです。
- 値の設定範囲
private,standardのどちらかを指定します。
- level <Level>
- プライベートトラップのうち,システムメッセージトラップのトラップ送信レベルを指定します。本パラメータはシステムメッセージトラップを送信する場合だけ有効です。本サブコマンドで指定したレベルにより発行するシステムメッセージトラップの概要を次の表に示します。
レベル 意味 9 致命的障害のシステムメッセージトラップを送信します。 8 重度障害以上のシステムメッセージトラップを送信します。 7 RM部障害以上のシステムメッセージトラップを送信します。 6 NIF障害以上のシステムメッセージトラップを送信します。 5 待機系障害以上のシステムメッセージトラップを送信します。 4 ネットワーク系障害以上のシステムメッセージトラップを送信します。 1〜3 警告レベル以上のシステムメッセージトラップを送信します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は9です。
- 値の設定範囲
<Level>に1〜9(10進数)を指定します。
注意:
<Level>に1〜3の値を指定した場合,3を指定した場合と同じ動作をします。
[入力例]
- 情報の設定
通知名TrapNotify1に,セキュリティユーザ名がAdministratorでセキュリティレベルが認証あり,暗号化ありで,フィルタ名にGeneralTrapを設定します。また,宛先名Tokyo1にIPアドレス20.1.1.1のSNMPマネージャを設定,宛先名Tokyo2にIPアドレス20.1.1.2,coldStartトラップ発行契機を限定なしに設定します。
(config)# snmp-notify TrapNotify1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# user Administrator priv [snmp-notify TrapNotify1] (config)# notify-filter GeneralTrap [snmp-notify TrapNotify1] (config)# target Tokyo1 20.1.1.1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# target Tokyo2 20.1.1.2 unlimited_coldstart_trap [snmp-notify TrapNotify1] (config)# exit (config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" user "Administrator" priv notify-filter "GeneralTrap" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 unlimited_coldstart_trap (config)#- 情報の変更
通知名TrapNotify1のセキュリティユーザ名をAdminに変更します。
通知名TrapNotify1のフィルタ名をbgp_rmon_msgに変更します。
(config)# snmp-notify TrapNotify1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# user Admin priv [snmp-notify TrapNotify1] (config)# exit (config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" user "Admin" priv notify-filter "GeneralTrap" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 unlimited_coldstart_trap (config)#
通知名TrapNotify1,宛先名Tokyo2のシステムメッセージレベルを7に変更します。
(config)# snmp-notify TrapNotify1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# notify-filter bgp_rmon_msg [snmp-notify TrapNotify1] (config)# exit (config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" user "Admin" priv notify-filter "bgp_rmon_msg" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 unlimited_coldstart_trap (config)#
(config)# snmp-notify TrapNotify1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# target Tokyo2 level 7 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# exit (config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" user "Admin" priv notify-filter "bgp_rmon_msg" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 unlimited_coldstart_trap level 7 (config)#- 情報の表示
SNMP通知情報の定義内容の表示例を以下に示します。
(config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" user "Admin" priv notify-filter "bgp_rmon_msg" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 unlimited_coldstart_trap level 7 (config)#- 情報の削除
通知名TrapNotify1,宛先名Tokyo2のcoldStartトラップ発行契機オプションを削除します。
通知名TrapNotify1のセキュリティユーザを削除します。
(config)# snmp-notify TrapNotify1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# delete target Tokyo2 unlimited_coldstart_trap [snmp-notify TrapNotify1] (config)# exit (config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" user "Admin" priv notify-filter "bgp_rmon_msg" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 level 7 }; (config)#
本装置から通知名TrapNotify1の定義を削除します。
(config)# snmp-notify TrapNotify1 [snmp-notify TrapNotify1] (config)# delete user [snmp-notify TrapNotify1] (config)# exit (config)# show snmp-notify snmp-notify "TrapNotify1" notify-filter "bgp_rmon_msg" target "Tokyo1" 20.1.1.1 target "Tokyo2" 20.1.1.2 level 7 (config)#
(config)# delete snmp-notify TrapNotify1 (config)# show snmp-notify no such snmp-notify (config)#
[関連コマンド]
snmpv3,snmp-engineid,snmp-view,snmp-user,snmp-group,snmp-notify-filter
[注意事項]
- 本コマンドで設定したセキュリティユーザ名と,snmp-userコマンドで設定したセキュリティユーザ名は,対応のチェックを行いません。つまり,snmp-userコマンドで設定されていないセキュリティユーザ名を本コマンドに設定できてしまいます。この場合,本コマンドに設定したセキュリティユーザの情報は無効となりますのでご注意ください。また,本コマンドでセキュリティユーザが設定されていない場合,本コマンドは有効にはなりません。
- 本コマンドで設定したフィルタ名と,snmp-notify-filterコマンドで設定したフィルタ名は,対応のチェックを行いません。つまり,snmp-notify-filterコマンドで設定されていないフィルタ名を本コマンドに設定できてしまいます。この場合,本コマンドに設定した通知フィルタの情報は無効となりますのでご注意ください。また,本コマンドで通知フィルタが設定されていない場合,本コマンドは有効にはなりません。
- 一つの宛先名を複数の通知情報に設定することはできません。
- SNMPv3の動作はMIB情報によって規定されます。SNMPv3の動作を確認するには,MIB情報(snmpModulesグループのMIB)も参照してください。
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