コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1
本コマンドはルーティングプロトコルBGP4+に関する動作情報を設定します。本コマンドを入力後,bgp4+モードに移行します。本コマンドはIPv6専用コマンドです。
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定・変更
- bgp4+ [{ yes | no }]
- >>移行モード:bgp4+
- 情報の削除
- delete bgp4+
- 情報の表示
- show bgp4+
[サブコマンド入力形式]
- BGP4+グローバル情報の設定・変更
- preference <Preference>
- ibgp-preference <Preference>
- ebgp-preference <Preference>
- default-localpref <Localpref>
- defaultmetric <Metric>
- clusterid <Host Address>
- memberas <As>
- compare-aspath { yes | no }
- compare-med { same-as | all-as }
- multipath
- multipath-option { same-as | all-as }
- resolve-nexthop { igp | all }
- no-change-nexthop
- gendefault [gendefault-preference <Preference>] [gateway <Gateway>]
- med
- holdtime <Time>
- keep none
- { refresh | refresh-128 }
- 4-byte-as
- authmd5 <MD5>
- graceful-restart [mode {restart | receive | both}] [restart-time <Time> ] [stale-routes-retain-time <Time> ]
- maximum-prefix <Maximum> [threshold <Threshold>] [{warning-only | restart-time <Minutes>}]
- no-fast-fallover
- route-stability-time <Time>
- fast-reroute gen-secondary-route
- network <Id>
- externalpeeras <As>
- >>移行モード:bgp4+ externalpeeras
- internalpeeras <As> [policygroup <No>] [reflector-client [no-client-reflect]]
- >>移行モード:bgp4+ internalpeeras
- routingpeeras <As> [policygroup <No>] [reflector-client [no-client-reflect]]
- >>移行モード:bgp4+ routingpeeras
- BGP4+グローバル情報の削除
- delete preference
- delete ibgp-preference
- delete ebgp-preference
- delete default-localpref
- delete defaultmetric
- delete clusterid
- delete memberas
- delete compare-aspath
- delete compare-med
- delete multipath
- delete multipath-option
- delete resolve-nexthop
- delete no-change-nexthop
- delete gendefault [gendefault-preference] [gateway]
- delete med
- delete holdtime
- delete keep
- delete { refresh | refresh-128 }
- delete 4-byte-as
- delete authmd5
- delete graceful-restart [mode] [restart-time] [stale-routes-retain-time]
- delete maximum-prefix [<Maximum> {threshold | warning-only | restart-time}]
- delete no-fast-fallover
- delete route-stability-time
- delete fast-reroute gen-secondary-route
- delete network <Id>
- delete externalpeeras <As>
- delete internalpeeras <As> [policygroup <No>] [reflector-client [no-client-reflect]]
- delete routingpeeras <As> [policygroup <No>] [reflector-client [no-client-reflect]]
[モード階層]
bgp4+ ├─ bgp4+ externalpeeras │ └─ bgp4+ externalpeeras peer ├─ bgp4+ internalpeeras │ └─ bgp4+ internalpeeras peer └─ bgp4+ routingpeeras └─ bgp4+ routingpeeras peer
[パラメータ]
- { yes | no }
- BGP4+を使用するかしないかを指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
yes(ただし,bgp4+コマンドを入力しない場合の初期値はnoです)
- 値の設定範囲
yesまたはno
[サブコマンド]
- preference <Preference>
- BGP4+で学習した経路情報のプレファレンス値を指定します。ibgp-preference,ebgp-preference,ピア情報,importコマンドで指定するプレファレンス値が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は170です。
- 値の設定範囲
<Preference>に2〜255(10進数)を指定します。2は最高の優先度,255は最低の優先度を示します。
- ibgp-preference <Preference>
- BGP4+の内部ピアから学習した経路情報のプレファレンス値を指定します。ピア情報,importコマンドで指定するプレファレンス値が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は170です。
- 値の設定範囲
<Preference>に2〜255(10進数)を指定します。2は最高の優先度,255は最低の優先度を示します。
- ebgp-preference <Preference>
- BGP4+の外部ピアから学習した経路情報のプレファレンス値を指定します。ピア情報,importコマンドで指定するプレファレンス値が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は170です。
- 値の設定範囲
<Preference>に2〜255(10進数)を指定します。2は最高の優先度,255は最低の優先度を示します。
- default-localpref <Localpref>
- 内部ピアおよびメンバーAS間ピアに広告するLOCAL_PREF属性のデフォルト値を指定します。exportコマンドで設定したLOCAL_PREF値が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は100です。
- 値の設定範囲
<Localpref>に0〜65535(10進数)を指定します。
- defaultmetric <Metric>
- 広告するメトリック(MED属性)のデフォルト値を指定します。外部ピアへ広告する場合,メトリック(MED属性)の無いBGP経路情報をメンバーAS間ピアへ広告する場合,または他のプロトコルで学習した経路情報をBGP4+で広告する場合に本サブコマンド値を適用します。exportコマンドで設定したメトリック値が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
メトリックを広告しません。
- 値の設定範囲
<Metric>に0〜4294967295(10進数)を指定します。
- clusterid <Host Address>
- ルートリフレクションで使用するクラスタIDを指定します。一つのクラスタ中に複数のルートリフレクタが存在する場合に設定する必要があります。本サブコマンドはルートリフレクタとして動作するルータで指定し,同一クラスタ内の各ルートリフレクタは同じクラスタIDを指定しなければなりません。なお,クライアントには本サブコマンドを指定しないでください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ルータIDをクラスタIDとして使用する。
- 値の設定範囲
<Host Address>にIPv4アドレス(ドット記法,またはホスト名称)を指定します。
- memberas <As>
- コンフィデレーション構成で,自ルータが属するメンバーASのAS番号を指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
コンフィデレーション構成時は省略不可
- 値の設定範囲
<As>に1〜4294967295(10進数)を指定します。
- compare-aspath { yes | no }
- ASパス長による経路選択を行うかどうかを指定します。yes指定時はASパス長による経路選択を行います。no指定時はASパス長による経路選択を行いません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
yes(ASパス長による経路選択を行います)
- 値の設定範囲
yesまたはno
- compare-med { same-as | all-as }
- MED属性値による経路選択の比較対象を指定します。same-as指定時は同一の隣接ASから受信したBGP4+経路を比較対象とします。all-as指定時は異なるASから学習したBGP4+経路も比較対象とします。
- 本サブコマンド省略時の初期値
同一の隣接ASから学習したBGP4+経路を比較対象とします。
- 値の設定範囲
same-asまたはall-as
- multipath
- ある宛先に対する複数のBGP4+経路がタイブレーク状態である場合に,生成するBGP4+経路をマルチパス化することを指定します。最大パス数はオプション情報(optionsコマンド)のmax-pathsに従います。なお,マルチパス化の対象は同一の隣接ASから学習したBGP経路となります。異なるASから学習したBGP経路をマルチパス化の対象とする場合は,multipath-option all-asサブコマンドを指定してください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
最も優先度の高い一つのBGP経路を有効とします。
- 値の設定範囲
なし
- multipath-option { same-as | all-as }
- BGP4+経路のマルチパス化の対象を指定します。same-as指定時は同一の隣接ASから受信したBGP4+経路をマルチパス化の対象とします。all-as指定時は異なるASから学習したBGP4+経路もマルチパス化の対象とします。なお,all-asを指定する場合,compare-med all-asを合わせて指定する必要があります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
同一の隣接ASから学習したBGP4+経路を比較対象とします。
- 値の設定範囲
same-asまたはall-as
- resolve-nexthop { igp | all }
- BGP4+経路のNextHop解決に使用する経路情報を指定します。igp指定時はIGP経路(direct経路,Static経路,RIPng経路,OSPF6経路,OSPF6ASE経路,およびIS-IS経路)に基づきNextHop解決を行います。all指定時はIGP経路およびBGP4+経路に基づきNextHop解決を行います。本サブコマンドは,ルーティング・ピアによって学習した経路,またはmultihopサブコマンドを指定した外部ピア(メンバーAS間ピアを含む),インターナル・ピアによって学習した経路に対してだけ有効です。
- 本サブコマンド省略時の初期値
igp(IGP経路に基づきNextHop解決を行います)
- 値の設定範囲
igpまたはall
- no-change-nexthop
- 外部ピアから受信したBGP4+経路を内部ピアへ広告する際,送出する経路のNextHop属性を,内部ピアとのピアリングに使用している自側のIPv6アドレスに書き換えずに,外部ピアから受信したNextHop属性を送出することを指定します。nexthopselfサブコマンドが指定されている場合はnexthopselfサブコマンドが優先されます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
送出する経路のNextHop属性をピアリングに使用している自側のIPv6アドレスに書き換えます。
- 値の設定範囲
なし
- gendefault
- BGP4+でデフォルト経路の生成を指定します。デフォルト経路の生成には,装置内の任意の外部ピアの確立が必要です。また,gatewayサブコマンド(デフォルト経路のゲートウェイ)を指定しない場合,生成されるデフォルト経路は経路情報テーブルには反映されません。ただし,ルーティングプロトコルを使用して配布可能です。
- 本サブコマンド省略時の初期値
デフォルト経路を生成しません。
- 値の設定範囲
なし
- gendefault-preference <Preference>
- gendefaultサブコマンドの指定で生成されたデフォルト経路のプレファレンス値を指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は20です。
- 値の設定範囲
<Preference>に2〜255(10進数)を指定します。2は最高の優先度,255は最低の優先度を示します。
- gateway <Gateway>
- デフォルト経路のゲートウェイを指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
生成されるデフォルト経路は経路情報テーブルには反映されません。ただし,ルーティングプロトコルを使用して配布可能です。
- 値の設定範囲
<Gateway>に次の値が指定可能です。
<Gateway> =: <IPv6 Address> | <IPv6 Linklocal Address>%<Interface Name>
- med
- 定義されているすべての外部ピアについて,ピアから受信した経路情報のMED属性を取り込むかどうかを指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
外部ピアで経路情報を受信したときにMED属性を取り込みません。
- 値の設定範囲
なし
- holdtime <Time>
- 定義されているすべてのピアについて,ピアとのホールドタイムを指定します。
- ピア情報で指定されたホールドタイム値がピアグループ情報の定義より優先し,ピアグループ情報で指定されたホールドタイム値が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は180秒です。
- 値の設定範囲
<Time>に0,3〜65535(10進数:秒)を指定します。
0を指定した場合は,ピアとのホールドタイムを監視しません。
- keep none
- 定義されているすべてのピアについて,インポート・フィルタまたはプロトコルの検査により抑止された経路を保持しないことを指定します。抑止対象にしていた経路を,インポート・フィルタやピアの変更により抑止解除した場合,当該経路の再学習にはピアコネクションをいったん切断するか,経路情報をピアから再広告させる必要があります。なお,ピアコネクションの切断および経路の再広告はclear ipv6 bgpコマンドを使用してください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
インポート・フィルタまたはプロトコルの検査(ASループ,ASPATH属性の隣接AS番号検査,およびNextHop属性の未解決)により抑止された経路を保持します。
- 値の設定範囲
なし
- refresh
- 定義されているすべてのピアについて,ルート・リフレッシュ機能を取り扱うことを指定します。本サブコマンドとrefresh-128サブコマンドの併用はできません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ルート・リフレッシュ機能を当該ピアで取り扱いません。
- 値の設定範囲
なし
- refresh-128
- 定義されているすべてのピアについて,Capability Codeに128を使用するルート・リフレッシュ機能を取り扱うことを指定します。本サブコマンドとrefreshサブコマンドの併用はできません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
Capability Codeに128を使用するルート・リフレッシュ機能を当該ピアで取り扱いません。
- 値の設定範囲
なし
- 4-byte-as
- 4バイトAS番号を取り扱うことを全ピアに通知することを指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
4バイトAS番号を取り扱うことを該当ピアに通知しません。
- 値の設定範囲
なし
- authmd5 <MD5>
- 定義されているすべてのピアについて,TCP-MD5認証情報(メッセージダイジェスト生成のための認証キー)を設定します。本サブコマンドを適用する場合はピア間でTCP-MD5認証情報を一致させてください。一致していない場合,ピアとのBGP4+コネクションが確立しません。
- ピア情報で指定されたTCP-MD5認証情報がピアグループ情報の定義より優先し,ピアグループ情報で指定されたTCP-MD5認証情報が本サブコマンドより優先します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
省略時は認証無しです。
- 値の設定範囲
<MD5>に1〜80文字の任意の文字列を「”(ダブルクォート)」で囲んで指定してください。入力可能な文字は,英数字と特殊文字です。詳細は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。ただし,以下の文字は使用できませんので注意願います。
エクスクラメーション(!),ダブルクォート(”),シャープ(#),ドル($),シングルクォート(’),セミコロン(;),逆シングルクォート(`),大カッコ始め({),大カッコ終わり(})
- graceful-restart
- グレースフル・リスタート機能を使用するかどうかを指定します。本サブコマンドの指定がある場合だけピアに対してグレースフル・リスタート機能のネゴシエーションを行います。
- 本サブコマンド省略時の初期値
グレースフル・リスタート機能を取り扱いません。
- 値の設定範囲
なし
- mode {restart | receive | both}
- restartを指定した場合,リスタートルータ機能を有効にし,レシーブルータ機能を無効にします。receiveを指定した場合,レシーブルータ機能を有効にし,リスタートルータ機能を無効にします。bothを指定した場合,リスタートルータ機能・レシーブルータ機能共に有効にします。
- 本サブコマンド省略時の初期値
リスタートルータ機能およびレシーブルータ機能を有効にします。
- 値の設定範囲
restart,receive,bothのどれかを指定します。
- restart-time <Time>
- 隣接ルータがグレースフル・リスタートを開始してからピアが再接続するまでの最大時間(秒)を指定します。最大時間内にピアと再接続できなかった場合,レシーブルータでは該当ピアから受信した経路を削除します。また,リスタートルータでは当該ピアからのEnd-of-RIBの受信監視を中止します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は120です。
- 値の設定範囲
<Time>に1〜3600(10進数)を指定します。
- stale-routes-retain-time <Time>
- レシーブルータ用のサブコマンドです。隣接ルータがグレースフル・リスタートを開始してから古い経路を保持する最大時間(秒)を指定します。最大時間内にピアから経路を再度受信できなかった場合,該当経路を削除します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は300です。
- 値の設定範囲
<Time>に1〜3600(10進数)を指定します。
- maximum-prefix <Maximum>
- ピアから学習する経路数の上限値を指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ピアから学習する経路数を制限しません。
- 値の設定範囲
<Maximum>に1〜4294967295(10進数)を指定します。
- threshold <Threshold>
- ピアから学習する経路数について,警告の運用メッセージを出力する上限値に対する閾値を指定します。なお,100%を指定した場合は運用メッセージを出力しません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値は75%です。
- 値の設定範囲
<Threshold>に1〜100(10進数:%)を指定します。1%単位に設定できます。
- warning-only
- ピアから学習した経路数が上限値を超えても,ピアを切断しないことを指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ピアから学習した経路数が上限値を超えた場合,ピアを切断します。
- 値の設定範囲
なし
- restart-time <Minutes>
- ピアから学習した経路数が上限値を超えてピアを切断したあと,再接続するまでの時間を指定します。なお,運用コマンドclear ipv6 bgpを入力することで,任意にピアを再接続できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ピアから学習した経路数が上限値を超えてピアを切断したあと,運用コマンドclear ipv6 bgpを入力するまでピアを再接続しません。
- 値の設定範囲
<Minutes>に1〜65535(10進数:分)を指定します。
- no-fast-fallover
- 物理的に直接接続されたピアとのインタフェースダウン時,即時にBGP4+セッションを切断しないことを指定します。本サブコマンドは,物理的に直接接続された外部ピア,および物理的に直接接続されたインターナルピアに対して有効となります(multihop接続された外部ピア,multihop接続されたインターナルピア,およびルーティングピアは本サブコマンドにかかわらず,インタフェースダウンによって即時にBGP4+セッションを切断しません)。
- 本サブコマンド省略時の初期値
インタフェースダウン時,即時にBGP4+セッションを切断します。
- 値の設定範囲
なし
- route-stability-time <Time>
- インタフェースダウンやIGP経路の削除によってBGP4+経路宛の通信が不可能になってからフォワーディングテーブルへの反映を開始するまでの時間(秒),およびインタフェースアップやIGP経路の復旧によってBGP4+経路宛の通信が可能になってからフォワーディングテーブルへの反映を開始するまでの時間(秒)を指定します。
- なお,本指定時間よりも前にホールドタイムのタイムアウトによってBGP4+コネクションが切断された場合は,BGP4+経路を削除します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
インタフェースダウンやIGP経路が削除された時点,また,インタフェースアップやIGP経路が復旧した時点で,BGP4+経路のフォワーディングテーブルへの反映を開始します。
- 値の設定範囲
<Time>に1〜65535(10進数:秒)を指定します。
- fast-reroute gen-secondary-route
- 高速経路切替機能で使用する第2優先経路をルーティングテーブルに登録します。
- optionsコマンドのfast-rerouteパラメータが設定されていない場合は,第2優先経路の登録は行いません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
第2優先経路情報をルーティングテーブルに登録しません。
- 値の設定範囲
なし
- network <Id>
- BGP4+で生成する広告用経路のプレフィックスをネットワーク・フィルタ識別子で指定します。指定したネットワーク・フィルタと一致する任意のプロトコルのアクティブな経路が存在するとき,固定の経路属性を持つBGP4+の広告用経路を生成します。広告用経路は非アクティブな経路で,フォワーディングテーブルには登録しませんが,エキスポート・フィルタを設定することでBGP4+による広告が可能です。
- 本サブコマンドは複数指定できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
広告用経路を生成しません。
- 値の設定範囲
<Id>に1〜65535(10進数),または32文字以内の文字列を指定します。
- externalpeeras <As>
- ピアグループ(外部ピア)のAS番号を指定します。本サブコマンドを入力後,bgp4+ externalpeerasモードに移行します。
- 本サブコマンドは複数指定できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
外部ピアとのBGP4+コネクションを取り扱いません。
- 値の設定範囲
<As>に1〜4294967295(10進数)を指定します。
- { internalpeeras <As> | routingpeeras <As> } [policygroup <No>] [ reflector-client [ no-client-reflect ] ]
- ピアグループ(内部ピア)を指定します。internalpeerasはピアのルータが隣接しているピアを,routingpeerasはピアのルータが隣接していないピアを意味します。本サブコマンドでは,ピアグループのポリシーに関連するパラメータ(policygroup,reflector-client,no-client-reflect)を指定します。パラメータ指定の組み合わせを変えて,本サブコマンドを複数回指定すると,ポリシーが異なる複数のピアグループを設定できます。policygroupは内部ピアグループに特定のポリシーを割り当てる場合に指定します。reflector-clientパラメータを指定すると,ルートリフレクタクライアントのピアグループとなります。no-client-reflectパラメータは,クライアント間の経路情報をリフレクトしないことを指定します。本サブコマンドを入力後,それぞれbgp4+ internalpeerasモードまたはbgp4+ routingpeerasモードに移行します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
内部ピアとのBGP4+コネクションを取り扱いません。
- 値の設定範囲
<As>に自AS番号を指定します。memberasサブコマンドを指定している場合は,メンバーASの番号を指定します。
<No>に1〜16(10進数)を指定します。
[入力例]
- BGP4+情報の設定
以下を設定します。
- グローバル情報(BGP4+学習経路のプレファレンス値に100を設定)
- 外部ピアグループ情報(AS番号:300)とそのピア情報(ピアIPアドレス:3ffe:501:811:ff01::1)
- 内部ピアグループ情報(AS番号:200,自側のIPアドレス:3ffe:501:811:ff02::10)とそのピア情報(ピアIPアドレス:3ffe:501:811:ff03::100:とピアIPアドレス:3ffe:501:811:ff03::200)
- reflector-clientオプションのある内部ピアグループ情報(AS番号:200,自側のIPアドレス:3ffe:501:811:ff02::10)とそのピア情報(ピアIPアドレス:3ffe:501:811:ff04::1000)
(config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# preference 100 グローバル情報の設定 [bgp4+] (config)# externalpeeras 300 ピアグループ情報の設定 [bgp4+ externalpeeras 300] (config)# peer 3ffe:501:811:ff01::1 ピア情報の設定 [bgp4+ externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1] (config)# exit [bgp4+ externalpeeras 300] (config)# exit [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 ピアグループ情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 ピアグループ情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# peer 3ffe:501:811:ff03::100 ピア情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100] (config)# exit [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# peer 3ffe:501:811:ff03::200 ピア情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::200] (config)# exit [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# exit [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 reflector-client ピアグループ情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200 reflector-client] (config)# lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 ピアグループ情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200 reflector-client] (config)# peer 3ffe:501:811:ff04::1000 ピア情報の設定 [bgp4+ routingpeeras 200 reflector-client peer 3ffe:501:811:ff04::1000] (config)# exit [bgp4+ routingpeeras 200 reflector-client] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 routingpeeras 200 reflector-client lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff04::1000 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)#- グローバル情報
- 設定(変更)
BGP4+グローバル情報を変更(BGP4+学習経路のプレファレンス値を120に変更)します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# preference 120 [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 120 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)#
- 削除
グローバル情報(preference)を削除します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 120 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# delete preference [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)#- ピアグループ情報
- 設定(変更)
外部ピアグループ情報を変更(medを追加)します。
外部ピアグループ情報を変更(medを削除)します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# externalpeeras 300 [bgp4+ externalpeeras 300] (config)# med [bgp4+ externalpeeras 300] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 externalpeeras 300 med peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)#
内部ピアグループ情報を変更(lcladdrを3ffe:501:811:ff01::10に変更)します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 externalpeeras 300 med peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# externalpeeras 300 [bgp4+ externalpeeras 300] (config)# delete med [bgp4+ externalpeeras 300] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)#
内部ピアグループ情報を変更(lcladdrを削除)します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# lcladdr 3ffe:501:811:ff01::10 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff01::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)#
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# delete lcladdr [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)#
- 削除
内部ピアグループ情報を削除します。ピアグループ情報を削除した場合,該当ピアグループに所属するピア情報も削除されます。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# delete routingpeeras 200 Are you sure? (y/n): y [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 (config)#- ピア情報
- 変更
内部ピアグループ情報のピア情報を変更(setnexthoppeerパラメータを設定)します。
内部ピアグループ情報のピア情報を変更(setnexthoppeerパラメータを削除)します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# peer 3ffe:501:811:ff03::100 [bgp4+ routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100] (config)# setnexthoppeer [bgp4+ routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100] (config)# exit [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 setnexthoppeer peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)#
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 setnexthoppeer peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# peer 3ffe:501:811:ff03::100 [bgp4+ routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100] (config)# delete setnexthoppeer [bgp4+ routingpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100] (config)# exit [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)#
- 削除
内部ピアグループ情報のピア情報(ピアIPアドレス:3ffe:501:811:ff03::200)を削除します。
(config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 (config)# bgp4+ [bgp4+] (config)# routingpeeras 200 [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# delete peer 3ffe:501:811:ff03::200 Are you sure? (y/n): y [bgp4+ routingpeeras 200] (config)# exit [bgp4+] (config)# exit (config)# show bgp4+ bgp4+ yes preference 100 routingpeeras 200 lcladdr 3ffe:501:811:ff02::10 peer 3ffe:501:811:ff03::100 (config)#- BGP4+情報の削除
設定されているBGP4+情報をすべて削除します。
(config)# delete bgp4+ Are you sure? (y/n): y (config)# show bgp4+ (config)# no such bgp4+ (config)#
[関連コマンド]
options(経路制御オプション情報)
autonomoussystem(自律システム番号情報)
autonomoussystem6(IPv6自律システム番号情報)
routerid(ルータ識別子情報)
import(インポート・フィルタ情報)
export(エキスポート・フィルタ情報)
aggregate(経路集約情報)
apply(ルーティングプロトコルコンフィグレーション反映)
[注意事項]
- system config_update autoが定義されていない時に本コマンドを使用しコンフィグレーションの変更を行った場合は,applyコマンドを投入してください。
- 本コマンドを使用しサブコマンドの変更を行った場合,一部のサブコマンドでは設定値を反映するために,一時的にBGP4+コネクションが切断されます。詳細については,「表1-8 コンフィグレーションコマンド一覧」を参照してください。
- グレースフル・リスタートのリスタート機能(パケットフォワーディングの維持機能)を使用するときは,オプション情報(options)のgraceful-restartパラメータを設定してください。また,本コマンドで設定するグレースフル・リスタート機能のネゴシエーションあり/なしの定義は,次に示すようにグローバルに定義した場合には,グループおよびピアも有効になります。
上記の例では,すべてのグループ(AS300およびAS200)でグレースフル・リスタートが有効になっています。また,すべてのピア(3ffe:501:811:ff03::100,3ffe:501:811:ff03::200,3ffe:501:811:ff01::1)でグレースフル・リスタートが有効になっています。
bgp4+ yes graceful-restart externalpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100 peer 3ffe:501:811:ff03::200 externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1
グループに定義した場合には,ピアにも有効になります。
上記の例では,AS200のピア(3ffe:501:811:ff03::100,3ffe:501:811:ff03::200)でグレースフル・リスタートが有効になっています。
bgp4+ yes externalpeeras 200 peer 3ffe:501:811:ff03::100 graceful-restart peer 3ffe:501:811:ff03::200 graceful-restart externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1
- パラメータ値は,ピア,グループ,グローバルの順に優先です。
上記の例では,各ピアのrestart-timeは次のとおりになります。
bgp4+ yes graceful-restart restart-time 60 externalpeeras 200 graceful-restart restart-time 45 peer 3ffe:501:811:ff03::100 graceful-restart restart-time 30 peer 3ffe:501:811:ff03::200 graceful-restart externalpeeras 300 peer 3ffe:501:811:ff01::1 graceful-restart
ピア(3ffe:501:811:ff03::100)ではrestart-timeは30になります。
ピア(3ffe:501:811:ff03::200)ではrestart-timeは45になります。
ピア(3ffe:501:811:ff01::1)ではrestart-timeは60になります。
- system config_update autoが定義されている時に,bgp noをbgp yesに変更した場合,またはBGPピア定義のないコンフィグレーションに初めてBGPピアを定義した場合は,BGPネットワークに関連するインポート・フィルタ情報およびエキスポート・フィルタ情報が無効になっていますので,update bgp-filterコマンドを使用してフィルタの設定を運用に反映させてください。
- networkサブコマンドで,外部のASから学習したBGP4+経路に従って広告用経路を生成し,再配布する場合,再配布経路のASパス長は生成元のBGP4+経路より短くなります。再配布先での優先経路選択のため,エキスポート・フィルタで適切な経路属性を設定してください。
- 装置の時刻補正を行う際は,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.2 ntp(NTP情報)」,「運用コマンドレファレンス Vol.1 set calendar」および「運用コマンドレファレンス Vol.1 rdate」の注意事項を参照してください。
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