コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1
本コマンドはリンクアグリゲーションを設定します。
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定・変更
- link-aggregation <LA ID>
- >>移行モード:link-aggregation
- 情報の削除
- delete link-aggregation <LA ID>
- delete -r link-aggregation <LA ID>
- 情報の表示
- show link-aggregation [ <LA ID> ]
- show -r link-aggregation <LA ID>
[サブコマンド入力形式]
- 情報の設定
- { enable | disable }
- description <strings>
- multi-speed
- mode { lacp | static }
- system-priority <System Priority>
- lacp-activity { active | passive }
- key <Key>
- periodic-timer { long | short }
- max-active-port <number> [no-link-down]
- max-detach-port <number>
- aggregated-port <Port list>
- port-priority <Port list> <Port Priority>
- router-interface <LA name>
- 情報の変更
- { enable | disable }
- description <strings>
- mode { lacp | static }
- system-priority <System Priority>
- lacp-activity { active | passive }
- key <Key>
- periodic-timer { long | short }
- max-active-port <number> [no-link-down]
- max-detach-port <number>
- port-priority <Port list> <Port Priority>
- 情報の削除
- delete { enable | disable }
- delete description
- delete multi-speed
- delete mode
- delete system-priority
- delete lacp-activity
- delete key
- delete periodic-timer
- delete max-active-port
- delete max-detach-port
- delete aggregated-port <Port list>
- delete port-priority <Port list>
- delete router-interface
[モード階層]
link-aggregation
[パラメータ]
- <LA ID>
- リンクアグリゲーショングループIDを指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
1〜128
- -r
- 指定されたリンクアグリゲーショングループIDに関するすべてのコンフィグレーションに適用(削除,表示)されます。
[サブコマンド]
- { enable | disable }
- enable:
- 該当リンクアグリゲーションの運用を開始します。
- disable:
- 該当リンクアグリゲーションを常にDown状態とし,aggregated-portで指定しているポートでの通信を停止します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
enable
- SNMPのSetRequestオペレーションを用いて,SNMPマネージャから本コマンドを設定できます。SNMPのSetRequestオペレーションを用いて本コマンドを設定した場合,その設定はコンフィグレーションに反映されます。
- description <strings>
- 該当リンクアグリゲーションに補足説明を設定します。64文字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値はNULLです。
- 値の設定範囲
64字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力できる文字は,英数字と特殊文字です。ただし,入力文字列に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても入力できます。詳細は,「パラメータに指定できる値」を参照願います。ただし,以下の文字は使用できませんので注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(`)
- multi-speed
- 異速度混在モードを設定します。本サブコマンドを指定すると,異なる速度のポートを一つのリンクアグリゲーショングループとして同時に使用できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
なし
- mode { lacp | static }
- リンクアグリゲーションのモードを指定します。
- lacp:LACPによるリンクアグリゲーションを行います。
- static:staticにリンクアグリゲーションを行います。
- 本サブコマンド省略時の初期値
lacp
- 値の設定範囲
lacpまたはstatic
- system-priority <System Priority>
- システム優先度を設定します。値が小さいほど優先度が高くなります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
128
- 値の設定範囲
1〜65535
- 本サブコマンド使用時の注意事項
本サブコマンドはmodeサブコマンドでlacpを指定した場合だけ有効です。
- lacp-activity { active | passive }
- LACP開始方法を指定します。
- active:
- 相手装置に関係なく常にLACPDUを送信します。
- passive:
- 相手装置からLACPDUを受信した場合だけ,LACPDU送信を開始します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
active
- 値の設定範囲
activeまたはpassive
- 本サブコマンド使用時の注意事項
本サブコマンドはmodeサブコマンドでlacpを指定した場合だけ有効です。
- key <Key>
- 該当リンクアグリゲーショングループに所属するポートのKeyを指定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
1〜65535
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・modeサブコマンドでlacpを指定した場合は,本サブコマンドの指定が必須です。
・ほかのリンクアグリゲーショングループで使用されている値は指定できません。
・LACPモードで他社装置と接続する場合,接続先の全ポートが同じKeyになるよう設定してください。本装置と同じKeyである必要はありません。
・本サブコマンドは,modeサブコマンドでstaticを指定した場合は無効になります。
- periodic-timer { long | short }
- 対向装置が本装置に向けて送信するLACPDUの送信間隔を指定します。
- long:30秒
- short:1秒
- 本サブコマンド省略時の初期値
long(30秒)
- 値の設定範囲
longまたはshort
- 本サブコマンド使用時の注意事項
本サブコマンドはmodeサブコマンドでlacpを指定した場合だけ有効です。
- max-active-port <number> [no-link-down]
- リンクアグリゲーショングループ内で実際に使用するポートの最大数を指定します。本サブコマンドの指定数を超えてaggregated-portを設定した場合,指定数のポートを使用し,その他のポートにはスタンバイリンク機能を適用します。
- スタンバイリンクを非リンクダウンで使用する場合,no-link-downを指定します。指定しない場合,スタンバイリンクはリンクダウンします。
- スタンバイリンクの選択方法は次のとおりです。
- port-priorityサブコマンドによる優先度の低いポート
- 優先度が同じ場合はNIF番号,Line番号の大きいポート
- 本サブコマンド省略時の初期値
16
- 値の設定範囲
1〜16
- 本サブコマンド使用時の注意事項
本サブコマンドはmodeサブコマンドでstaticを指定した場合だけ有効です。
スタンバイリンクモードのリンクダウン/非リンクダウン変更はできません。変更する場合,本パラメータを削除後に,再度本サブコマンドの設定が必要です。
非リンクダウンモードでポート数を変更する場合,no-link-downの指定が必要です。
- max-detach-port <number>
- 該当リンクアグリゲーショングループの離脱ポート数制限を設定します。
- <number>
- リンクダウンなどでリンクアグリゲーションから離脱することを許容する最大ポート数を指定します。0を指定した場合,1ポートも許容しないため,リンクダウンなどが発生すると,リンクアグリゲーショングループ全体がダウンします。
- 本サブコマンド省略時の初期値
15
- 値の設定範囲
0または15
- 本サブコマンド使用時の注意事項
本サブコマンドはmodeサブコマンドでlacpを指定した場合だけ有効です。
- aggregated-port <Port list>
- 該当リンクアグリゲーショングループに所属するポートを指定します。
- <Port list>に無効なポートが含まれていた場合,本定義をエラーとします。
- 【"−"または","による範囲指定】
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
装置に実装されているNIF番号/Line番号
- 本サブコマンド使用時の注意事項
・リンクアグリゲーションの運用を開始するためには,該当ポートにlineコンフィグレーションをする必要があります。
・ほかのリンクアグリゲーショングループにすでに設定されているポートは定義できません。
・一つのリンクアグリゲーショングループに指定できるポートは最大16ポートです。
・本コマンドで指定するポートは以下のコンフィグレーションの設定が一致している必要があります。
1)lineのtpid_8100,tpid_9100,jumbo_frame
・lineに対してIPアドレスを設定したポートは指定できません。
・lineに対してTag-VLAN連携機能を設定したポートは指定できません。
・lineコマンドでoc48posまたはoc192posを設定しているポートは指定できません。
・同一NIF上にl2transportが設定されているポートは指定できません。【OP-MPLS】
- port-priority
- ポート優先度を設定します。
- <Port list>
- ポート優先度を設定するポートを指定します。本コマンドはaggregated-portサブコマンドで設定済みのポートだけ指定できます。<Port list>にaggregated-portで設定されていないポートが含まれていた場合,本定義をエラーとします。
- 【"-"または","による範囲指定】
- 範囲指定のすべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- 【"*"による範囲指定】
- すべてのポートを指定したことと同じ意味になります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
aggregated-portサブコマンドで設定済みのポート
- <Port Priority>
- <Port list>で指定したポートの優先度を指定します。値が小さいほど優先度が高くなります。
- modeコマンドでstaticを指定した場合:
- max-active-portサブコマンドによるスタンバイリンクの選択に利用します。
- modeコマンドでlacpを指定した場合:
- LACPプロトコルのPort Priorityに適用します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
128
- 値の設定範囲
0〜65535
- router-interface <LA Name>
- ip定義等に使用するリンクアグリゲーション名称を指定します。
- なお,flow filter情報,flow qos情報で<Interface Names>指定をする場合,「文字列+数字」の形式でリンクアグリゲーション名称を指定してください。詳細は,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.2 1. フロー情報」のflow filter,flow qosを参照してください。
- 本パラメータ省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
14文字以内の文字列
[入力例]
- 情報の設定
リンクアグリゲーショングループ(ID=10)を作成し,リンクアグリゲーション名称(LA10)を設定します。当該リンクアグリゲーショングループにNIF番号1/Line番号0からLine番号3を所属させ,IPアドレス192.168.1.1/24を設定します。リンクアグリゲーションモードはLACPとします。
(config)# line GE10 gigabit_ethernet 1/0 [line GE10] (config)# line GE11 gigabit_ethernet 1/1 [line GE11] (config)# line GE12 gigabit_ethernet 1/2 [line GE12] (config)# line GE13 gigabit_ethernet 1/3 [line GE13] (config)# exit (config)# link-aggregation 10 [link-aggregation 10] (config)# router-interface LA10 [link-aggregation 10] (config)# aggregated-port 1/0-3 [link-aggregation 10] (config)# ip 192.168.1.1/24 [link-aggregation 10] (config)# mode lacp [link-aggregation 10] (config)# exit- 情報の変更
LA10のリンクアグリゲーションモードをstaticに変更します。
(config)# link-aggregation 10 [link-aggregation 10] (config)# mode static [link-aggregation 10] (config)# exit (config)#- 情報の全表示
設定内容を表示します。
(config)# show link-aggregation link-aggregation 10 mode static aggregated-port 1/0-3 router-interface LA10 ip 192.168.1.1/24 (config)#- 情報の削除
mode定義を削除します。
(config)# link-aggregation 10 [link-aggregation 10] (config)# delete mode [link-aggregation 10] (config)# exit (config)# show link-aggregation link-aggregation 10 aggregated-port 1/0-3 router-interface LA10 ip 192.168.1.1/24 (config)#
[関連コマンド]
line(Line情報)
[注意事項]
- router-interface定義後は,「lineコンフィグレーションの配下」で定義できるすべて※がlink-aggregationサブコマンドモードで定義できます。
- 注※ 次のものを除きます。
- ・lineコンフィグレーションのパラメータ
- オンライン定義でaggregated-portを設定/削除する場合,次のどれかを実施し,該当ポートを非運用状態にしてから設定/削除してください(該当ポートが運用状態の場合,削除はできません)。
また,aggregated-portを設定したあと該当ポートを運用状態にする場合,「Port(<NIF>/<Line>) added to Link Aggregation Group(<LA_ID>).」のメッセージ表示後150秒以上経過してから該当ポートを運用状態にしてください。ただし,「Port(<NIF>/<Line>) added to Link Aggregation Group(<LA_ID>).」のメッセージ表示前後の150秒以内に系切替が発生した場合は,240秒以上経過してから該当ポートを運用状態にしてください。150秒以上(系切替が発生した場合は240秒以上)経過する前に該当ポートを運用状態にした場合,該当リンクアグリゲーションで受信したフレームが該当ポートから送信されることがあります。
- コンフィグレーションで該当ポートをdisableにする。
- 運用コマンドで該当ポートを閉塞(close)する。
- 該当ポートのケーブルを抜く。
- max-active-portを指定する場合は,max-active-port,port-priorityの設定を接続先の装置と合わせてください。
- 離脱ポート数制限機能(max-detach-port)を指定する場合は,max-detach-portの設定を接続先の装置と合わせてください。また,他社装置と接続する場合,本装置のシステム優先度を高くしてください。
- コンフィグレーションコマンドmax-detach-portを0で入力した場合,staticモードの時はmax-detach-portを15で入力した場合(max-detach-portの入力なし)と同様の動きとなります。
- スタートアップコンフィグレーションファイル変更によってポートを追加または削除する場合には,次の注意事項があります。
aggregated-portサブコマンドでポートを追加もしくは削除する場合,またはdelete link-aggregationコマンドでリンクアグリゲーショングループを一括削除する場合,1回のコンフィグレーションコマンド入力でリスト指定できる範囲は,リンクアグリゲーションに設定されたTag-VLAN連携のVLAN ID数と追加または削除するポート数からなる延べポート数の合計値※によって次の制限があります。
(a) スタートアップコンフィグレーションファイルの変更を実施する装置でLACPのように制御フレームを10秒以下の時間間隔で送受信して接続状態を確認するプロトコルを使用している場合,延べポート数の合計値を4,096個以下としてください。この条件を満たさない場合,プロトコルの制御フレームの送受信に遅延が生じて接続状態の確認ができないことがあります。
(b) (a)に記載のようなプロトコルを使用していない場合,延べポート数の合計値を8,192個以下となるようにしてください。コマンドレベルで数値チェックをしているので,この条件を満たさないコマンド入力はできません。
- 注※ 延べポート数の合計値
- 例えば,Tag-VLAN連携のVLAN ID数が1,024個設定されたリンクアグリゲーショングループに8個のポートを追加,または削除する場合,延べポート数の合計値は1,024×8=8,192個となります。
- (例)
- Tag-VLAN連携のVLAN ID2〜2049を設定したリンクアグリゲーショングループ128に所属する0/0-11のうち,ポート0/0-3をリンクアグリゲーショングループから削除する操作手順例を次に説明します。
- (1)リンクアグリゲーショングループ128の編集状態に入ります。
(config)# link-aggregation 128 [link-aggregation 128] (config)#- (2)リンクアグリゲーショングループ128からポートを削除します。2,048個のVLAN IDが設定されたリンクアグリゲーショングループからポートを4個削除するので,操作対象の延べポート数は2,048×4=8,192です。1回のコマンド入力につき延べポート数の合計が4,096以下になるように,2回に分割してコマンドを入力します。
(config)# delete aggregated-port 0/0-1 [link-aggregation 128] (config)# delete aggregated-port 0/2-3 [link-aggregation 128] (config)#
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