コンフィグレーションガイド

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10.1.3　IPv4 PIM-SSMプロトコル

＜この項の構成＞
(1)　設定内容の概要
(2)　構成図と設定条件
(3)　コンフィグレーション例

(1)　設定内容の概要

サーバ＃1，サーバ＃2と複数のグループが存在するネットワークにおいて，サーバ＃1と各グループ間のIPマルチキャスト通信とサーバ＃2と各グループ間のIPマルチキャスト通信を行います。

(2)　構成図と設定条件

［構成図］

図10-3　マルチキャスト構成図（PIM-SSM）

[図データ]

［設定条件］

＜ネットワークの環境＞
  1. 本装置間のマルチキャストルーティングプロトコルはPIM-SSMを使用します。PIM-SSMはPIM-SMの拡張機能です。
    また，各グループと本装置間はIGMPプロトコルを使用します。
    （前提条件としてすべてのルータでIPユニキャストルーティングプロトコルの動作が必要です）
    PIM-SSMで使用するグループは225.10.10.0〜225.10.10.255(225.10.10.0/24)とします。
    サーバ＃1のアドレスを10.1.1.2とします。
    サーバ＃2のアドレスを10.1.2.2とします。

＜本装置Aの環境＞
  1. 本装置A−本装置B／C間のマルチキャスト経路制御はPIM-SSMを使用します（PIM-SSMはPIM-SM機能の拡張機能であるためインタフェースはPIM-SMで設定します）。
  2. 本装置Aとグループ1間のグループ管理制御はIGMPv2を使用します。
  3. 本装置AにPIM-SSMが動作するSSMアドレス範囲(225.10.10.0/24)を指定します。
  4. 本装置AにIGMPv2によってPIM-SSMが動作するグループアドレス(225.10.10.1)とソースアドレス(サーバ#1：10.1.1.2,サーバ#2：10.1.2.2)を指定します。

＜本装置Bの環境＞
  1. 本装置B−本装置A／D間のマルチキャスト経路制御はPIM-SSMを使用します（PIM-SSMはPIM-SM機能の拡張機能であるためインタフェースはPIM-SMで設定します）。
  2. 本装置BにPIM-SSMが動作するSSMアドレス範囲(225.10.10.0/24)を指定します。

＜本装置Cの環境＞
  1. 本装置C−本装置A／D間のマルチキャスト経路制御はPIM-SSMを使用します（PIM-SSMはPIM-SM機能の拡張機能であるためインタフェースはPIM-SMで設定します）。
  2. 本装置Cとグループ2／3間のグループ管理制御はIGMPv3を使用します。
  3. 本装置CにPIM-SSMが動作するSSMアドレス範囲(225.10.10.0/24)を指定します。

＜本装置Dの環境＞
  1. 本装置D−本装置B／C間のマルチキャスト経路制御はPIM-SSMを使用します（PIM-SSMはPIM-SM機能の拡張機能であるためインタフェースはPIM-SMで設定します）。
  2. 本装置Dとグループ2／4間のグループ管理制御はIGMPv2およびIGMPv3を使用します。
  3. 本装置DにPIM-SSMが動作するSSMアドレス範囲(225.10.10.0/24)を指定します。
  4. 本装置DにIGMPv2によってPIM-SSMが動作するグループアドレス(225.10.10.0/24)とソースアドレス(サーバ#1：10.1.1.2,サーバ#2：10.1.2.1)を指定します。

(3)　コンフィグレーション例

［コマンドによる設定］

＜本装置A＞
 1    (config)# system pru_resource router-b1
 2    (config)# pim yes
      [pim]
 3    (config)# sparse
      [pim sparse]
 4    (config)# ssm yes
      [pim sparse ssm]
 5    (config)# 225.10.10.0/24
      [pim sparse ssm]
 6    (config)# exit
      [pim sparse]
 7    (config)# interface LANab
      [pim sparse interface LANab]
 8    (config)# exit
      [pim sparse]
 9    (config)# interface LANac
      [pim sparse interface LANac]
10    (config)# exit
      [pim sparse]
11    (config)# exit
      [pim]
12    (config)# exit
13    (config)# multicast
      [multicast]
14    (config)# interface LANa1
      [multicast interface LANa1]
15    (config)# exit
      [multicast]
16    (config)# interface LANa4
      [multicast interface LANa4]
17    (config)# exit
      [multicast]
18    (config)# ssm-join group 225.10.10.1
      [multicast ssm-join group 225.10.10.1]
19    (config)# source 10.1.1.2
      [multicast ssm-join group 225.10.10.1]
20    (config)# source 10.1.2.2
      [multicast ssm-join group 225.10.10.1]
21    (config)# exit
      [multicast]
22    (config)# exit

＜本装置B＞
23    (config)# system pru_resource router-b1
24    (config)# pim yes
      [pim]
25    (config)# sparse
      [pim sparse]
26    (config)# ssm yes
      [pim sparse ssm]
27    (config)# 225.10.10.0/24
      [pim sparse ssm]
28    (config)# exit
      [pim sparse]
29    (config)# interface LANab
      [pim sparse interface LANab]
30    (config)# exit
      [pim sparse]
31    (config)# interface LANbd
      [pim sparse interface LANbd]
32    (config)# exit
      [pim sparse]
33    (config)# exit
      [pim]
34    (config)# exit
35    (config)# multicast
      [multicast]
36    (config)# interface LANb2
      [multicast interface LANb2]
37    (config)# exit
      [multicast]
38    (config)# exit

＜本装置C＞
39    (config)# system pru_resource router-b1
40    (config)# pim yes
      [pim]
41    (config)# sparse
      [pim sparse]
42    (config)# ssm yes
      [pim sparse ssm]
43    (config)# 225.10.10.0/24
      [pim sparse ssm]
44    (config)# exit
      [pim sparse]
45    (config)# interface LANac
      [pim sparse interface LANac]
46    (config)# exit
      [pim sparse]
47    (config)# interface LANcd
      [pim sparse interface LANcd]
48    (config)# exit
      [pim sparse]
49    (config)# exit
      [pim]
50    (config)# exit
51    (config)# multicast
      [multicast]
52    (config)# interface LANc3
      [multicast interface LANc3]
53    (config)# version 3
      [multicast interface LANc3]
54    (config)# exit
      [multicast]
55    (config)# exit

＜本装置D＞
56    (config)# system pru_resource router-b1
57    (config)# pim yes
      [pim]
58    (config)# sparse
      [pim sparse]
59    (config)# ssm yes
      [pim sparse ssm]
60    (config)# 225.10.10.0/24
      [pim sparse ssm]
61    (config)# exit
      [pim sparse]
62    (config)# interface LANbd
      [pim sparse interface LANbd]
63    (config)# exit
      [pim sparse]
64    (config)# interface LANcd
      [pim sparse interface LANcd]
65    (config)# exit
      [pim sparse]
66    (config)# exit
      [pim]
67    (config)# exit
68    (config)# multicast
      [multicast]
69    (config)# interface LANd4
      [multicast interface LANd4]
70    (config)# version 3
      [multicast interface LANd4]
71    (config)# exit
      [multicast]
72    (config)# ssm-join group 225.10.10.3
      [multicast ssm-join group 225.10.10.3]
73    (config)# source 10.1.1.2
      [multicast ssm-join group 225.10.10.3]
74    (config)# source 10.1.2.2
      [multicast ssm-join group 225.10.10.3]
75    (config)# exit
      [multicast]
76    (config)# exit

表10-3　本装置A／B／C／Dのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 PRU上のハードウェアテーブルにIPv4マルチキャスト経路が使用できるパターンを設定します。
2〜6 PIM-SSMが動作するグループアドレスの範囲として225.10.10.0/24を定義します。
7〜12 インタフェースLANab，LANacでPIM-SMおよびIGMPv2を動作させることを定義します。
13〜17 インタフェースLANa1，LANa4でIGMPv2を動作させることを定義します。
18〜19 IGMPv2でPIM-SSMが動作するグループアドレスとして225.10.10.1，ソースアドレスとして10.1.1.2を定義します。
20〜22 IGMPv2でPIM-SSMが動作するグループアドレスとして225.10.10.1，ソースアドレスとして10.1.2.2を定義します。
23 PRU上のハードウェアテーブルにIPv4マルチキャスト経路が使用できるパターンを設定します。
24〜28 PIM-SSMが動作するグループアドレスの範囲として225.10.10.0/24を定義します。
29〜34 インタフェースLANab，LANbdでPIM-SMおよびIGMPv2を動作させることを定義します。
35〜38 インタフェースLANb2でIGMPv2を動作させることを定義します。
39 PRU上のハードウェアテーブルにIPv4マルチキャスト経路が使用できるパターンを設定します。
40〜44 PIM-SSMが動作するグループアドレスの範囲として225.10.10.0/24を定義します。
45〜50 インタフェースLANac，LANcdでPIM-SMおよびIGMPv2を動作させることを定義します。
51〜55 インタフェースLANc3でIGMPv3を動作させることを定義します。
56 PRU上のハードウェアテーブルにIPv4マルチキャスト経路が使用できるパターンを設定します。
57〜61 PIM-SSMが動作するグループアドレスの範囲として225.10.10.0/24を定義します。
62〜67 インタフェースLANbd，LANcdでPIM-SMおよびIGMPv2を動作させることを定義します。
68〜71 インタフェースLANd4でIGMPv3を動作させることを定義します。
72〜73 IGMPv2でPIM-SSMが動作するグループアドレスとして225.10.10.3，ソースアドレスとして10.1.1.2を定義します。
74〜76 IGMPv2でPIM-SSMが動作するグループアドレスとして225.10.10.3，ソースアドレスとして10.1.2.2を定義します。

［コンフィグレーションの表示］

＜本装置A＞
system pru_resource router-b1
!
pim yes
  sparse
    interface LANab
    interface LANac
    ssm yes
      225.10.10.0/24
!
multicast
    interface LANa1
    interface LANa4
  ssm-join group 225.10.10.1
    source 10.1.1.2
    source 10.1.2.2

＜本装置B＞
system pru_resource router-b1
!
pim yes
  sparse
    interface LANab
    interface LANbd
    ssm yes
      225.10.10.0/24
!
multicast
    interface LANb2

＜本装置C＞
system pru_resource router-b1
!
pim yes
  sparse
    interface LANac
    interface LANcd
    ssm yes
      225.10.10.0/24
!
multicast
    interface LANc3
      version 3

＜本装置D＞
system pru_resource router-b1
!
pim yes
  sparse
    interface LANbd
    interface LANcd
    ssm yes
      225.10.10.0/24
!
multicast
    interface LANd4
      version 3
  ssm-join group 225.10.10.3
    source 10.1.1.2
    source 10.1.2.2

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