コンフィグレーションガイド

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6.2.1 IPv6ネットワークのPOS

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件
(3) コンフィグレーション例

(1) 設定内容の概要

SONET/SDH網をOC-192c/STM-64 POSで接続し,ネットワークレイヤプロトコルにIPv6を使用して通信を行う場合の例を示します。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図6-3 構成図

[図データ]

[設定条件]

<OC-192c/STM-64 POS上の動作条件>
  • クロック:external
  • CRC長:32ビット
  • スクランブル:有効
  • 動作モード:SONET
  • セクショントレースメッセージモード:1オクテット
  • J0:01(16進数)
  • RDIモード:1ビット
  • B2SDビットエラー率の閾値:10-6
  • B2SDが発生した際に回線障害とするか:回線障害としない
  • SFビットエラー率(B2EBER)の閾値:10-3

<10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T上の動作条件>
  • セグメント規格:オートネゴシエーション
  • フローコントロール:送受信共に無効
  • 最大フレーム長:1518オクテット(Tag1段を含む,FCSを含まない)

<SONET/SDH網の動作条件>
  • クロック:independent
  • CRC長:32ビット
  • スクランブル:有効
  • セクショントレースメッセージモード:1オクテット
  • J0:01(16進数)
  • RDIモード:1ビット

<PPPの動作条件>
  • MRU:4470オクテット(FCSを含まない)
  • Echo-Requestパケットの試行回数:7回
  • Echo-Requestパケットに対し,リンク品質「良」と判断する最低の受信Echo-Reply回数:6回
  • Echo-Requestパケットの送信間隔:3秒
  • 相手局に対して自IPv4アドレスの通知:通知しない
  • 自装置から送信したConfigure-RequestパケットやTerminate-Requestパケットが相手局から無応答の場合のパケット再送間隔:2秒
  • 自装置から送信したTerminate-Requestパケットに対して相手装置からTerminate-Ackパケット応答がない場合のTerminate-Requestパケット最大送信回数:2回
  • 自装置から送信したConfigure-Requestパケットに対して相手装置から応答がない場合のConfigure-Requestパケット最大送信回数:10回
  • 相手装置から受信したConfigure-Requestパケットのオプションに対して自装置からConfigure-Nakパケットを送信する最大回数:5回

<本装置A/Bの環境>
NIF番号0,Line番号0に10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-TのNIFが実装されています。当該インタフェースを次に示すネットワークに接続します。
  • 本装置Aの場合:3ffe:501:811:ff01::/64のネットワークA
  • 本装置Bの場合:3ffe:501:811:ff04::/64のネットワークB
また,NIF番号1,Line番号0にOC-192c/STM-64 POSのNIFが実装されています。
本装置Aの場合,当該インタフェースを3ffe:501:811:ff20::2に接続します。
本装置Bの場合,当該インタフェースを3ffe:501:811:ff20::1に接続します。
NIF番号0,Line番号0のインタフェースにはRA情報の広告を行います。

(3) コンフィグレーション例

[コマンドによる設定]

<本装置A>
 1    (config)# line Department1 ethernet 0/0
      [line Department1]
 2    (config)# ip 3ffe:501:811:ff01::/64
      [line Department1]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line SouthBuilding oc192pos 1/0
      [line SouthBuilding]
 5    (config)# clock external
      [line SouthBuilding]
 6    (config)# ppp
      [line SouthBuilding]
 7    (config)# ip fe80::1/64 destination_ip_address fe80::2
      [line SouthBuilding]
 8    (config)# ip-address 3ffe:501:811:ff20::1/64 destination_ip_address 
                3ffe:501:811:ff20::2
      [line SouthBuilding]
 9    (config)# exit
10    (config)# ra yes
      [ra]
11    (config)# interface Department1
      [ra interface Department1]
12    (config)# exit
      [ra]
13    (config)# exit

表6-5 本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0,Line番号0に回線名Department1の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • セグメント規格…オートネゴシエーション
  • フローコントロール…送受信共に無効
  • 最大フレーム長 …1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)
lineモードに移行します。
2 IP情報は自IPv6アドレス3ffe:501:811:ff01::,プレフィックス長64で設定し,IPv6アドレスのインタフェースID部は装置による自動設定とします。またIPv6リンクローカルアドレスは装置による自動設定とします。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号1,Line番号0に回線名SouthBuildingのOC-192c/STM-64 POS回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • クロック…independent
  • CRC長…32ビット
  • スクランブル…有効
  • 動作モード…SONET
  • セクショントレースメッセージモード…1オクテット
  • J0…01(16進数)
  • RDIモード…1ビット
  • B2SDビットエラー率閾値…6
  • B2SDが発生した際に回線障害とするか…回線障害としない
  • SFビットエラー率閾値…3
lineモードに移行します。
5 設定をSONET/SDH 網に合わせるため,クロックをexternalに設定します。
6 PPPの設定をします。デフォルトでMRUは4470オクテット(FCSを含まない)となります。
7,8 IP情報は自IPv6リンクローカルアドレスfe80::1,プレフィックス長64,接続先IPv6リンクローカルアドレスfe80::2を設定します。また,IPv6グローバルアドレスとして3ffe:501:811:ff20::1,プレフィックス長64,接続先IPv6グローバルアドレス3ffe:501:811:ff20::2を設定します。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 ルータ広告(RA情報)を使用します。
raモードに移行します。
11 RA情報をDepartment1のインタフェースだけ広告することを設定します。
ra interfaceモードに移行します。
12 ra interfaceモードからraモードに戻ります。
13 raモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

<本装置B>
 1    (config)# line Department2 ethernet 0/0
      [line Department2]
 2    (config)# ip 3ffe:501:811:ff04::/64
      [line Department2]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line NorthBuilding oc192pos 1/0
      [line NorthBuilding]
 5    (config)# clock external
      [line NorthBuilding]
 6    (config)# ppp
      [line NorthBuilding]
 7    (config)# ip fe80::2/64 destination_ip_address fe80::1
      [line NorthBuilding]
 8    (config)# ip-address 3ffe:501:811:ff20::2/64 destination_ip_address 
                3ffe:501:811:ff20::1
      [line NorthBuilding]
 9    (config)# exit
10    (config)# ra yes
      [ra]
11    (config)# interface Department2
      [ra interface Department2]
12    (config)# exit
      [ra]
13    (config)# exit

表6-6 本装置Bのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0,Line番号0に回線名Department2の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • セグメント規格…オートネゴシエーション
  • フローコントロール…送受信共に無効
  • 最大フレーム長 …1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)
lineモードに移行します。
2 IP情報は自IPv6アドレス3ffe:501:811:ff04::,プレフィックス長64で設定し,IPv6アドレスのインタフェースID部は装置による自動設定とします。またIPv6リンクローカルアドレスは装置による自動設定とします。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号1,Line番号0に回線名NorthBuilding のOC-192c/STM-64 POS回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • クロック…independent
  • CRC長…32ビット
  • スクランブル…有効
  • 動作モード…SONET
  • セクショントレースメッセージモード…1オクテット
  • J0…01(16進数)
  • RDIモード…1ビット
  • SDビットエラー率閾値…6
  • B2SDが発生した際に回線障害とするか…回線障害としない
  • SFビットエラー率閾値…3
lineモードに移行します。
5 設定をSONET/SDH網に合わせるため,クロックをexternalに設定します。
6 PPPの設定をします。デフォルトでMRUは4470オクテット(FCSを含まない)となります。
7,8 IP情報は自IPv6リンクローカルアドレスfe80::2,プレフィックス長64,接続先IPv6リンクローカルアドレスfe80::1を設定します。また,IPv6グローバルアドレスとして3ffe:501:811:ff20::2,プレフィックス長64,接続先IPv6グローバルアドレス3ffe:501:811:ff20::1を設定します。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 ルータ広告(RA情報)を使用します。
raモードに移行します。
11 RA情報をDepartment2のインタフェースだけ広告することを設定します。
ra interfaceモードに移行します。
12 ra interfaceモードからraモードに戻ります。
13 raモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

[コンフィグレーションの表示]

<本装置A>
line Department1 ethernet 0/0
  ip 3ffe:501:811:ff01::/64
!
line SouthBuilding oc192pos 1/0
  clock external
  ppp
  ip fe80::1/64 destination_ip_address fe80::2
  ip-address 3ffe:501:811:ff20::1/64 destination_ip_address 
  3ffe:501:811:ff20::2
!
ra yes
  interface Department1

<本装置B>
line Department2 ethernet 0/0
  ip 3ffe:501:811:ff04::/64
!
line NorthBuilding oc192pos 1/0
  clock external
  ppp
  ip fe80::2/64 destination_ip_address fe80::1
  ip-address 3ffe:501:811:ff20::2/64 destination_ip_address 
  3ffe:501:811:ff20::1
!
ra yes
  interface Department2

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