コンフィグレーションガイド

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6.1.2 IPv6,IPv4混在ネットワークのイーサネット

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件
(3) コンフィグレーション例

(1) 設定内容の概要

装置間を1000BASE-Xで接続し,ネットワークレイヤプロトコルにIPv6およびIPv4を使用して通信を行う場合の例を示します。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図6-2 構成図

[図データ]

[設定条件]

<10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T上の動作条件>
  • セグメント規格:オートネゴシエーション
  • フローコントロール:送受信共に無効
  • 最大フレーム長:1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)

<1000BASE-X上の動作条件>
  • セグメント規格:オートネゴシエーション
  • フローコントロール:送受信共に有効
  • 最大フレーム長:1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)

<本装置Aの環境>
NIF番号0,Line番号0に10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-TのNIFが実装されています。当該インタフェースをIPv6ネットワーク3ffe:501:811:ff01::/64,IPv4ネットワーク192.168.10/24のネットワークAに接続します。またNIF番号2,Line番号0に1000BASE-XのNIFが実装されています。当該インタフェースをIPv6ネットワーク3ffe:501:811:ff20::/64,IPv4ネットワーク172.16.144/24のネットワークBに接続します。

<本装置Bの環境>
NIF番号0,Line番号0に10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-TのNIFが実装されています。当該インタフェースをIPv6ネットワーク3ffe:501:811:ff04::/64,IPv4ネットワーク152.160.20/24のネットワークCに接続します。またNIF番号2,Line番号0に1000BASE-XのNIFが実装されています。当該インタフェースをIPv6ネットワーク3ffe:501:811:ff20::/64,IPv4ネットワーク172.16.144/24のネットワークBに接続します。

(3) コンフィグレーション例

[コマンドによる設定]

<本装置A>
 1    (config)# line Department1 ethernet 0/0
      [line Department1]
 2    (config)# ip 192.168.10.1/24
      [line Department1]
 3    (config)# ip 3ffe:501:811:ff01::/64
      [line Department1]
 4    (config)# exit
 5    (config)# line SouthBuilding gigabit_ethernet 2/0
      [line SouthBuilding]
 6    (config)# ip 172.16.144.1/24
      [line SouthBuilding]
 7    (config)# ip fe80::1/64
      [line SouthBuilding]
 8    (config)# ip-address 3ffe:501:811:ff20::1/64
      [line SouthBuilding]
 9    (config)# exit
10    (config)# ra yes
      [ra]
11    (config)# interface Department1
      [ra interface Department1]
12    (config)# exit
      [ra]
13    (config)# exit

表6-3 本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0,Line番号0に回線名Department1の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • セグメント規格…オートネゴシエーション
  • フローコントロール…送受信共に無効
  • 最大フレーム長 …1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)
lineモードに移行します。
2,3 IP情報はIPv4アドレス192.168.10.1,サブネットマスク24を設定します。自IPv6はアドレス3ffe:501:811:ff01::,プレフィックス長64で設定し,IPv6アドレスのインタフェースID部は装置による自動設定とします。またIPv6リンクローカルアドレスは装置による自動設定とします。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
4 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
5 NIF番号2,Line番号0に回線名SouthBuildingの1000BASE-X回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • セグメント規格…オートネゴシエーション
  • フローコントロール…送受信共に有効
  • 最大フレーム長 …1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)
lineモードに移行します。
6〜8 IP情報はIPv4アドレス172.16.144.1,サブネットマスク24を設定します。自IPv6はリンクローカルアドレスfe80::1,プレフィックス長64を設定します。またIPv6グローバルアドレスとして3ffe:501:811:ff20::1,プレフィックス長64を設定します。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 ルータ広告(RA情報)を使用します。
raモードに移行します。
11 RA情報をDepartment1のインタフェースだけ広告することを設定します。
ra interfaceモードに移行します。
12 ra interfaceモードからraモードに戻ります。
13 raモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

<本装置B>
 1    (config)# line Department2 ethernet 0/0
      [line Department2]
 2    (config)# ip 152.160.20.1/24
      [line Department2]
 3    (config)# ip 3ffe:501:811:ff04::/64
      [line Department2]
 4    (config)# exit
 5    (config)# line NorthBuilding gigabit_ethernet 2/0
      [line NorthBuilding]
 6    (config)# ip 172.16.144.2/24
      [line NorthBuilding]
 7    (config)# ip fe80::2/64
      [line NorthBuilding]
 8    (config)# ip-address 3ffe:501:811:ff20::2/64
      [line NorthBuilding]
 9    (config)# exit
10    (config)# ra yes
      [ra]
11    (config)# interface Department2
      [ra interface Department2]
12    (config)# exit
      [ra]
13    (config)# exit

表6-4 本装置Bのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0,Line番号0に回線名Department2の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • セグメント規格…オートネゴシエーション
  • フローコントロール…送受信共に無効
  • 最大フレーム長 …1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)
lineモードに移行します。
2,3 IP情報はIPv4アドレス152.160.20.1,サブネットマスク24と設定します。自IPv6はアドレス3ffe:501:811:ff04::,プレフィックス長64で設定し,IPv6アドレスのインタフェースID部は装置による自動設定とします。またIPv6リンクローカルアドレスは装置による自動設定とします。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
4 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
5 NIF番号2,Line番号0に回線名NorthBuildingの1000BASE-X回線を設定します。デフォルトで以下の設定となります。
  • セグメント規格…オートネゴシエーション
  • フローコントロール…送受信共に有効
  • 最大フレーム長 …1518オクテット(Tag1段含む,FCSを含まない)
lineモードに移行します。
6〜8 IP情報はIPv4アドレス172.16.144.2,サブネットマスク24と設定します。自IPv6はリンクローカルアドレスfe80::2,プレフィックス長64を設定します。またIPv6グローバルアドレスとして3ffe:501:811:ff20::2,プレフィックス長64を設定します。デフォルトで送信IP MTU長は1500オクテットとなります。
9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 ルータ広告(RA情報)を使用します。
raモードに移行します。
11 RA情報をDepartment2のインタフェースだけ広告することを設定します。
ra interfaceモードに移行します。
12 ra interfaceモードからraモードに戻ります。
13 raモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

[コンフィグレーションの表示]

<本装置A>
line Department1 ethernet 0/0
  ip 192.168.10.1/24
  ip 3ffe:501:811:ff01::/64
!
line SouthBuilding gigabit_ethernet 2/0
  ip 172.16.144.1/24
  ip fe80::1/64
  ip-address 3ffe:501:811:ff20::1/64
!
ra yes
  interface Department1

<本装置B>
line Department2 ethernet 0/0
  ip 152.160.20.1/24
  ip 3ffe:501:811:ff04::/64
!
line NorthBuilding gigabit_ethernet 2/0
  ip 172.16.144.2/24
  ip fe80::2/64
  ip-address 3ffe:501:811:ff20::2/64
!
ra yes
  interface Department2

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