解説書 Vol.1
BGP4(Border Gateway Protocol 4)は,プロバイダ間の多大な経路情報のやり取りが必要なインターネット接続に適用されるルーティングプロトコルで,階層型のネットワークの概念に基づいて作成されています。BGP4はインターネットのバックボーン上で,プロバイダ間でルーティングテーブルを交換するときに使用されます。また,イントラネットを二つ以上のISPに接続する場合に使用されます。
AS内のルータ間の経路情報の交換にはRIPやOSPFのようなIGP(Interior Gateway Protocol)を使用します。BGP4は,AS間のルーティングプロトコルであり,EGP(Exterior Gateway Protocol)の一つです。BGP4はインターネット上で使用されているすべての経路情報を扱えます。
BGP4の機能を次の表に示します。
表9-1 BGP4(IPv4)の機能
機能 BGP4 EBGP,IBGPピアリング,経路配信 ○ 経路フィルタ,BGP属性変更 ○ コミュニティ ○ ルート・リフレクション ○ コンフィデレーション ○ サポート機能のネゴシエーション ○ ルート・リフレッシュ ○ マルチパス ○ ポリシーグループ※1 ○ ルート・フラップ・ダンピング ○ BGP4 MIB ○※2 VPN経路配信 ○ TCP MD5認証 ○ グレースフル・リスタート ○※3 4バイトAS番号 ○ (凡例) ○:取り扱う
- 注※1
- 外部ピア同士,または内部ピア同士のグルーピング
- 注※2
- VPNアドレス空間に属するMIBオブジェクトは取り扱いません。
- 注※3
- オプションライセンス【OP-MPLS】を有効にしているソフトウェアでは,グレースフル・リスタートをサポートしません。
- <この節の構成>
- 9.1.1 経路情報
- 9.1.2 BGP4の適用範囲
- 9.1.3 ネットワーク設計の考え方
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