コンフィグレーションガイド Vol.3

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33.2.2 IPv6マルチキャストエクストラネット

次の図のようなネットワーク構成で,IPv6マルチキャストエクストラネットを設定します。

IPv6マルチキャストエクストラネット経路フィルタリングを使用して,いくつかの制限を掛けることができます。

図33-2 IPv6マルチキャストエクストラネットの構成例

[図データ]

<この項の構成>
(1) すべてのVRFからの要求を許可する設定
(2) 特定VRFだけ許可する設定
(3) 特定グループアドレスだけ許可する設定
(4) 双方向IPv6マルチキャストエクストラネットの設定

(1) すべてのVRFからの要求を許可する設定

VRF 2が,すべてのVRFおよびグローバルネットワークからのIPv6マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。

事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,中継先VRFおよびグローバルネットワークからIPv6マルチキャスト送信元への経路がVRF 2になるように設定してください。

[設定のポイント]
route-mapはフィルタ条件を設定しない場合,すべての条件が許可になります。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# route-map MLT6EXNET permit 10
    (config-route-map)# exit
    すべてのフィルタ条件を許可にします。
     
  2. (config)# vrf definition 2
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    1.のフィルタ設定をVRF 2のIPv6マルチキャストエクストラネットに適用して,すべてのVRFおよびグローバルネットワークからのIPv6マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
     

(2) 特定VRFだけ許可する設定

VRF 2がVRF 3およびVRF 4からのIPv6マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。

事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,VRF3およびVRF4からIPv6マルチキャスト送信元への経路がVRF2になるように設定してください。

[設定のポイント]
この設定をしない場合,すべてのVRFからのIPv6マルチキャスト中継要求を受け付けます。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# route-map MLT6EXNET permit 10
    (config-route-map)# match vrf 3 4
    (config-route-map)# exit
    VRF 3およびVRF 4からのIPv6マルチキャスト中継要求だけ許可にします。
     
  2. (config)# vrf definition 2
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    1.のフィルタ設定をVRF 2のIPv6マルチキャストエクストラネットに適用して,VRF 3およびVRF 4からのIPv6マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
     

(3) 特定グループアドレスだけ許可する設定

ff15:100::/32の範囲内のグループアドレスだけIPv6マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。

事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,中継先VRFおよびグローバルネットワークからIPv6マルチキャスト送信元への経路がVRF2になるように設定してください。

[設定のポイント]
エクストラネットで使用するグループアドレスの範囲を設定すると,そのアドレス以外のグループアドレスを他VRFと独立して,VRF内通信に割り当てられます。ローカルで使用するグループアドレスは,VRFごとに異なる用途に使用できます。
この設定をしない場合,すべてのグループアドレス(ff00::/8)をエクストラネットで使用します。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# ipv6 access-list MLT6GROUP
    (config-ipv6-acl)# permit ipv6 ff15:100::/32 any
    (config-ipv6-acl)# exit
    (config)# route-map MLT6EXNET permit 10
    (config-route-map)# match ipv6 address MLT6GROUP
    (config-route-map)# exit
    エクストラネットで使用するグループアドレスをff15:100::/32に設定します。
     
  2. (config)# vrf definition 2
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    1.のフィルタ設定をVRF 2のIPv6マルチキャストエクストラネットに適用して,VRF 2が受け付ける他VRFからの中継要求をff15:100::/32に限定します。
     

(4) 双方向IPv6マルチキャストエクストラネットの設定

グローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4で,IPv6マルチキャストエクストラネットによって相互に通信できるように設定します。

事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,グローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4からIPv6マルチキャスト送信元への経路が,接続したいVRFまたはグローバルネットワークになるように設定してください。

[設定のポイント]
route-mapのmatch vrfコマンドで設定したVRFは,importしたVRFと同じVRF IDは無視して登録します。そのため,双方向通信するすべてのVRFを一つのroute-mapに記述することで,それぞれのVRFのimportに対し共通に指定できます。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# ipv6 access-list MLT6GROUP
    (config-ipv6-acl)# permit ipv6 ff15:100::/32 any
    (config-ipv6-acl)# exit
    (config)# route-map MLT6EXNET permit 10
    (config-route-map)# match vrf global 2 3 4
    (config-route-map)# match ipv6 address MLT6GROUP
    (config-route-map)# exit
    グローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4からのグループアドレスff15:100::/32に対するIPv6マルチキャスト中継要求を許可にします。
     
  2. (config)# vrf definition global
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    (config)# vrf definition 2
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    (config)# vrf definition 3
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    (config)# vrf definition 4
    (config-vrf)# ipv6 import multicast inter-vrf MLT6EXNET
    (config-vrf)# exit
    1.のフィルタ設定をグローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4のIPv6マルチキャストエクストラネットに適用して,相互にIPv6マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。

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