コンフィグレーションガイド Vol.3

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27.1.8 注意事項

<この項の構成>
(1) ルータIDについての注意事項
(2) 経路の再配布フィルタと学習フィルタの注意事項
(3) マルチバックボーン機能使用時の注意事項
(4) OSPFv3の制限事項

(1) ルータIDについての注意事項

OSPFv3では,ネットワークのトポロジを構築するに当たって,ルータの識別にルータIDを使用します。

ネットワークの設計時に異なるルータに同じ値のルータIDを設定した場合,正確な経路選択ができなくなります。そのためネットワーク設計時には,各ルータに重複しないルータIDを割り当ててください。

なお,1台のルータが複数のOSPFv3ドメインに接続している場合,すべてのドメインで同一のルータIDを使用しても問題ありません。

(2) 経路の再配布フィルタと学習フィルタの注意事項

OSPFv3では,隣接ルータから学習したすべてのLSAは,ほかの隣接ルータへ広告します。

再配布フィルタによって,OSPFv3で学習した経路の同一ドメイン内での広告を抑止することはできません。また,経路集約機能(ipv6 summary-addressコマンド)を使用してOSPFv3経路を集約する場合,集約元経路の広告を抑止する設定を行っても,同一ドメイン内でのLSA広告は抑止されません。

また,distribute-list inコマンドでは,フィルタ条件に一致するAS外経路の学習を抑止できます。ただし,LSAの学習,広告を制御できません。このため,学習しなかった経路も,OSPFv3で広告されます。

(3) マルチバックボーン機能使用時の注意事項

(a) マルチバックボーン使用についての注意

ネットワークを複数のOSPFv3ドメインに分割して運用した場合,ルーティングループの抑止やコストに基づいた経路選択などのOSPFv3の特長が,OSPFv3ドメイン間の経路の選択や配布によって失われます。新規ネットワーク構築時など,ネットワークを複数のOSPFv3ドメインに分割して運用する必要がない場合は,単一のOSPFv3ネットワークとして構築することをお勧めします。

(b) 複数ドメインの設定についての注意

装置アドレスを複数のOSPFv3ドメインに広告する必要がある場合は,OSPFv3 AS外経路として広告してください。コンフィグレーションで,一つのインタフェースを同時に複数のOSPFv3ドメインに設定することはできません。

(4) OSPFv3の制限事項

本装置は,RFC2740(OSPF for IPv6)に準拠しています。しかし,ソフトウェアの機能制限によって,次に示す機能はサポートしていません。

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