コンフィグレーションガイド Vol.3

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26.1.1 概要

RIPngはネットワークで接続したルータ間で使用するルーティングプロトコルです。各ルータはRIPngを使用して自ルータから到達できるネットワークとそのネットワークへのホップ数(メトリック)を通知し合うことによって経路情報を生成します。RIPngはバージョン1(RFC2080準拠)をサポートしています。

<この項の構成>
(1) メッセージの種類
(2) 運用時の処理
(3) ルーティングループの抑止処理
(4) RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分

(1) メッセージの種類

RIPngで使用するメッセージの種類にはリクエストとレスポンスの2種類があります。ルータがほかのルータに経路情報を要求する場合にはリクエストを使用し,ほかのルータからのリクエストに応答する場合,および定期的またはトポロジ変化時に自ルータの経路情報をほかのルータに通知する場合にレスポンスを使用します。

(2) 運用時の処理

本装置の立ち上げ時,本装置はリクエストメッセージをすべての隣接ルータに送信し,隣接ルータが持つすべての経路情報を通知するように要求します。運用に入ると,本装置は次の三つの要因でレスポンスを送信します。

各隣接ルータが送信したレスポンスを受信し,経路の変更を検出した場合は自分が持つ経路情報を更新します。レスポンスは隣接ルータとの送信の確認にも使用します。180秒以上レスポンスを応答しないルータに対しては通信不可能と判断し,代替ルートがあるときはルーティングテーブルをその代替ルートに更新します。代替ルートがないときはルートを削除します。

(3) ルーティングループの抑止処理

なお,本装置は中継経路のループを抑止するためにスプリットホライズンを使用します。スプリットホライズンとは,受信した情報を受け取ったインタフェースには送信しない処理のことです。

(4) RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分

RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分を次の表に示します。

表26-1 RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分

機能 RIPng(IPv6) RIP(IPv4)
triggered update
スプリットホライズン
ルートポイズニング
ポイズンリバース × ×
ホールドダウン × ×
ルートタグ
指定ネクストホップの取り込み
平文パスワード認証 ×
暗号認証(Keyed-MD5) ×
既存経路と同じメトリックの経路を異なるゲートウェイから受信したときに,既存経路のエージングタイムがタイマ値の1/2秒以上経過している場合,新しく学習した経路に変更する ×

(凡例) ○:取り扱う ×:取り扱わない


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