コンフィグレーションガイド Vol.3
割り当てられたプレフィックスの管理情報(以降,リース情報と呼ぶ)はIPv6 DHCPリレー内で保持され,経路設定の情報として使用されます。また,リース情報は運用コマンドshow ipv6 dhcp relay bindingで表示して確認できます。
なお,配布プレフィックスの管理はIPv6 DHCP-PDに含まれるPDオプションの監視によって行われます。このため,本オプションを含まないIPv6アドレス配布などのパケットでは,配布情報などの監視や経路自動生成のような機能は動作しません。
- <この項の構成>
- (1) リース情報の変更契機
- (2) リース情報の関連情報の引き継ぎ
- (3) 冗長化構成での情報同期
(1) リース情報の変更契機
リース情報が追加または削除される契機を次の表に示します。
表22-2 リース情報が追加または削除される契機
変更内容 契機 追加 プレフィックス配布中継 削除 プレフィックス解放要求中継※1 プレフィックスリース期間満了 プレフィックスの割り当てが中継された,コンフィグレーションコマンドipv6 dhcp relay destinationで設定したコンフィグレーションの削除※2 運用コマンドcopy <file> running-configの実行※3 運用コマンドclear ipv6 dhcp relay bindingによる削除
- 注※1
- プレフィックスが配布されたときと異なるインタフェースからの解放要求を受信した場合は,リース情報は削除されません。なお,解放要求は中継されます。
- 注※2
- 該当のipv6 dhcp relay destinationコマンドの設定に従って中継したプレフィックスの,リース情報が削除されます。
- 注※3
- すべてのリース情報が削除されます。
(2) リース情報の関連情報の引き継ぎ
リース情報の関連情報の引き継ぎ状況を次の表に示します。なお,リース情報を基に作成される関連情報には経路自動生成情報があります。
表22-3 リース情報の関連情報の引き継ぎ状況
リース情報の関連情報 IPv6リレー再起動 本装置の再起動※1 冗長化構成時の系切替 経路自動生成情報 ○※2※3 × ○※4 (凡例)○:保証される ×:削除される
- 注※1
- 冗長化構成時,運用系と待機系がどちらも再起動した場合は,本装置の再起動と同等となります。
- 注※2
- IPv6 DHCPリレープログラム再起動中に次のどちらかの操作をすると,リース情報が不正になるおそれがあります。不正となった場合,該当するリース情報は削除されます。
- ・コンフィグレーションコマンドipv6 dhcp relay destinationの設定を削除
- ・運用コマンドcopy <file> running-configを実行
- 注※3
- 運用コマンドrestart ipv6-dhcp relayでcore-fileパラメータを指定した場合,情報の引き継ぎは保証されません。
- 注※4
- 冗長化構成時,運用系または待機系の起動から30秒以内に系切替が発生した場合,リース情報は同期が取れた情報しか引き継がれません。また,運用系と待機系でIPv6 DHCPパケットの転送先が一致しない場合,新運用系に存在しない転送先で中継されたリース情報も削除されます。
(3) 冗長化構成での情報同期
冗長化構成時,IPv6 DHCPリレーではリース情報を運用系と待機系でそれぞれ保有して,常に同期をとります。運用系でリース情報を変更した場合,運用系は待機系に変更内容を通知して情報を同期します。このため,系切替が発生しても,新運用系は旧運用系と同等のリース情報を使用して運用を開始できます。
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