コンフィグレーションガイド Vol.3

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16.1.3 IPv4マルチキャストエクストラネット

<この項の構成>
(1) VRF間経路フィルタリング

(1) VRF間経路フィルタリング

VRF間で導入する経路をフィルタできます。フィルタした結果,導入しないことになった経路はIPv4マルチキャスト経路情報を生成しません。

(a) フィルタの適用方法

上流側VRFに設定します。中継先VRFからの経路通知に対して,許可するグループアドレスをコンフィグレーションコマンドimport multicast inter-vrfの設定に従ってフィルタします。フィルタした結果がpermitである場合,経路をIPv4マルチキャスト経路情報に導入します。適用するフィルタがない場合,経路を導入しません。

IPv4マルチキャストVRF間経路フィルタリングに使うコンフィグレーションコマンドを次の表に示します。

表16-2 IPv4マルチキャストVRF間経路フィルタリングのコンフィグレーションコマンド

コマンド名 フィルタ対象経路
import multicast inter-vrf route-mapに指定されたVRFからの中継要求がフィルタリング対象になります。

IPv4マルチキャストエクストラネットでのroute-mapのフィルタ条件を次の表に示します。これ以外の条件は無視します。

表16-3 IPv4マルチキャストエクストラネットでのroute-mapのフィルタ条件

条件となる経路属性 説明 コンフィグレーションコマンド
宛先IPv4マルチキャストグループアドレス access-listの識別子を条件として指定し,指定したフィルタで宛先のIPv4マルチキャストグループアドレスをフィルタします。
フィルタの動作がpermitの場合,一致したとみなします。
本条件を設定しない場合,すべてのIPv4マルチキャストグループアドレスが許可対象になります。
match ip address
ip access-list standard
VRF ID VRF IDを条件として指定し,経路のVRF IDと比較します。これで指定したVRFからの中継要求を許可します。
本コマンドを設定したVRFと同じIDを指定した場合,そのIDだけ無視します。これによって,複数のVRFをグループ化して共通のroute-mapを使用できます。
本条件を設定しない場合,すべてのVRFからの中継要求を許可します。
match vrf

(b) VRF間経路の設定

VRF間経路フィルタを指定します。フィルタ条件に従って,他VRFまたはグローバルネットワークから中継要求のあった経路を自VRFのIPv4マルチキャスト経路情報に導入します。導入した経路は導入先IPv4マルチキャスト経路情報の中継先インタフェースに追加されます。IPv4マルチキャストVRF間経路フィルタにコンフィグレーションコマンドmatch vrfを指定した場合,中継要求元のVRF IDと条件比較します。match vrfコマンドを指定しない場合,他VRFまたはグローバルネットワークすべてでフィルタ条件は同じになります。

(c) プロトコルでのVRF間経路の広告

VRFに経路フィルタを設定すると,他VRFまたはグローバルネットワークからの中継要求を許可できます。他VRFまたはグローバルネットワークから中継要求を受けてフィルタした結果許可された場合,IPv4マルチキャスト経路情報を生成して,上流ルータがあれば上流ルータに中継要求を送信します。

他VRFまたはグローバルネットワークが自VRFに中継要求を送信するためには,ユニキャストエクストラネットで,中継要求元となるVRFに送信元IPアドレスへの経路を自VRFとなるように設定します。

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