コンフィグレーションガイド Vol.3
本装置は,各プロトコルで学習した同じ宛先への経路情報をそれぞれ独立した経路選択手順に従って一つの最良の経路を選択します。同じ宛先への経路情報が各プロトコルで生成されることによって複数存在する場合,それぞれの経路情報のディスタンス値が比較されて優先度の最も高い経路情報が有効になります。
RIPでは,自プロトコルを使用し学習した同じ宛先への広告元の異なる複数の経路情報から,経路選択の優先順位に従って一つの最良の経路を選択します。経路選択の優先順位を次の表に示します。
表9-2 経路選択の優先順位
優先順位 内容 高
↑
↓
低メトリック値が最も小さい経路を選択します。 エージングタイムがタイマ値の1/2秒以内の経路を選択します(メトリック値が同じ場合)。 ネクストホップアドレスが最も小さい経路を選択します。 経路情報に含まれるネクストホップアドレスと経路情報の送信元ゲートウェイアドレスが一致する経路を選択します。※ そのほかの場合,新しく学習した経路を無視します。 注※ この条件は,同一ネットワーク内にある異なる隣接装置から,経路情報に含まれるネクストホップアドレスが同一となる経路情報を学習する場合に適用されます。
その後,同じ宛先への経路情報が各プロトコル(OSPF,BGP4,スタティック)で学習した経路によって複数存在する場合は,それぞれの経路情報のディスタンス値が比較され,優先度の最も高い経路情報をルーティングテーブルに設定します。
- <この項の構成>
- (1) 第2優先経路の生成
(1) 第2優先経路の生成
コンフィグレーションコマンドgenerate-secondary-routeを指定することによって,異なる隣接装置から学習した同一宛先への経路情報を二つ(第1優先経路と第2優先経路)まで生成します。第2優先経路を生成する条件を次の表に示します。
表9-3 第2優先経路の生成条件
条件 第2優先経路の生成 コンフィグレーションコマンド
generate-secondary-routeの指定ディスタンス値 × − 生成しない ○ 第1優先経路と第2優先経路の値が異なる 生成しない ○ 第1優先経路と第2優先経路の値が同じ 生成する (凡例) ○:コンフィグレーションあり ×:コンフィグレーションなし −:該当なし
第2優先経路の生成を指定した場合,次の表に従って同じ宛先への経路情報の優先度を決定します。
表9-4 第2優先経路の登録を指定した場合の経路選択の優先順位
優先順位 内容 高
↑
↓
低メトリック値が小さい経路を選択します。 エージングタイムがタイマ値の1/2秒以内の経路を選択します(メトリック値が同じ場合)。 ネクストホップアドレスが小さい経路を選択します。※1 経路情報に含まれるネクストホップアドレスと経路情報の送信元ゲートウェイアドレスが一致する経路を選択します。※2 今まで第1優先であった経路を選択します。 そのほかの場合,新しく学習した経路を無視します。
- 注
- ネクストホップアドレスが同じ場合は第1優先経路だけ生成します。
- 注※1
- 第2優先経路が登録されている状態で新経路を学習した場合,この条件は適用されません。
- 注※2
- この条件は,同一ネットワーク内にある異なる隣接装置から,経路情報に含まれるネクストホップアドレスが同一となる経路情報を学習する場合に適用されます。
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