コンフィグレーションガイド Vol.2
- 対象フレームの設定
本装置では,ブロードキャストフレーム,マルチキャストフレーム,ユニキャストフラッディングフレームの3種類のフレームを,ストームコントロールの対象とするかどうかを設定できます。例えば,IPマルチキャスト通信を使う場合,ブロードキャストフレームとユニキャストフラッディングフレームだけをストームコントロールの対象とすることができます。
- ブロードキャストフレームの抑制
ブロードキャストストームを防止するためには,イーサネットインタフェースで受信するブロードキャストフレームの帯域を閾値として設定します。ブロードキャストフレームには,ARPパケットなど通信に必要なフレームも含まれるので,閾値には通常使用するフレームの帯域を考慮して余裕のある値を設定します。
- マルチキャストフレームの抑制
マルチキャストストームを防止するためには,イーサネットインタフェースで受信するマルチキャストフレームの帯域を閾値として設定します。マルチキャストフレームには,IPv4マルチキャストパケット,IPv6マルチキャストパケット,OSPFパケットなどの制御パケットなど通信に必要なフレームも含まれるので,閾値には通常使用するフレームの帯域を考慮して余裕のある値を設定します。
- ユニキャストストームの抑制
ユニキャストストームを防止するためには,イーサネットインタフェースで受信するユニキャストフラッディングフレームの帯域を閾値として設定します。閾値には通常使用するフレームの帯域を考慮して余裕のある値を設定します。
- ストーム検出時の動作
ストームを検出したときの本装置の動作を設定します。ポートの閉塞,プライベートのSNMP通知の送信,ログメッセージの出力を,ポートごとに組み合わせて選択できます。
- ポートの閉塞
ストームを検出したとき,そのポートをinactive状態にします。ストームが回復したあと,再びそのポートをactive状態に戻すには,activateコマンドを使用します。なお,リンクアグリゲーションでは,該当チャネルグループ内のすべてのポートをinactive状態にします。
- プライベートのSNMP通知の送信
ストームを検出したときおよびストームの回復を検出したとき,プライベートのSNMP通知を送信して通知します。
- ログメッセージの出力
ストームを検出したときおよびストームの回復を検出したとき,ログメッセージを出力して通知します。ただし,ポートの閉塞時のメッセージは必ず出力します。
- [設定のポイント]
- 設定できるインタフェースはイーサネットインタフェースです。閾値の指定では,受信する最大帯域を指定します。この帯域の計算には,フレーム間ギャップからFCSまでを使用します。
- なお,帯域監視ストームコントロールモードを指定せずにデフォルトで使用するか,upc-storm-control modeコマンドでupc-in-and-storm-controlパラメータを指定する必要があります。
- [コマンドによる設定]
- ブロードキャストおよびユニキャストフレームを監視し,ストーム検出時にポートを閉塞する場合の例を示します。
- (config)# no storm-control multicast
マルチキャストフレームをストームコントロールの対象外に設定します。
- (config)# interface gigabitethernet 1/10
(config-if)# storm-control level 20
ブロードキャストフレームおよびユニキャストフレームの閾値を帯域の20%に設定します。
- (config-if)# storm-control action inactivate
ストームを検出したときに,ポートをinactive状態にします。
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