コンフィグレーションガイド Vol.2
フロー検出で検出したフレームのフレーム長(フレーム間ギャップ※からFCSまで)を基に帯域を監視する機能です。指定した監視帯域内として中継するフレームを「遵守フレーム」,監視帯域以上としてペナルティを科すフレームを「違反フレーム」と呼びます。
- 注※ フレーム間ギャップは,12byteとします。
フロー検出で検出したフレームが監視帯域を遵守しているか,または違反しているかの判定には,水の入った穴の開いたバケツをモデルとする,Leaky Bucketアルゴリズムを用いています。
Leaky Bucketアルゴリズムのモデルを次の図に示します。
図5-4 Leaky Bucketアルゴリズムのモデル
バケツからは監視帯域分の水が流れ,フレーム送受信時にはフレーム間ギャップからFCSまでのサイズの水が注ぎ込まれます。水が注ぎ込まれる際にバケツがあふれていなければ,遵守フレームとして中継されます(上図の左側の例)。水が注ぎ込まれる際にバケツがあふれている場合は,フロー検出で検出したフレームを違反フレームとしてペナルティを科します(上図の右側の例)。水が一時的に大量に注ぎこまれたときに許容できる量,すなわちバケツの深さがバーストサイズに対応します。
バーストサイズのデフォルトは3000byteですが,より帯域の揺らぎが大きいトラフィックの遵守パケットを中継する際には,バーストサイズを大きく設定し使用してください。
なお,バーストサイズは,フロー検出で検出されたフレームのフレーム長より大きな値を指定してください。バーストサイズが注入されるフレーム長より小さい値を指定した場合は,設定した帯域以下で違反となる場合があります。
本機能は,最低帯域監視と最大帯域制御から成ります。最低帯域監視は,違反フレームに対してマーカーや優先度決定によって優先度やDSCPを書き換え,ペナルティを科します。最大帯域制御は違反フレームを廃棄します。最低帯域監視と最大帯域制御で使用できるペナルティの種類を次の表に示します。
表5-8 最低帯域監視と最大帯域制御で使用できるペナルティの種類
違反フレームに対するペナルティ 帯域監視種別 最低帯域監視 最大帯域制御 廃棄 − ○ キューイング優先度変更 ○ − DSCP書き換え ○ − ユーザ優先度書き換え ○ − (凡例)○:使用可能なペナルティ −:使用不可能なペナルティ
本機能と,マーカー,優先度決定を同時に実施することができますが,最低帯域監視に違反したフレームは,違反フレームに対するペナルティを優先します。
All Rights Reserved, Copyright(C), 2006, 2018, ALAXALA Networks, Corp.