コンフィグレーションガイド Vol.2

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4.1 QoS制御構造

ネットワークを利用したサービスの多様化に伴い,通信品質を保証しないベストエフォート型のトラフィックに加え,実時間型・帯域保証型のトラフィックが増加しています。本装置のQoS制御を使用することによって,トラフィック種別に応じた通信品質を提供できます。

本装置のQoS制御は,回線の帯域やキューのバッファ容量などの限られたネットワーク資源を有効に使用できます。アプリケーションごとに要求されるさまざまな通信品質を満たすために,QoS制御を使用しネットワーク資源を適切に分配します。

本装置のQoS制御の機能ブロックを次の図に示します。

図4-1 本装置のQoS制御の機能ブロック

[図データ]

図に示したQoS制御の各機能ブロックの概要を次の表に示します。

表4-1 QoS制御の各機能ブロックの概要

機能部位 機能概要
受信処理部 フレーム受信 フレームを受信し,MACアドレステーブル検索やルーティングテーブル検索を実施します。
フロー制御部 フロー検出 MACヘッダやプロトコル種別,IPアドレス,ポート番号などの条件に一致するフローを検出します。
帯域監視 フローごとに帯域を監視して,帯域を超えたフローに対してペナルティを与えます。
マーカー IPヘッダ内のDSCPやVLAN Tagのユーザ優先度を書き換える機能です。
優先度決定 フローに対する優先度や,廃棄されやすさを示すキューイング優先度を決定します。
送信制御部 廃棄制御 パケットの優先度とキューの状態に応じて,該当フレームをキューイングするか廃棄するかを制御します。
シェーパ 各キューからのフレームの出力順序および各ポートの出力帯域を制御します。
送信処理部 フレーム送信 シェーパによって制御されたフレームを送信します。

本装置のQoS制御は,フロー制御によって決定します。

フロー制御は,優先度決定のほかに帯域監視やマーカーを実施できます。フロー検出で検出したフローに対して,帯域監視,マーカー,優先度決定の各機能は同時に動作できます。

送信制御は,フロー制御によって決定した優先度に基づいて,廃棄制御やシェーパを実施します。

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