メッセージ・ログレファレンス
OSPFv3の運用メッセージ・運用ログを次の表に示します。
表2-7 OSPFv3の運用メッセージ・運用ログ(ログ種別:RTM)
項番 メッセージテキスト 内容 1 OSPF6 SENT <Source_Address> (<Interface_Name>) -> <Destination_Address>: <Error_String> ワーニング(自装置) OSPFv3パケットの送信に失敗しました。
[対応]
頻発する場合は,エラー要因を調査してください。<Source_Address>:送信元IPv6アドレス
<Interface_Name>:インタフェース名称
<Destination_Address>:宛先IPv6アドレス
<Error_String>:エラー要因2 OSPF6:
OSPF6_ASE import filter ignored on non AS boundary router at Domain <Domain_ID>.ワーニング(自装置) AS境界ルータではないため,インポートフィルタを無視します。
[対応]
空のエキスポートフィルタ(OSPF6ASE)をコンフィグレーションに定義してください。<Domain_ID>:インポートフィルタ適用対象OSPFv3のDomain_ID 3 OSPF6:
Graceful restart failed (in domain <DomainID>) because adjacency <RouterID> doesn't help me.ワーニング(相手装置/ネットワーク) 隣接ルータがヘルパールータとして動作していないため,グレースフル・リスタートに失敗しました。
[対応]
隣接ルータのグレースフル・リスタートの定義を修正してください。<Domain_ID>:OSPFv3のDomain ID
<Router_ID>:隣接ルータのルータID4 OSPF6:
Graceful restart failed (in domain <DomainID>) because adjacency <RouterID> gives up me.ワーニング(相手装置/ネットワーク) 隣接ルータがヘルパールータの動作を停止したため,グレースフル・リスタートに失敗しました。
[対応]
頻発する場合は,隣接ルータのOSPF状態とヘルパー停止要因を調査してください。<Domain_ID>:OSPFv3のDomain ID
<Router_ID>:隣接ルータのルータID5 OSPF6:
Graceful restart failed (in domain <DomainID>) because restart time is up.ワーニング(自装置) リスタート時間内に再起動前の全隣接ルータと再接続・LSA同期ができなかったため,グレースフル・リスタートに失敗しました。
[対応]
リスタート時間の定義を修正してください。<Domain_ID>:OSPFv3のDomain ID 6 OSPF6:
Graceful restart finished successfully (in domain <DomainID>).情報(自装置) グレースフル・リスタートに成功しました。
[対応]
なし。<Domain_ID>:OSPFv3のDomain ID 7 OSPF6:
Helper to adjacency <RouterID> failed because network topology is changed.ワーニング(自装置/ネットワーク) トポロジー変更のため,ヘルパールータの動作を停止しました。
[対応]
特に対処の必要はありません。<Router_ID>:隣接ルータのルータID 8 OSPF6:
Helper to adjacency <RouterID> failed because restart time is up.ワーニング(相手装置) リスタート待ち時間が経過したため,ヘルパールータの動作を停止しました。
[対応]
隣接ルータがリスタート動作を停止していないか確認してください。停止していない場合,隣接ルータのリスタート時間を調整してください。<Router_ID>:隣接ルータのルータID 9 OSPF6:
Interface <Interface_Name> ignored, because configured in two areas or two domainsワーニング(自装置) 同一インタフェースが複数のエリア,または複数のドメインに対し定義されています。
[対応]
コンフィグレーションを調査してください。<Interface_Name>:インタフェース名称 10 OSPF6 RECV [Area <Area ID>]
RouterID <Source_ID> [(<Interface_Name>)] -> <Destination_Address>: <Log_Type>ワーニング(自装置/相手装置) 受信したOSPFv3パケットが不正です。
ただし,OSPFv3インタフェースとして定義していないブロードキャスト型インタフェースから受信したマルチキャストパケットは,ログ採取せずに廃棄します。
[対応]
ログ種別によって,対応が異なります。
- IP: received my own packet
- bad packet type
- bad version
- bad checksum
- packet too small
- packet size > ip length
隣接ルータが不正なパケットを送信しています。隣接ルータのユニキャストルーティングプログラム(OSPFv3)を調査してください。
- unknown neighbor
Helloで認識していない隣接ルータから,Hello以外のパケットを受信していますが対応不要です。
- area mismatch
- bad virtual link
新規の隣接ルータからパケットを受信している場合,エリアの設定を修正してください。それ以外は対応不要です。
- interface down
特に対処の必要はありません。
- HELLO: hello timer mismatch
- HELLO: dead timer mismatch
OSPFv3インタフェースの定義を修正してください。
- HELLO: extern option mismatch
- DD: extern option mismatch
スタブエリアの定義を修正してください。
- HELLO: router id confusion
- DD: router id confusion
ルータIDの定義を修正してください。
- DD: MTU mismatch
隣接ルータとMTU長が不一致であるため,経路情報の交換に失敗する場合があります。MTU長を合わせてください。
- LS ACK: Unknown LSA type
- LS REQ: empty request
- LS REQ: bad request
- LS UPD: LSA checksum bad
- LS UPD: Unknown LSA type
隣接ルータが不正なパケットを送信しています。隣接ルータのユニキャストルーティングプログラム(OSPFv3)を調査してください。
<Area ID>:エリアID
<Source_ID>:送信元ルータID
<Interface_Name>:インタフェース名称
<Destination_Address>:宛先IPv6アドレス
<Log_Type>:ログ種別
- IP: received my own packet
- bad packet type
- bad version
- bad checksum
- packet too small
- packet size > ip length
- unknown neighbor
- area mismatch
- bad virtual link
- interface down
- HELLO: hello timer mismatch
- HELLO: dead timer mismatch
- HELLO: extern option mismatch
- DD: extern option mismatch
- HELLO: router id confusion
- DD: router id confusion
- DD: MTU mismatch
- LS ACK: Unknown LSA type
- LS REQ: empty request
- LS REQ: bad request
- LS UPD: LSA checksum bad
- LS UPD: Unknown LSA type
11 OSPF6:
Conflict between LSDB <LSID> and route <Prefix> /<Prefixlen> - Export to OSPFASE Bypassed.エラー(自装置) LSDB<LSID>と経路間で矛盾があります。ユニキャストルーティングプログラムを自動的に再起動します。
[対応]
ログ「rtm aborted」の対応に従って処置してください。<LSID>:LSAのLSID
<Prefix>:経路情報の宛先アドレス
<Prefixlen>:経路情報のプレフィックス長12 OSPF6:
Lost adjacency <Router_ID> with interfaceID <ID> (<Interface_Name>) because no Hello received recently.ワーニング(相手装置/ネットワーク) 隣接ルータから定期的に送信されるはずのHelloパケットを一定時間受信しなかったため,隣接関係を打ち切りました。隣接ルータが動作を停止した場合,または本装置−隣接ルータ間の通信に不具合がある場合に発生します。
[対応]
頻発する場合,Helloパケット送信間隔(hellointerval)を短くし,Helloパケット最大許容受信間隔(routerdeadinterval)を長くしてください。<Router_ID>:隣接ルータのルータID
<ID>:隣接ルータのインタフェースID
<Interface_Name>:インタフェース名称13 OSPF6:
Lost adjacency <Router_ID> with interfaceID <ID> (<Interface_Name>) because neighbor didn't receive my Hello recently.ワーニング(相手装置/ネットワーク) 隣接ルータが本装置を認識しなくなったため,隣接関係を打ち切りました。隣接ルータが再起動した場合,および本装置が送信したHelloパケットを隣接ルータが適切に受信していない場合に発生します。
[対応]
頻発する場合Helloパケット送信間隔(hellointerval),Helloパケット最大許容受信間隔(routerdeadinterval)を長くしてください。<Router_ID>:隣接ルータのルータID
<ID>:隣接ルータのインタフェースID
<Interface_Name>:インタフェース名称14 OSPF6:
Lost adjacency <Router_ID1> with interfaceID <ID> (<Interface_Name>) due to bad LS Request (<LSID> <Router_ID2> <LS_Type>).エラー(相手装置) 不正なLSリクエストによって隣接ルータを失いました。
[対応]
隣接ルータのユニキャストルーティングプログラム(OSPFv3)を調査してください。<Router_ID1>:隣接ルータのルータID
<ID>:隣接ルータのインタフェースID
<Interface_Name>:インタフェース名称
<LSID>:LSAのLSID
<Router_ID2>:LSAの広告ルータID
<LS_Type>:LSAのLSタイプコード15 OSPF6:
Lost adjacency <Router ID> with interfaceID <ID> (<Interface_Name>) due to sequence mismatch (<Sequence1> versus <Sequence2>)ワーニング(自装置/相手装置) シーケンス(またはオプション)の不一致によって隣接ルータを失いました。
[対応]
頻発する場合はOSPFv3パケット再送間隔(retransmitinterval)を長くしてください。<Router_ID>:隣接ルータのルータID
<ID>:隣接ルータのインタフェースID
<Interface_Name>:インタフェース名称
<Sequence1>:制御データ上のシーケンス番号
<Sequence2>:DDメッセージ内のシーケンス番号16 OSPF6:
Adjacency <Router ID> interface <Interface Name> is established.情報(自装置/相手装置) OSPFv3の隣接ルータとの接続に成功しました。
[対応]
なし。<Router ID>:隣接ルータのルータID
<Interface Name>:インタフェース名称17 OSPF6:
Checksum failed at LSA type <LS_Type> ID <LSID> adv-router <Router_ID> in this system's LSDB that belongs to Area <Area_ID>, Domain <Domain_ID>.エラー(自装置) LSDBのチェックサムが不正です。ユニキャストルーティングプログラムを自動的に再起動します。
[対応]
ログ「rtm aborted」の対応に従い,処置してください。<LS_Type>:LSAのLSタイプコード
<LSID>:LSAのLSID
<Router_ID>:LSAの広告ルータID
<Area ID>:LSAのエリアID
<Domain_ID>:LSAのDomain_ID18 OSPF6:
Recovered from stub router (in domain <Domain_ID>).情報(自装置) スタブルータ動作を終了します。
[対応]
なし。<Domain_ID>:OSPFv3のDomain_ID
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