運用ガイド

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9.4.1 障害が発生したボードの交換(電源ONしたまま)

ここではAX5400SのBCU,BSU,NIFで障害が発生して,ボードの交換が必要なときの手順を記載しています。交換対象となるボードに応じて,次に記載してある説明を参照してください。なお,各ボードの搭載位置に関する説明およびLEDに関する説明は「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 運用中なので電源ONしたまま,待機系BCUを交換したい
(2) 運用中なので電源ONしたまま,運用系BSUを交換したい
(3) 運用中なので電源ONしたまま,待機系BSUを交換したい
(4) 運用中なので電源ONしたまま,NIFを交換したい

(1) 運用中なので電源ONしたまま,待機系BCUを交換したい

電源ONしたまま待機系BCUを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-22 待機系BCU交換手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)待機系BCUの切り離し
まず,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行して,待機系BCUの運用状態を確認してください。
 
> show system[Enter]
 
コマンド実行結果を次の図に示します(次の図では「BCU0」が運用系,「BCU1」が待機系となっています)。

図9-23 show systemコマンド実行結果

[図データ]

<待機系BCUが障害になっている場合>
待機系BCUが障害になっている場合,待機系BCUの状態が「Fault」になっています。この場合,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示す待機系BCUを閉塞状態にするclose standbyコマンドを実行してください。また,コマンドを実行するかわりに待機系BCUのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
> close standby[Enter]
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”standby”を選択
 
本操作実行後,(手順2)に従って待機系BCUを取り外してください。

<待機系BCUが障害になっていない場合>
障害の発生したBCUが再立ち上げに成功した場合,待機系BCUの状態が「Standby」になっています。この場合にも,再発防止の観点からBCUボードを交換することをお勧めします。

(手順2)待機系BCUの取り外し
待機系BCUの取り外し手順を次の図に示します。

図9-24 待機系BCU取り外し手順

[図データ]

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)待機系BCUの取り付け

<交換対象が待機系BCUの場合>
待機系BCUの取り付け手順を次の図に示します。なお,待機系BCUの取り付け手順は,(手順2)で説明した取り外し手順とは一部順序が異なっているで注意してください。

図9-25 待機系BCU取り付け手順

[図データ]

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)待機系BCUの運用開始
待機系BCUを交換しただけでは,待機系BCUは運用状態(正常な二重化運用)になりません。(手順3)終了後,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示す待機系BCUを運用状態にするfree standbyコマンドの実行が必要です。また,コマンドを実行するかわりに待機系BCUのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
> free standby[Enter]
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”standby”を選択
 
本操作実行後,待機系BCUの運用状態が「Standby」になっていることを確認してください。待機系BCUの運用状態の確認方法は,運用系に接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行してください。
 
> show system[Enter]
 
show systemコマンド実行結果を次の図に示します。

図9-26 show systemコマンド実行結果

[図データ]

〔交換後の注意事項〕
スロット0,スロット1両方のMCスロットにMCを実装している場合,BCU交換後の初期状態ではスロット0のMCを優先して起動するように設定されています。このため,待機系BCU交換前にset modeコマンドによりスロット1のMCを優先して起動する設定で運用していて,待機系BCU交換後も同様にスロット1のMCを優先して起動したい場合は,運用系BCUに接続した運用端末から,装置管理者モードに移行したあと,次に示すset modeコマンドで再度設定してください。
 
# set mode standby slot1 reload [Enter]
 
待機系BCU起動時の優先MCスロットの設定後,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すreloadコマンドにより,待機系BCUを再起動してください。なお,本コマンドは,装置管理者モードでなくても実行できます。
 
> reload dump-image -f standby [Enter]
 
待機系BCU再起動後,待機系BCUの運用状態が「Standby」になっていることを確認してください。待機系BCUの運用状態の確認方法は,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行してください。show systemコマンドの実行結果は,「図9-26 show systemコマンド実行結果」を参照してください。
 
> show system[Enter]
 

(2) 運用中なので電源ONしたまま,運用系BSUを交換したい

電源ONしたまま運用系BSUを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-27 BSUボード取り外し手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)BSUボードの運用停止
撤去するBSUの運用を停止します。次に示すclose bsuコマンドを運用端末から実行します。このとき,NIFは運用中であっても停止します。また,コマンドを実行する代わりに運用系BSUのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
close [-f] bsu[Enter]
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒BSUを選択

(手順2)BSUボードの取り外し
対象となるBSUボードのSTATUS LED表示が消灯していることを確認したあと,BSUボードを取り外してください。詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)BSUボードの取り付け
空きスロットにBSUボードを取り付けます。詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)BSUボードの運用開始
取り付けたBSUボードの運用を開始します。次に示すfree bsuコマンドを運用端末から実行します。また,コマンドを実行する代わりに取り付けたBSUのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
free bsu [Enter]
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒BSUを選択

(3) 運用中なので電源ONしたまま,待機系BSUを交換したい

電源ONしたまま待機系BSUを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-28 待機系BSU交換手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)待機系BSUの切り離し
まず,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行して,待機系BCUの運用状態を確認してください。
 
> show system[Enter]
 
コマンド実行結果を次の図に示します(次の図では「BSU0」が運用系,「BSU1」が待機系となっています)。

図9-29 show systemコマンド実行結果

[図データ]

<待機系BSUが障害になっている場合>
待機系BSUが障害になっている場合,待機系BSUの状態が「Fault」になっています。この場合,運用系BSUに接続した運用端末から,次に示す待機系BSUを閉塞状態にするclose standbyコマンドを実行してください。また,コマンドを実行する代わりに待機系BSUのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
> close standby[Enter]
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”standby”を選択
 
本操作実行後,(手順2)に従って待機系BSUを取り外してください。

<待機系BSUが障害になっていない場合>
障害の発生したBSUが再立ち上げに成功した場合,待機系BSUの状態が「Standby」になっています。この場合にも,再発防止の観点からBSUボードを交換することをお勧めします。

(手順2)待機系BSUの取り外し
対象となるBSUボードのSTATUS LED表示が消灯していることを確認した後,BSUボードを取り外してください。詳細は「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)待機系BSUの取り付け
空きスロットにBSUボードを取り付けます。詳細は「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)待機系BSUの運用開始
待機系BSUを交換しただけでは,待機系BSUは運用状態(正常な二重化運用)になりません。(手順3)終了後,運用系BCUに接続した運用端末から,次に示す待機系BCU/BSUを運用状態にするfree standbyコマンドの実行が必要です。また,コマンドを実行する代わりに取り付けたBSUのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
> free standby[Enter]
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”standby”を選択
 
本操作実行後,待機系BSUの運用状態が「Standby」になっていることを確認してください。待機系BCUの運用状態の確認方法は,運用系に接続した運用端末から,次に示すshow systemコマンドを実行してください。
 
> show system[Enter]
 
show systemコマンド実行結果を次の図に示します。

図9-30 show systemコマンド実行結果

[図データ]

(4) 運用中なので電源ONしたまま,NIFを交換したい

電源ONしたままNIFを交換する概略手順を次の図に示します。

図9-31 NIFボード取り外し手順

[図データ]

次に各手順の詳細を記載します。

(手順1)NIFボードの運用停止
取り外すNIFボードの運用を停止します。次に示すclose nifコマンドを運用端末から実行します。また,コマンドを実行する代わりに交換するNIFのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
close [-f] nif <NIF No.>[Enter] ( NIF No.:対象となるNIF番号)
 
システム操作パネルから運用停止させることもできます。この場合,次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”CLOSE”⇒”NIFxx” (xx : 対象となるNIF番号)を選択

(手順2)NIFボードの取り外し
対象となるNIFボードのSTATUS LED表示が消灯していることを確認したあと,NIFボードを取り外してください。取り外し方法の詳細は,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順3)NIFボードの取り付け
NIFの空きスロットにNIFボードを挿入します。挿入方法の詳細については,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

〔注意事項〕
感電する恐れがあります。電源をONしたままでのボードの取り外し/取り付け作業は,教育を受けた技術者または保守員にご依頼ください。

(手順4)NIFボードの運用開始
取り付けたNIFボードを運用状態にします。次に示すfree nifコマンドを運用端末から実行します。また,コマンドを実行する代わりに取り付けたNIFのclose/freeボタンを押下することにより,同様の状態になります。
 
free nif <NIF No.>[Enter]   ( NIF No.:対象となるNIF番号)
 
システム操作パネルから運用開始させることもできます。次のとおり操作してください。
 
<Main Menu>→”Action”⇒<ACTION>→”FREE”⇒”NIFxx” (xx : 対象となるNIF番号)を選択

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