解説書 Vol.2

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5.4.2 上流ネットワーク障害時の切り替え

上流ネットワーク側はGSRPの制御対象から外しIPルーティングを設定します。レイヤ3冗長切替機能を使用する場合,上流ネットワーク側の障害はIPルーティング機能によって検出して経路を切り替えます。

上流ネットワーク側は,2台のGSRPスイッチがどちらも上流ネットワークへ接続し,また一方のポートなどに障害が発生した場合はもう一方のGSRPスイッチを経由して通信を継続できるようGSRPスイッチ間の通信経路も確保します。

上流ネットワークの障害に対応した設定の概要と,障害時の通信経路の例を,次の図に示します。

図5-10 上流ネットワークの障害に対応した設定

[図データ]

図5-11 上流ネットワークの障害発生時の通信経路

[図データ]

<この項の構成>
(1) 上流ネットワーク側のポートの設定
(2) GSRPスイッチ間の設定

(1) 上流ネットワーク側のポートの設定

上流ネットワーク側のポートはGSRP制御対象外ポート(コンフィグレーションコマンドgsrp-exception-port)として設定し,マスタ/バックアップどちらの状態においても通信可能なポートとします。そこにIPアドレスおよびIPルーティングを設定することで上流ネットワークと接続します。

IPルーティングは,2台のGSRPスイッチがどちらも上流ネットワークと通信できるよう設定します。また,上流ネットワーク向けの障害が検出できるよう,ダイナミックルーティングもしくはスタティックルーティングの動的監視機能を設定します。

(2) GSRPスイッチ間の設定

上流ネットワークとは2台のGSRPスイッチ両方を通信可能な状態とするため,バックアップ側のGSRPスイッチに上流ネットワークからパケットが届く場合があります。そのようなパケットをマスタ側のGSRPスイッチに中継するために,GSRPスイッチ間にレイヤ3での通信経路を設定します。

GSRPスイッチ間はダイレクトリンクを接続しGSRP管理VLAN上でGSRP Advertiseフレームのやりとりをします。このダイレクトリンク上にGSRP管理VLAN以外のVLANと IPルーティングを設定することで,GSRPスイッチ間の中継ができます。ただし,下流からのトラフィックを直接上流ネットワークに中継するために,GSRPスイッチ間を中継する経路は優先度の低い経路となるようIPルーティングを設定してください。

なお,このような上流ネットワークの設定を含めたレイヤ3冗長切替機能の設定例は,「コンフィグレーションガイド 16.1 GSRP」を参照してください。

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