コンフィグレーションガイド Vol.1


20.8.1 機能一覧

1000BASE-Xの光ファイバを使用したインタフェースについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 接続インタフェース

(a) 1000BASE-X

1000BASE-SX,1000BASE-LX,1000BASE-LH,1000BASE-LHBおよび1000BASE-BXをサポートしています。回線速度は1000Mbit/s全二重固定です。

1000BASE-SX:

短距離間を接続するために使用します。

(マルチモード,最大550m)

1000BASE-LX:

中距離間を接続するために使用します。

(シングルモード,最大5km/マルチモード,最大550m)

1000BASE-LH,1000BASE-LHB:

長距離間を接続するために使用します。

1000BASE-LH(シングルモード,最大70km)

1000BASE-LHB(シングルモード,最大100km)

1000BASE-BX:

送受信で波長の異なる光を使用することで,1芯の光ファイバを使い,光ファイバのコストを抑えることができます。

送受信で異なる波長の光を使用するため,アップ側とダウン側で1対となるトランシーバを使用します。

本装置では,IEEE802.3ahで規定されている1000BASE-BX10-D/1000BASE-BX10-Uと,独自規格の1000BASE-BX40-D/1000BASE-BX40-Uをサポートします。

1000BASE-BX10-D/1000BASE-BX10-U:

中距離間を接続するために使用します。

(シングルモード,最大10km)

1000BASE-BX40-D/1000BASE-BX40-U:

長距離間を接続するために使用します。

(シングルモード,最大40km)

コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションになります。

  • オートネゴシエーション

  • 1000BASE-X全二重固定

(b) 1000BASE-X接続仕様

本装置のコンフィグレーションでの指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を次の表に示します。なお,1000BASE-Xの物理仕様については,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

表20‒16 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様

接続装置側設定

本装置の設定

設定

インタフェース

固定

オートネゴシエーション

1000BASE

全二重

1000BASE

全二重

固定

1000BASE

半二重

×

×

1000BASE

全二重

1000BASE

全二重

×

オートネゴ

シエーション

1000BASE

半二重

×

×

1000BASE

全二重

×

1000BASE

全二重

(凡例) ×:接続できない

(2) オートネゴシエーション

オートネゴシエーションは,全二重モード選択について,対向装置間でやりとりを行い,接続動作を決定する機能です。

本装置での接続仕様を,「表20‒16 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様」に示します。また,本装置では,ネゴシエーションで解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返します。

(3) フローコントロール

フローコントロールは,装置内の受信バッファ枯渇でフレームを廃棄しないように,相手装置にフレームの送信をポーズパケットによって,一時的に停止指示する機能です。自装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。

本装置では,受信バッファの使用状況を監視し,相手装置の送信規制を行う場合,ポーズパケットを送信します。本装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。フローコントロールのコンフィグレーションは,送信と受信でそれぞれ設定でき,有効または無効,およびネゴシエーション結果によって決定したモードを選択できます。本装置と相手装置の設定を送信と受信が一致するように合わせてください。例えば,本装置のポーズパケット送信をon に設定した場合,相手装置のポーズパケット受信は有効に設定してください。本装置と相手装置の設定内容と実行動作モードを「表20‒17 フローコントロールの送信動作」,「表20‒18 フローコントロールの受信動作」および「表20‒19 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」に示します。

表20‒17 フローコントロールの送信動作

本装置のポーズパケット送信

相手装置のポーズパケット受信

フローコントロール動作

on

有効

相手装置が送信規制を行う

off

無効

相手装置が送信規制を行わない

desired

desired

相手装置が送信規制を行う

(凡例)

on:有効。

off:無効。desired と組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒19 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

desired:有効。オートネゴシエーション時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒19 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

表20‒18 フローコントロールの受信動作

本装置のポーズパケット受信

相手装置のポーズパケット送信

フローコントロール動作

on

有効

本装置が送信規制を行う

off

無効

本装置が送信規制を行わない

desired

desired

本装置が送信規制を行う

(凡例)

on:有効。

off:無効。desired と組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒19 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

desired:有効。オートネゴシエーション時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒19 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

表20‒19 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作

本装置

相手装置

本装置のオートネゴシエーション結果

フローコントロール動作

ポーズパケット送信

ポーズパケット受信

ポーズパケット送信

ポーズパケット受信

ポーズパケット送信

ポーズパケット受信

本装置の送信規制

相手装置の送信規制

on

desired

有効

有効

on

on

行う

行う

無効

on

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

無効

有効

on

on

行わない

行う

無効

on

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

desired

有効

on

on

行う

行う

無効

on

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

off

有効

有効

on

on

行う

行う

無効

off

on

行う

行わない

desired

on

on

行う

行う

無効

有効

on

on

行わない

行う

無効

off

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

desired

有効

on

on

行う

行う

無効

off

on

行う

行わない

desired

on

on

行う

行う

desired

on

有効

有効

on

on

行う

行う

無効

off

on

行う

行わない

desired

on

on

行う

行う

無効

有効

on

on

行わない

行う

無効

off

on

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

desired

有効

on

on

行う

行う

無効

off

on

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

off

有効

有効

off

off

行わない

行わない

無効

off

off

行わない

行わない

desired

off

off

行わない

行わない

無効

有効

on

off

行わない

行う

無効

off

off

行わない

行わない

desired

on

off

行わない

行う

desired

有効

off

off

行わない

行わない

無効

off

off

行わない

行わない

desired

off

off

行わない

行わない

desired

有効

有効

on

on

行う

行う

無効

off

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

無効

有効

on

on

行わない

行う

無効

off

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

desired

有効

on

on

行う

行う

無効

off

off

行わない

行わない

desired

on

on

行う

行う

(4) ジャンボフレーム

ジャンボフレームは,MACヘッダのDA〜データが1518オクテットを超えるフレームを中継するための機能です。コンフィグレーションコマンドip mtuのMTU長を合わせて変更することで,IPパケットをフラグメント化するサイズを大きくすることも可能となります。

本装置では,Ethernet V2形式フレームだけをサポートします。802.3形式フレームはサポートしていません。フレームについては,「20.1.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。Taggedフレームについては,「24.1.5 VLAN Tag」のTaggedフレームのフォーマットを参照してください。ジャンボフレームのサポート機能を次の表に示します。

表20‒20 ジャンボフレームサポート機能

項目

フレーム形式

内容

EthernetV2

IEEE802.3

フレーム長

(オクテット)

1519〜9234

×

MACヘッダのDA〜データの長さ。FCSは含みません。

受信機能

×

IEEE802.3フレームは,LENGTHフィールド値が0x05DD(1501オクテット)以上の場合に廃棄します。

送信機能

×

IEEE802.3フレームは送信しません。

(凡例) ○:サポート ×:未サポート

注※ 「20.1.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。

(5) 1000BASE-X接続時の注意事項