20.4.1 機能一覧
- 〈この項の構成〉
(1) 接続インタフェース
(a) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T自動認識(オートネゴシエーション)
10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tでは自動認識機能(オートネゴシエーション)と固定接続機能をサポートしています。
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自動認識…10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T(全二重)
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固定接続…10BASE-T,100BASE-TX
コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションとなります。
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オートネゴシエーション
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100BASE-TX全二重固定
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10BASE-T全二重固定
(b) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T接続仕様
本装置のコンフィグレーションでの指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を次に示します。
10BASE-Tおよび100BASE-TXは,相手装置によってオートネゴシエーションでは接続できない場合がありますので,できるだけ相手装置のインタフェースに合わせた固定設定にしてください。
1000BASE-Tは,オートネゴシエーションによる全二重の接続だけとなります。
10BASE-T(半二重)および100BASE-TX(半二重)での接続はサポートしていません。
(凡例) ×:接続できない −:動作モード未サポート
(凡例) ×:接続できない −:動作モード未サポート
(2) オートネゴシエーション
オートネゴシエーションは,伝送速度および,全二重モード認識について,対向装置間でやりとりを行い,接続動作を決定する機能です。
本装置での接続仕様を,「表20‒5 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様」に示します。また,本装置では,ネゴシエーションで解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返します。
(3) 自動MDIX機能
自動MDIX機能は,MDIとMDI-Xを自動的に切り替える機能です。これによって,クロスケーブルまたはストレートケーブルどちらでも通信できるようになります。オートネゴシエーション時だけサポートします。全二重固定時はMDI-Xとなります。MDI/MDI-Xのピンマッピングを次の表に示します。
- 注1
-
10BASE-Tと100BASE-TXでは,送信(TD)と受信(RD)信号は別々の信号線を使用しています。
- 注2
-
1000BASE-Tでは,8ピンすべてを送信と受信が同時双方向(bi-direction)通信するため,信号名表記が異なります。(BI_Dx:双方向データ信号)
(4) フローコントロール
フローコントロールは,装置内の受信バッファ枯渇でフレームを廃棄しないように,相手装置にフレームの送信をポーズパケットによって,一時的に停止指示する機能です。自装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。
本装置では,受信バッファの使用状況を監視し,相手装置の送信規制を行う場合,ポーズパケットを送信します。本装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。フローコントロールのコンフィグレーションは,送信と受信でそれぞれ設定でき,有効または無効,およびネゴシエーション結果によって決定したモードを選択できます。本装置と相手装置の設定を送信と受信が一致するように合わせてください。例えば,本装置のポーズパケット送信をon に設定した場合,相手装置のポーズパケット受信は有効に設定してください。本装置と相手装置の設定内容と実行動作モードを「表20‒8 フローコントロールの送信動作」,「表20‒9 フローコントロールの受信動作」および「表20‒10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」に示します。
本装置のポーズパケット送信 |
相手装置のポーズパケット受信 |
フローコントロール動作 |
---|---|---|
on |
有効 |
相手装置が送信規制を行う |
off |
無効 |
相手装置が送信規制を行わない |
desired |
desired |
相手装置が送信規制を行う |
- (凡例)
-
on:有効。
off:無効。desired と組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
desired:有効。オートネゴシエーション時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
本装置のポーズパケット受信 |
相手装置のポーズパケット送信 |
フローコントロール動作 |
---|---|---|
on |
有効 |
本装置が送信規制を行う |
off |
無効 |
本装置が送信規制を行わない |
desired |
desired |
本装置が送信規制を行う |
- (凡例)
-
on:有効。
off:無効。desired と組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
desired:有効。オートネゴシエーション時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表20‒10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
本装置 |
相手装置 |
本装置のオートネゴシエーション結果 |
フローコントロール動作 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ポーズパケット送信 |
ポーズパケット受信 |
ポーズパケット送信 |
ポーズパケット受信 |
ポーズパケット送信 |
ポーズパケット受信 |
本装置の送信規制 |
相手装置の送信規制 |
on |
desired |
有効 |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
無効 |
on |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
無効 |
有効 |
on |
on |
行わない |
行う |
||
無効 |
on |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
desired |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
||
無効 |
on |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
off |
有効 |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
|
無効 |
off |
on |
行う |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
無効 |
有効 |
on |
on |
行わない |
行う |
||
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
desired |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
||
無効 |
off |
on |
行う |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
desired |
on |
有効 |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
無効 |
off |
on |
行う |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
無効 |
有効 |
on |
on |
行わない |
行う |
||
無効 |
off |
on |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
desired |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
||
無効 |
off |
on |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
off |
有効 |
有効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
無効 |
有効 |
on |
off |
行わない |
行う |
||
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
off |
行わない |
行う |
|||
desired |
有効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
||
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
有効 |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
|
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
無効 |
有効 |
on |
on |
行わない |
行う |
||
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
|||
desired |
有効 |
on |
on |
行う |
行う |
||
無効 |
off |
off |
行わない |
行わない |
|||
desired |
on |
on |
行う |
行う |
(5) ジャンボフレーム
ジャンボフレームは,MACヘッダのDA〜データが1518オクテットを超えるフレームを中継するための機能です。コンフィグレーションコマンドip mtuのMTU長を合わせて変更することで,IPパケットをフラグメント化するサイズを大きくすることもできます。
本装置では,Ethernet V2形式フレームだけをサポートします。802.3形式フレームはサポートしていません。フレームについては,「20.1.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。Taggedフレームについては,「24.1.5 VLAN Tag」のTaggedフレームのフォーマットを参照してください。また,物理インタフェースは,100BASE-TX(全二重),1000BASE-T(全二重)だけサポートします。ジャンボフレームのサポート機能を次の表に示します。
(凡例) ○:サポート ×:未サポート
注※ 「20.1.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。
(6) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T接続時の注意事項
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伝送速度,および全二重モードが相手装置と不一致の場合,接続できないので注意してください。
不一致の状態で通信を行うと,以降の通信が停止することがあります。この場合,当該ポートに対してinactivateコマンド,activateコマンドを実行してください。
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使用するケーブルについては,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。
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全二重インタフェースはコリジョン検出とループバック機能を行わないことによって実現しています。このため,10BASE-Tまたは100BASE-TXを全二重インタフェース設定で使用する場合,相手接続ポートは必ず全二重インタフェースに設定して接続してください。
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1000BASE-Tを使用する場合は全二重のオートネゴシエーションだけとなります。
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10BASE-Tおよび100BASE-TXを使用する場合は,全二重の接続だけとなります。