8.1.2 スタンドアロンからの構築
次の図に示すように,スタンドアロンの本装置Aおよび本装置Bからスタックを構築します。
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スタンドアロンからスタックを構築する流れを次の表に示します。
操作の流れとその内容 |
設定対象 |
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本装置A (メンバスイッチA) 本装置B (メンバスイッチB) |
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本装置A (メンバスイッチA) |
(3) メンバスイッチAとメンバスイッチBのコンフィグレーションの設定
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本装置A (メンバスイッチA) |
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本装置B (メンバスイッチB) |
(5) メンバスイッチAと接続するためのメンバスイッチBのコンフィグレーションの設定
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本装置B (メンバスイッチB) |
(6) メンバスイッチAとメンバスイッチBの2台スタックへ移行
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− |
(凡例)−:該当なし
- 〈この項の構成〉
(1) 本装置Aと本装置Bのソフトウェアを確認
本装置Aと本装置Bのソフトウェアの種類およびバージョンを確認します。
本装置Aと本装置Bとでソフトウェアの種類またはバージョンが異なる場合には,ソフトウェアの種類またはバージョンをアップデートして一致させてください。
- [手順]
1. > show version software Date 20XX/12/26 12:01:00 UTC S/W: OS-L3CA Ver. 11.11
本装置Aでソフトウェアの種類およびバージョンを確認します。
2. > show version software Date 20XX/12/26 13:01:00 UTC S/W: OS-L3CA Ver. 11.11
本装置Bでソフトウェアの種類およびバージョンを確認します。手順1で確認した本装置Aのソフトウェアの種類およびバージョンと同じであることを確認してください。
(2) 本装置Aをスイッチ番号1として1台スタックへ移行
本装置Aで,スタック機能を有効にする設定をします。
- [設定のポイント]
-
本装置をスタックで動作させるには,stack enableコマンドを設定します。stack enableコマンドの設定を有効にするには,本装置の再起動が必要です。そのため,運用を開始する前に設定してください。また,stack enableコマンドを設定すると,本装置を再起動するまですべてのコンフィグレーションが変更できません。
なお,stack enableコマンドを設定すると,同時に次のコンフィグレーションが自動で設定されます。
-
no service ipv6 dhcp
このため,stack enableコマンドを設定する前に,IPv6 DHCPサーバ機能などスタックでサポートしていない機能を使用していないことを確認してください。
-
[コマンドによる設定]
-
(config)# stack enable
After this command execute, please save configuration editing now in startup-config, and please reboot a device.
Do you wish to continue ? (y/n):
スタックで動作させる設定をします。コンフィグレーションの変更確認メッセージに対してyを入力します。
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(config)# save
(config)# exit
コンフィグレーションを保存して,コンフィグレーションコマンドモードから装置管理者モードに戻ります。
-
# reload
本装置を再起動します。再起動後,本装置は1台構成のスタックのメンバスイッチとして動作します。
(3) メンバスイッチAとメンバスイッチBのコンフィグレーションの設定
メンバスイッチAに,スタックを構成するすべてのメンバスイッチのコンフィグレーションを設定します。
- [設定のポイント]
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バックアップスイッチとなるメンバスイッチBのコンフィグレーションは,マスタスイッチとなるメンバスイッチAのコンフィグレーションに同期します。そのため,メンバスイッチAでは次のコンフィグレーションを設定する必要があります。
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メンバスイッチAのスタックポート
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メンバスイッチAのマスタ選出優先度
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メンバスイッチBのマスタ選出優先度
メンバスイッチAがマスタスイッチになるように,メンバスイッチAのマスタ選出優先度をメンバスイッチBより大きい値に設定します。
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[コマンドによる設定]
-
(config)# interface fortygigabitethernet 1/0/1
(config-if)# switchport mode stack
(config-if)# exit
(config)# interface fortygigabitethernet 1/0/2
(config-if)# switchport mode stack
(config-if)# exit
メンバスイッチA(スイッチ番号1)のイーサネットインタフェースにスタックポートを設定します。
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(config)# switch 1 priority 20
メンバスイッチA(スイッチ番号1)のマスタ選出優先度を20に設定します。
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(config)# switch 2 priority 10
メンバスイッチB(スイッチ番号2)のマスタ選出優先度を10に設定します。
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(config)# save
(config)# exit
コンフィグレーションを保存して,コンフィグレーションコマンドモードから装置管理者モードに戻ります。
(4) 本装置Bをスイッチ番号2として1台スタックへ移行
本装置Bのスイッチ番号を2にして,スタック機能を有効にする設定をします。
- [設定のポイント]
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本装置Bのスイッチ番号を2に設定します。その後,stack enableコマンドでスタックで動作させる設定をしてから本装置を再起動する必要があります。
[コマンドによる設定]
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# set switch 2
# configure
スイッチ番号を2に設定します。
-
(config)# stack enable
After this command execute, please save configuration editing now in startup-config, and please reboot a device.
Do you wish to continue ? (y/n):
スタックで動作させる設定をします。コンフィグレーションの変更確認メッセージに対してyを入力します。
-
(config)# save
(config)# exit
コンフィグレーションを保存して,コンフィグレーションコマンドモードから装置管理者モードに戻ります。
-
# reload
本装置を再起動します。再起動後,本装置は1台構成のスタックのメンバスイッチとして動作します。
(5) メンバスイッチAと接続するためのメンバスイッチBのコンフィグレーションの設定
メンバスイッチBに,メンバスイッチAと接続してスタックを構成するための最小限のコンフィグレーションを設定します。
- [設定のポイント]
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メンバスイッチAと接続したときにメンバスイッチAが障害などで再起動してもメンバスイッチBがマスタスイッチとして動作しないように,メンバスイッチBのマスタ選出優先度を1に設定します。
なお,ここで設定したコンフィグレーションは,マスタスイッチとなるメンバスイッチAで設定したコンフィグレーションに置き換えられます。
[コマンドによる設定]
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(config)# interface fortygigabitethernet 2/0/1
(config-if)# switchport mode stack
(config-if)# exit
(config)# interface fortygigabitethernet 2/0/2
(config-if)# switchport mode stack
(config-if)# exit
メンバスイッチB(スイッチ番号2)のイーサネットインタフェースにスタックポートを設定します。
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(config)# switch 2 priority 1
メンバスイッチB(スイッチ番号2)のマスタ選出優先度を1に設定します。
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(config)# save
(config)# exit
コンフィグレーションを保存して,コンフィグレーションコマンドモードから装置管理者モードに戻ります。
(6) メンバスイッチAとメンバスイッチBの2台スタックへ移行
それぞれ1台構成のスタックのメンバスイッチとして動作しているメンバスイッチAとメンバスイッチBのスタックポートを接続して,2台構成のスタックに移行します。
メンバスイッチBのマスタ選出優先度が1のため,メンバスイッチAはマスタスイッチとして動作を継続して,メンバスイッチBは自動で再起動します。
再起動後,メンバスイッチAのコンフィグレーションに同期するためにメンバスイッチBは自動で再起動します。その後,メンバスイッチAがマスタスイッチ,メンバスイッチBがバックアップスイッチとなるスタック構成で動作します。
マスタとなったメンバスイッチAでは,バックアップスイッチ(メンバスイッチB)のモデル情報,NIF情報が自動認識され,イーサネットインタフェース情報が自動生成されます。
[手順]
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メンバスイッチAとメンバスイッチBのスタックポートを接続します。
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# show switch detail
運用コマンドshow switch detailを実行して,メンバスイッチAがマスタスイッチ,メンバスイッチBがバックアップスイッチとなるスタックで動作していることを確認します。