1.2 本装置の特長
- 〈この節の構成〉
(1) コンパクトで高密度収容
●シャーシ型と同様の柔軟性を持ちながら,コンパクトで高いコストパフォーマンスを実現
●高さ2Uサイズで4つのネットワークインタフェース機構(NIF)を搭載可能
- ●1G/10G/40Gのイーサネット対応
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10Gイーサネットのトランシーバとして1Gと10Gのイーサネットに対応可能なSFP+を採用
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40GイーサネットのトランシーバとしてQSFP+を採用
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ダイレクトアタッチケーブルのサポートにより低価格な接続ソリューションを提供
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- ●高密度収容
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1Gイーサネット/ 10Gイーサネットを最大96ポート収容可能※1
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40Gイーサネットを最大24ポート収容可能※2
- 注※1
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装置背面の40G×1ポートにつき,NIF上の1G/10G×4ポートが排他使用
- 注※2
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装置背面の40G×1ポートにつき,NIF上の40G×1ポートが排他使用
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(2) 高速で多様なVLAN機能をサポート
- ●レイヤ2のVLAN機能
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ポートVLAN,プロトコルVLAN,MAC VLAN機能を実装
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用途に応じたVLAN構築が可能
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- ●スパニングツリープロトコル
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スパニングツリー(IEEE 802.1D),高速スパニングツリー(IEEE 802.1w),PVST+,マルチプルスパニングツリー(IEEE 802.1s)を実装
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●VLANトンネリングによるL2-VPNの実現
(3) 強固なセキュリティ機能
- ●認証・検疫ソリューション
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レイヤ2認証機能(IEEE802.1X,Web認証,MAC認証)によって,エッジの物理構成の自由度を保ちつつ,PC1台1台を認証し,VLANに加入させることが可能
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認証サーバと検疫サーバとの組み合わせによって,検疫チェックをパスしたPCだけを業務VLANに自動接続する検疫ソリューションを構築可能
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- ●高性能できめ細かなパケットフィルタが可能
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ハードウェアによる高性能なフィルタ処理
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アウトバウンドフィルタ機能対応により,宛先ネットワーク別のセキュリティルールを効率的に集約可能
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L2/L3/L4ヘッダの一部指定が可能
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多条件指定可能なスケーラビリティフィルタエントリ数は,最大IN側1,024エントリ/装置まで,OUT側1,024エントリ/装置まで定義可能
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●RADIUS/TACACS+による装置へのログイン・パスワード認証およびユーザごとに実行可能コマンドの制限を設定可能
- ●不正なDHCPサーバ/固定IPアドレス端末の排除が可能
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DHCP snoopingによって,不正なDHCPサーバや固定IPアドレス端末の排除が可能
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(4) ハードウェアによる強力なQoSで通信品質を保証
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ハードウェアによる高性能なQoS処理
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きめ細かなパラメータ(L2/L3/L4ヘッダ)指定で,高い精度のQoS制御が可能
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多様なQoS制御機能
L2-QoS(IEEE 802.1p,帯域制御,優先制御,廃棄制御など),IP-QoS(Diff-Serv,帯域制御,優先制御,廃棄制御など)
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音声・データ統合ネットワークでさまざまなシェーパ機能
VoIPパケットを優先し,クリアな音声を提供可能。
(5) フォールト・トレラント・スイッチを実現するスタック機能
- ●拡張性が高いフォールト・トレラント・スイッチ
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複数の装置で構成することで,一部の障害でも通信の継続が可能
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装置の追加によって,利用できるポート数を拡張可能
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- ●スタックポートの帯域に依存しないトラフィック中継
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複数のメンバスイッチにポートを収容しているリンクアグリゲーションが転送先となる場合,受信した回線を収容するメンバスイッチのリンクアグリゲーションポートから転送が可能
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- ●無停止ソフトウェアアップデート
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ネットワークの通信を中断することなく,マスタスイッチ,バックアップスイッチを切り替えながら,ソフトウェアのアップデートが可能
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- ●管理の一元化によるコスト低減
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複数の装置を1台の装置として運用することで,管理の一元化が可能
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(6) 実績あるルーティング機能
- ●安定した高機能ルーティング
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広域イーサネットサービスやIP-VPNサービスを利用した拠点間接続に,OSPF機能やBGP機能を使用した信頼性の高いルーティングと,マルチパスを使った負荷分散を実現
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ルーティングソフトウェアには,実績ある弊社上位機種と同等のものを搭載
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- ●IPv6マルチキャスト対応
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IPv4とIPv6で同一ピーク性能の実現
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40ギガビット・イーサネットでフルワイヤレートのIPv6ルーティングを実現
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豊富なIPv6ルーティングプロトコル(スタティック,RIPng,OSPFv3,BGP4+,PIM-SM,PIM-SSM,MLD)によって,多様で柔軟なIPv6ネットワークを実現可能
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IPv4/IPv6デュアルスタック,IPv6-only環境に対応したネットワーク管理(SNMP over IPv6)および認証管理(RADIUS over IPv6)など充実した機能
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IPv6 Ready Logo Phase-1に加えて,Phase-2対応機能もサポートし,実用的かつより厳密に仕様準拠したIPv6を提供
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- ●充実したIPv4ルーティングプロトコル
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実績ある豊富なIPv4ルーティングプロトコルをサポート
(スタティック,RIP,OSPF,BGP4,PIM-SM,PIM-SSM,IGMP)
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- ●ポリシーベースルーティング
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中継先の経路状態に合わせて最適な経路を選択できるポリシーベースルーティングをサポート
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(7) ネットワーク・パーティション対応
- ●ネットワークの水平統合・垂直統合によるコスト低減
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論理的に分割された複数のスイッチを一つのスイッチ内に仮想的に収容するVRF機能によって,従来物理的に分かれていた複数のネットワークを一つの物理ネットワーク内に統合
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センターにレイヤ3装置を集約,各オフィスや拠点にはレイヤ2装置を配置することで,ネットワーク設計や運用管理の容易なネットワークを実現
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VRF対応レイヤ3スイッチを各拠点に分散配置し,広域・多拠点ネットワークの仮想化を実現
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(8) ミッションクリティカル対応のネットワークを実現する高信頼性
- ●高い装置品質
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厳選した部品と厳しい設計・検査基準による装置の高い信頼性
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電源を2個搭載することで,電源系統の冗長構成が可能
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キャリア/ISPで実績あるソフトウェアを継承した安定したルーティング処理
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- ●多様な冗長ネットワーク構築
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高速な経路切り替え
高速スパニングツリープロトコル(IEEE 802.1w,IEEE 802.1s),GSRP※1,Autonomous Extensible Ring Protocol※2(以降,Ring Protocolと呼びます。),リンクアグリゲーション(IEEE802.1AX),ホットスタンバイ(VRRP),スタティック/VRRPポーリング※3など
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ロードバランス
OSPFイコールコストマルチパスによるIPレベルの均等トラフィック分散
- 注※1
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GSRP(Gigabit Switch Redundancy Protocol)。詳細については,「コンフィグレーションガイド Vol.2」 「14 GSRPの解説」を参照してください。
- 注※2
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Ring Protocolの詳細については,「28 Ring Protocolの解説」を参照してください。
- 注※3
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指定経路上の可達性をポーリングによって確認し,動的にVRRPやスタティックルーティングと連動して経路を切り替えるための監視機能。
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- ●L2ループ回避
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UDLD機能によりスパニングツリーでのループ発生や,リンクアグリゲーションでのフレーム紛失などを未然に防ぐことが可能
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L2ループ検知機能によりネットワーク上の装置の誤接続を検知し,ループの発生を防ぐことが可能
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(9) 優れたネットワーク管理,保守・運用
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IPv4/v6デュアルスタックやIPv6環境に対応したネットワーク管理(SNMP over IPv6)など充実した機能
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基本的なMIB-IIに加え,IPv6 MIB,RMONなどの豊富なMIBをサポート
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ミラーポート機能によって,トラフィックを監視,解析することが可能(受信側と送信側ポートの両方可能)
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sFlowやsFlow-MIBによるトラフィック特性の分析が可能
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オンライン保守
コンフィグレーションの変更などで部分リブートによる通信が継続可能。
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SDメモリカード採用
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コンフィグレーションのバックアップや障害情報採取が容易に実行可能。
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保守作業の簡略化が可能。
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コンソールポート,メモリカードスロットを前面に配置
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イーサネット網の保守管理機能のCFM(Connectivity Fault Management)をサポート
(10) OAN(Open Autonomic Networking)※への対応
- ●ITシステムとの連携およびネットワーク運用・管理の自動化によって,運用効率向上やTCO削減を実現
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AX-Config-Master
各装置のコンフィグレーションが不要になる自動コンフィグレーション。
ネットワーク全体でのコンフィグレーションの整合性チェック。
装置のコンフィグレーションの収集および配信のセキュリティ確保。
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AX-ON-API
CLI,SNMPに代わる新しい装置制御手段。
XML(Extensible Markup Language),SOAP(Simple Object Access Protocol),Netconfなど,ITシステムの標準技術をエンタプライズ向けネットワーク装置に導入。
VLAN,インタフェース,リンクアグリゲーションなどの設定が可能。
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- 注※
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詳細は,「OANユーザーズガイド AX-Config-Master編」を参照してください。
(11) 省電力対応
●アーキテクチャ設計,部品選択の段階で低消費電力を志向。導入後のTCO(Total Cost of Ownership)の削減に寄与
- ●省電力機能
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ポート省電力機能を提供。
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- ●スケジューリングによる省電力運用
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長期連休や土日,祝祭日,夜間など,事前に設定したスケジュールに従って,ポートへの電力供給の抑止,および抑止状態の解除を自動で実施。
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- ●消費電力情報の可視化
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消費電力および消費電力量を運用コマンドとMIBで表示。
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