コンフィグレーションガイド Vol.3

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4.2.2 ポリシーベースルーティングの設定

ポリシーベースルーティングを設定する例を次に示します。

<この項の構成>
(1) ポリシーベースルーティンググループの設定
(2) 経路切り戻し動作に「切り戻さない」を設定
(3) トラッキング機能の設定

(1) ポリシーベースルーティンググループの設定

IPv4パケットをフロー検出条件として,ポリシーベースルーティングリスト情報を設定する例を次に示します。

[設定のポイント]
アクセスリストを使用してポリシーベースルーティングリスト情報を設定します。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# mac-address-table static 0012.e200.1122 vlan 100 interface gigabitethernet 1/1/1
    (config)# arp 192.168.1.1 interface vlan 100 0012.e200.1122
    VLAN100にネクストホップIPv4アドレス192.168.1.1,接続先MACアドレス0012.e200.1122でスタティックエントリを設定します。
     
  2. (config)# mac-address-table static 0012.e200.3344 vlan 200 interface gigabitethernet 1/1/2
    (config)# arp 192.168.2.1 interface vlan 200 0012.e200.3344
    VLAN200にネクストホップIPv4アドレス192.168.2.1,接続先MACアドレス0012.e200.3344でスタティックエントリを設定します。
     
  3. (config)# policy-list 10
    ポリシーベースルーティングリスト情報をリスト番号10で設定します。本リストを作成すると,ポリシーベースルーティングリスト情報のモードに移行します。
     
  4. (config-pol)# policy-interface vlan 100 next-hop 192.168.1.1
    ポリシーベースルーティングリスト情報に優先度の高い経路として,VLAN100,ネクストホップアドレス192.168.1.1を設定します。
     
  5. (config-pol)# policy-interface vlan 200 next-hop 192.168.2.1
    ポリシーベースルーティングリスト情報に冗長経路として,VLAN200,ネクストホップアドレス192.168.2.1を設定します。
     
  6. (config-pol)# default permit
    ポリシーベースルーティングリスト情報のデフォルト動作に通常中継を設定します。
     
  7. (config-pol)# exit
    ポリシーベースルーティングリスト情報のモードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。
     
  8. (config)# ip access-list extended POLICY_GROUP
    ip access-list(POLICY_GROUP)を作成します。本リストを作成すると,IPv4パケットフィルタの動作モードに移行します。
     
  9. (config-ext-nacl)# permit tcp any any action policy-list 10
    IPv4パケットをポリシーベースルーティングするポリシーベースルーティングリスト情報を設定します。リスト番号には10を設定します。
     
  10. (config-ext-nacl)# permit ip any any
    すべてのフレームを中継するIPv4パケットフィルタを設定します。
     
  11. (config-ext-nacl)# exit
    IPv4パケットフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。
     
  12. (config)# interface vlan 10
    VLAN10のインタフェースモードに移行します。
     
  13. (config-if)# ip access-group POLICY_GROUP in
    受信側に対象とするip access-list(POLICY_GROUP)を有効にします。
     

(2) 経路切り戻し動作に「切り戻さない」を設定

中継先の経路を設定済みのポリシーベースルーティングリスト情報の経路切り戻し動作として,「切り戻さない」を設定する例を次に示します。

[設定のポイント]
経路切り戻し動作に「切り戻さない」を設定したときは,運用コマンドshow ip cache policyで対象のポリシーベースルーティングリスト情報に反映されていることを確認してください。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# policy-list 10
    リスト番号10のポリシーベースルーティングリスト情報のモードに移行します。
     
  2. (config-pol)# recover off
    経路切り戻し動作に「切り戻さない」を設定します。設定したあとは運用コマンドshow ip cache policy 10を実行してください。
     

(3) トラッキング機能の設定

IPv4 ICMPポーリング監視トラックを設定します。

[設定のポイント]
すべてのパラメータを設定したあとでポーリングを開始する場合,次の順序で設定することをお勧めします。
  1. track-objectコマンドでトラックIDを指定
  2. disableコマンドでトラックの動作を停止
  3. すべてのパラメータを指定
  4. no disableコマンドでトラックの動作停止を解除
なお,IPv4 ICMPポーリング監視では,送信元IPv4アドレスを設定しておくと応答パケットの宛先アドレスが固定されるため,応答パケットの経路が設計しやすくなります。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# track-object 1000
    設定するトラックIDを指定します。
     
  2. (config-track-object)# disable
    設定中のトラックの動作を停止します。
     
  3. (config-track-object)# default-state up
    トラックのデフォルトトラック状態をUpと指定します。以降,トラックが動作を開始してからトラック状態がDownに変わるまで,トラック状態はUpです。
     
  4. (config-track-object)# type icmp 192.0.2.2 nexthop 192.158.1.1 source 198.51.100.1
    (config-track-object)# timeout 5
    (config-track-object)# interval 10
    (config-track-object)# failure detection 4 trial 5 interval 10
    (config-track-object)# recovery detection 4 trial 5 interval 10
    トラックを,192.0.2.2を監視するIPv4 ICMPポーリング監視トラックとして指定します。ポーリングパケットの送信元アドレスを198.51.100.1と指定します。
    さらに,トラックの応答待ち時間,通常のポーリング間隔,障害発生検証中のポーリング回数とポーリング間隔,障害回復検証中のポーリング回数とポーリング間隔をそれぞれ指定します。
     
  5. (config-track-object)# no disable
    トラックの動作を停止するコンフィグレーションを削除します。削除すると,トラックが動作を開始します。
     
  6. (config-track-object)# exit
    トラッキング機能のモードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。
     
  7. (config)# policy-list 10
    ポリシーベースルーティングリスト情報をリスト番号10で設定します。本リストを作成すると,ポリシーベースルーティングリスト情報のモードに移行します。
     
  8. (config-pol)# policy-interface vlan 100 next-hop 192.168.1.1 track-object 1000
    ポリシーベースルーティングリスト情報の経路として,VLAN100,ネクストホップアドレス192.168.1.1,トラックID1000を設定します。
     
  9. (config-pol)# default permit
    ポリシーベースルーティングリスト情報のデフォルト動作に通常中継を設定します。
     
  10. (config-pol)# exit
    ポリシーベースルーティングリスト情報のモードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。
     
  11. (config)# ip access-list extended POLICY_GROUP
    ip access-list(POLICY_GROUP)を作成します。本リストを作成すると,IPv4パケットフィルタの動作モードに移行します。
     
  12. (config-ext-nacl)# permit tcp any any action policy-list 10
    IPv4パケットをポリシーベースルーティングするポリシーベースルーティングリスト情報を設定します。リスト番号には10を設定します。
     
  13. (config-ext-nacl)# permit ip any any
    すべてのフレームを中継するIPv4パケットフィルタを設定します。
     
  14. (config-ext-nacl)# exit
    IPv4パケットフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。
     
  15. (config)# interface vlan 10
    VLAN10のインタフェースモードに移行します。
     
  16. (config-if)# ip access-group POLICY_GROUP in
    受信側に対象とするip access-list(POLICY_GROUP)を有効にします。
     

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