コンフィグレーションガイド Vol.2

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23.1.1 概要

UDLD(Uni-Directional Link Detection)とは,片方向リンク障害を検出する機能です。

片方向リンク障害が発生すると,一方の装置では送信はできるが受信ができず,もう一方の装置では受信はできるが送信ができない状態になり,上位プロトコルで誤動作が発生し,ネットワーク上でさまざまな障害が発生します。よく知られている例として,スパニングツリーでのループ発生や,リンクアグリゲーションでのフレーム紛失が挙げられます。これらの障害は,片方向リンク障害を検出した場合に該当するポートをinactivateすることによって未然に防ぐことができます。

IEEE802.3ah(Ethernet in the First Mile)でslowプロトコルの一部として位置づけられたOAM(Operations, Administration, and Maintenance)プロトコル(以下,IEEE802.3ah/OAMと示す)では,双方向リンク状態の監視を行うために,制御フレームを用いて定常的に対向装置と自装置のOAM状態情報の交換を行い,相手装置とのフレームの到達性を確認する方式が述べられています。本装置ではIEEE802.3ah/OAM機能を用いて双方向リンク状態の監視を行い,その確認がとれない場合に片方向リンク障害を検出する方式でUDLD機能を実現しています。本装置のUDLD機能では,片方向リンク障害の検出のほかに,自装置から送信した制御フレームを同一装置で受信した場合はループと判断して,受信したポートをinactivateします。

また,IEEE802.3ah/OAMプロトコルでは,ActiveモードとPassiveモードの概念があり,Activeモード側から制御フレームの送信が開始され,Passiveモード側では,制御フレームを受信するまで制御フレームの送信は行いません。本装置では工場出荷時の設定でIEEE802.3ah/OAM機能が有効になっていて,全ポートがPassiveモードで動作します。

Ethernetケーブルで接続された双方の装置のポートにコンフィグレーションコマンドefmoam active udldを設定することで,片方向リンク障害の検出動作を行います。efmoam active udldコマンドを設定したポートで片方向リンク障害を検出した場合,該当するポートをinactivateすることで対向装置側のポートでもリンクダウンが検出され,接続された双方の装置で該当ポートでの運用を停止します。

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