コンフィグレーションガイド Vol.2

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15.1.2 GSRPの基本的な設定

<この項の構成>
(1) GSRPグループの設定
(2) GSRP管理VLANの設定
(3) ダイレクトリンクの設定
(4) VLANグループの設定

(1) GSRPグループの設定

[設定のポイント]
GSRPを使用するために,本装置のGSRPグループIDを設定します。GSRPグループIDを設定すると本装置でGSRPの動作を開始します。番号は隣接するGSRPスイッチと合わせて設定します。
レイヤ3冗長切替機能を使用する場合は,1〜4から選択して設定します。そのほかのGSRPグループIDではレイヤ3冗長切替機能は使用できません。
GSRPを設定するためには,事前にスパニングツリーを停止する必要があります。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# spanning-tree disable
    スパニングツリーを停止します。
     
  2. (config)# gsrp 1
    GSRPグループIDを1に設定します。本コマンドによって,本装置はGSRPの動作を開始します。
     

[注意事項]
GSRP VLANグループ限定制御機能を設定していない場合,GSRPグループIDを設定すると,すべてのVLANをGSRPで制御します。VLANグループを設定していない状況では,すべてのVLANのポートがブロッキング状態になります。

(2) GSRP管理VLANの設定

[設定のポイント]
GSRP管理VLANとして使用するVLANを指定します。設定しない場合,GSRP管理VLANは1となります。
GSRP管理VLANはGSRPの制御フレームをやり取りするためのVLANです。このVLANには,GSRPスイッチ間のダイレクトリンクと,GSRP awareを使用する場合はそのスイッチとの接続ポートを設定してください。また,GSRP awareにもGSRPスイッチと接続しているポートで同じVLANを設定してください。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# gsrp 1
    GSRPコンフィグレーションモードに移行します。
     
  2. (config-gsrp)# gsrp-vlan 5
    GSRP管理VLANとしてVLAN 5を使用します。
     

(3) ダイレクトリンクの設定

[設定のポイント]
GSRPのダイレクトリンクに使用するポートを設定します。ダイレクトリンクは,イーサネットインタフェースまたはポートチャネルインタフェースに設定します。
ダイレクトリンク障害検出機能を使用する場合,対向装置の装置障害以外でダイレクトリンク障害となる可能性を少なくするため,ダイレクトリンクを冗長構成にすることをお勧めします。ダイレクトリンクを冗長構成にするためには,リンクアグリゲーションを使用する方法と通常のリンクを複数使用する方法があり,どちらも効果は同じです。レイヤ3冗長切替機能でダイレクトリンク上のVLANを通信に用いる場合,ダイレクトリンクを冗長構成にするときは,リンクアグリゲーションを使用してください。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# interface range gigabitethernet 1/0/1-2
    ポート1/0/1,1/0/2のイーサネットインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。ダイレクトリンクを冗長化するために複数のポートを指定します。
     
  2. (config-if-range)# channel-group 10 mode on
    (config-if-range)# exit
    ポート1/0/1,1/0/2をスタティックモードのチャネルグループ10に登録します。
     
  3. (config)# interface port-channel 10
    (config-if)# gsrp 1 direct-link
    GSRPグループID1のダイレクトリンクとしてチャネルグループ10を設定します。
     

(4) VLANグループの設定

[設定のポイント]
GSRPで運用するVLANグループとVLANグループに所属するVLANを設定します。マスタ状態のVLANグループに所属したVLANで通信可能となります。VLANグループは複数設定でき,VLANグループごとにマスタ,バックアップを制御します。VLANグループと所属するVLANは,隣接するGSRPスイッチと同じ設定をしてください。
VLANグループへのVLANの追加および削除は,vlan-group vlan addコマンドおよびvlan-group vlan removeコマンドで行います。vlan-group vlanコマンドを設定済みの状態でもう一度vlan-group vlan コマンドを実行すると,指定したVLAN IDリストに置き換わります。
VLANグループの通信を停止したい場合,vlan-group disableコマンドでVLANグループを無効にできます。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# gsrp 1
    GSRPコンフィグレーションモードに移行します。
     
  2. (config-gsrp)# vlan-group 1 vlan 10,20
    VLANグループ1を設定し,VLAN 10,20をVLANグループ1に所属させます。
     
  3. (config-gsrp)# vlan-group 1 vlan add 30
    VLANグループ1に所属するVLANにVLAN 30を追加します。
     
  4. (config-gsrp)# vlan-group 1 vlan remove 20
    VLANグループ1に所属するVLANからVLAN 20を削除します。
     
  5. (config-gsrp)# vlan-group 1 vlan 100,200
    VLANグループ1に所属するVLANをVLAN 100,200に設定します。以前の設定はすべて上書きされて,VLAN 100,200が所属するVLANとなります。
     

[注意事項]
VLANグループに属していないVLANの動作は,GSRP VLANグループ限定制御機能の設定によって異なります。
GSRP VLANグループ限定制御機能を設定していない場合は,GSRPではすべてのVLANがGSRPによって制御されます。そのため,VLANグループに属していないVLANのポートは,ブロッキング状態になります。
GSRP VLANグループ限定制御機能を設定している場合は,VLANグループに所属しているVLANだけをGSRPの制御対象にします。そのため,VLANグループに属していないVLANのポートは,フォワーディング状態になります。

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