コンフィグレーションガイド Vol.1

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26.6.4 多重障害発生時の動作

共有リンク監視リングで,共有リンク障害とその他のリンク障害による多重障害が発生した場合の動作について説明します。

<この項の構成>
(1) 共有リンク障害時の動作
(2) 多重障害発生時の動作
(3) バックアップリングへの切り替え動作

(1) 共有リンク障害時の動作

共有リンク監視リングでの共有リンク障害時の動作について,次の図に示します。

図26-33 共有リンク障害時の動作

[図データ]

(a) 共有リンク監視リングの各ノードの動作

1. HC(M)未受信によってリング障害を検出
マスタノードは両方向のHC(M)を受信できなくなり,リング障害を検出します。リング障害検出時のマスタノードおよびトランジットノードの動作は,マルチリング時の動作と同様ですので,「26.4.2 共有リンク障害・復旧時の動作 (1) 障害検出時の動作」を参照してください。

2. 共有リンク間の多重障害監視フレームが受信できない
共有ノードは共有リンク間での多重障害監視フレームの受信ができなくなりますが,もう一方のリングポートでは受信できているため,多重障害の監視を継続します。

(b) バックアップリングの各ノードの動作

バックアップリングではマスタノードが送信したHC(M)の受信はできなくなりますが,共有ノードが送信したHC(S)は受信できているため,障害検出時の動作は行いません。

(2) 多重障害発生時の動作

共有リンク障害と共有リンク監視リング内のその他のリンク障害による多重障害発生時の動作について,次の図に示します。

図26-34 多重障害発生時の動作

[図データ]

(a) 共有リンク監視リングの各ノードの動作

1. 共有リンク監視リングの多重障害を検出
共有ノードは両リングポートで多重障害監視フレームを受信できなくなり,多重障害を検出します。

(b) バックアップリングの各ノードの動作

2. HC(S)の送信を停止
多重障害を検出した共有ノードは,バックアップリングのHC(S)の送信を停止します。

(3) バックアップリングへの切り替え動作

多重障害検出によるバックアップリングへの切り替え動作について,次の図に示します。

図26-35 バックアップリングへの切り替え動作

[図データ]

(a) バックアップリングの各ノードの動作

1. HC(S)未受信によってリング障害を検出
マスタノードは自身が送信した両方向のHC(M)と共有ノードが送信したHC(S)がどちらも未受信となり,リング障害を検出します。リング障害検出時のマスタノードおよびトランジットノードの動作は,マルチリング時の動作と同様ですので,「26.4.3 共有リンク非監視リングでの共有リンク以外の障害・復旧時の動作 (1) 障害検出時の動作」を参照してください。

(b) 共有リンク監視リングの各ノードの動作

2. 共有ノードからフラッシュ制御フレームを送信
バックアップリングのマスタノードから送信されたフラッシュ制御フレームを受信すると,共有ノードは共有リンク監視リングに向けて,MACアドレステーブルのクリアだけをするフラッシュ制御フレームを送信します。

3. MACアドレステーブルのクリア
トランジットノードは共有ノードから送信されたフラッシュ制御フレームを受信して,MACアドレステーブルをクリアします。

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