コンフィグレーションガイド Vol.1

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26.5.3 メンバスイッチの障害発生時および復旧時の動作

スタック構成のノードを含むリング構成での,メンバスイッチの障害発生時および復旧時の動作について説明します。

<この項の構成>
(1) スタック構成のマスタノード動作
(2) スタック構成のトランジットノード動作

(1) スタック構成のマスタノード動作

スタック構成のマスタノードでの,メンバスイッチの障害発生時および復旧時の動作について説明します。

(a) マスタスイッチ障害発生時の動作

マスタスイッチに障害が発生した場合の動作について,次の図に示します。

図26-25 マスタノードでのマスタスイッチ障害発生時の動作

[図データ]

マスタスイッチに障害が発生して停止すると,マスタスイッチが送信するヘルスチェックフレーム(HC(M))が停止します。バックアップスイッチは新しいマスタスイッチに切り替わって,次に示す順序で動作します。

  1. データ転送用リングVLAN状態の変更
  2. フラッシュ制御フレームの送信
  3. MACアドレステーブルのクリア

その後,マスタスイッチはリング状態の監視を開始して,ヘルスチェックフレーム(HC(M))の送信を再開します。しかし,マスタスイッチは自身が送信するヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信できないため,リング障害を検出します。障害を検出したマスタスイッチは,監視状態を変更します。

マスタスイッチが切り替わるとき,新しいマスタスイッチは元のマスタスイッチのリング状態を引き継ぎません。

(b) バックアップスイッチ障害発生時の動作

バックアップスイッチに障害が発生した場合の動作について,次の図に示します。

図26-26 マスタノードでのバックアップスイッチ障害発生時の動作

[図データ]

バックアップスイッチに障害が発生して停止すると,マスタスイッチは両方向のヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信できなくなり,リング障害を検出します。障害を検出したマスタスイッチは,次に示す順序で動作します。

  1. データ転送用リングVLAN状態の変更
  2. フラッシュ制御フレームの送信
  3. MACアドレステーブルのクリア
  4. 監視状態の変更

(c) メンバスイッチ障害復旧時の動作

メンバスイッチが障害から復旧した場合の動作について,次の図に示します。

図26-27 マスタノードでのメンバスイッチ障害復旧時の動作

[図データ]

メンバスイッチが障害から復旧すると,このメンバスイッチはバックアップスイッチになって,メンバスイッチ2台のスタックを構成します。

バックアップスイッチが復旧すると,マスタスイッチは,自身が送信するヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信できるようになります。リング障害を検出している状態で,自身が送信したヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信すると,マスタスイッチはリング障害が復旧したと判断して,次に示す順序で復旧動作をします。

  1. データ転送用リングVLAN状態の変更
  2. フラッシュ制御フレームの送信
  3. MACアドレステーブルのクリア
  4. 監視状態の変更

(2) スタック構成のトランジットノード動作

スタック構成のトランジットノードでの,メンバスイッチの障害発生時および復旧時の動作について説明します。

(a) メンバスイッチ障害発生時の動作

メンバスイッチに障害が発生した場合の動作について,次の図に示します。

図26-28 トランジットノードでのメンバスイッチ障害発生時の動作

[図データ]

メンバスイッチに障害が発生すると,メンバスイッチ1台のスタックになります。

障害が発生したメンバスイッチのリングポートはダウン状態になるため,マスタノードでは両方向のヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信できなくなって,リング障害を検出します。障害を検出したマスタノードは,スタック構成のノードを含まないリング構成時と同様の順序で動作します。

障害が発生したトランジットノードのマスタスイッチは,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると,リングポートに関するMACアドレステーブルエントリをクリアします。MACアドレステーブルエントリをクリアすることで,迂回経路へ切り替えられます。

(b) メンバスイッチ障害復旧時の動作

メンバスイッチが障害から復旧した場合の動作について,次の図に示します。

図26-29 トランジットノードでのメンバスイッチ障害復旧時の動作

[図データ]

メンバスイッチが障害から復旧すると,このメンバスイッチはバックアップスイッチになって,メンバスイッチ2台のスタックを構成します。

バックアップスイッチのリングポートが復旧することで,マスタノードでは,両方向のヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信できるようになります。リング障害を検出している状態で自身が送信したヘルスチェックフレーム(HC(M))を受信すると,マスタノードはリング障害が復旧したと判断して,スタック構成のノードを含まないリング構成時と同様の順序で復旧動作をします。

障害が復旧したトランジットノードのマスタスイッチは,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると,リングポートに関するMACアドレステーブルエントリをクリアします。MACアドレステーブルエントリをクリアすることで,迂回経路へ切り替えられます。

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