コンフィグレーションガイド Vol.1
- <この項の構成>
- (1) スケジューリングを使用した省電力機能に関する注意事項
- (2) スケジュール時間帯の開始・終了時間の誤差に関する注意事項
- (3) 装置スリープ機能に関する注意事項
- (4) 装置スリープ機能とDHCP snoopingとの共存
(1) スケジューリングを使用した省電力機能に関する注意事項
- 通常時間帯とスケジュール時間帯で同じ省電力機能を使用する場合は,通常時間帯とスケジュール時間帯の両方にその設定をしてください。
- 例
- 通常時間帯でポートの電力供給をOFFにするために,コンフィグレーションコマンドshutdownを設定します。スケジュール時間帯でも該当ポートの電力供給をOFFにする場合は,コンフィグレーションコマンドschedule-power-control shutdownの設定対象に,shutdownを設定したポートも含める必要があります。
(2) スケジュール時間帯の開始・終了時間の誤差に関する注意事項
スケジューリングではソフトウェアのタイマを使用しているため,CPUの負荷が高い場合などに,スケジュール時間帯の開始または終了が設定した時間とずれるおそれがあります。このずれは,通常1分を超えることはありません。また,スケジューリングによってポートの電力供給をOFFにしていた場合,スケジュールが終了してから実際に通信できるまでネットワークの構成に応じた時間が必要です。省電力機能のスケジューリングでは余裕を持った時間を設定してください。
(3) 装置スリープ機能に関する注意事項
スケジュール機能で装置スリープ機能を実行する場合は,次の点に注意してください。
- コンフィグレーションコマンドモードで操作中にスケジュール実行時間帯になった場合は,スリープ状態に遷移しません。コンフィグレーションコマンドモードを終了後(装置管理者モードに遷移後),スリープ状態に遷移します。
- ソフトウェアアップデートまたはリストア中にスケジュール実行時間帯になった場合は,スリープ状態に遷移しません。ソフトウェアアップデートまたはリストア終了後,スリープ状態に遷移します。
- スリープ状態に遷移したとき,保存されていないコンフィグレーションは破棄されます。このため,コンフィグレーションコマンドモードを終了すると,次のメッセージを表示します。
保存するときは"n"を入力して,saveコマンドを実行してください。
Unsaved changes found! Do you exit "configure" without save ? (y/n):
- 一定時間(デフォルト:30分)キー入力操作をしないと,自動的にログアウトします。コンフィグレーションの編集中に自動ログアウトしてスリープ状態に遷移した場合,保存されていないコンフィグレーションは破棄されます。
- スリープ状態が20日間を超えると,20日に一度自動でスリープ状態を解除して装置を起動します。装置起動後,再度スリープ状態となります。
- スリープ期間終了後は通常の起動処理時間が掛かるので,すぐに通信運用再開にはなりません。スケジュール時間帯と通常時間帯の設定では,時間に余裕を持たせてください。
- MCから装置を起動した場合は,スケジュール時間帯に装置スリープ状態にするためのコンフィグレーションコマンドschedule-power-control system-sleepを設定しないでください。
- 装置スリープ開始の運用メッセージ「E3 SOFTWARE 01910405 1001:000000000000 System is going to sleep soon.」(以降,スリープ通知と呼びます)が出力される直前または直後に実行した操作は,中断されることがあります。
- スリープ通知が出力されたあとで運用コマンドset power-control scheduleのdisableパラメータを実行しても,スケジュールは抑止されないで装置スリープ状態となります。
- スリープ通知が出力される1分前から出力されるまでの間に運用コマンドset clockを実行,またはコンフィグレーションコマンドclock timezoneでタイムゾーンを変更しても,変更前の時刻で装置スリープ機能が実行されることがあります。
- 本装置で装置スリープ機能を使用している場合,スリープ通知の直前または直後に次に示す操作をすると,ヒストリ機能が正常に動作しない(過去に入力したコマンドを呼び出せない,または呼び出したコマンド文字列の表示が正しくない)おそれがあります。この状態になると,過去に入力したコマンドの内容を元に戻せません。
復旧するにはこの状態になったコマンド入力モードごとに次の操作をしてください。
- ログアウト
- コンフィグレーションコマンドモードから装置管理者モードへ遷移
- 一般ユーザモードまたは装置管理者モード
- コンフィグレーションコマンドモードに遷移したあと,“$rm .clihistory”を実行してファイルを削除してください。
なお,この状態になったユーザのホームディレクトリ配下に.clihistoryまたは.clihihistoryが存在しない場合,操作は必要ありません。
- コンフィグレーションコマンドモード
- 装置管理者モードに遷移したあと,“rm .clihihistory”を実行してファイルを削除してください。
- 本装置で装置スリープ機能を使用している場合,スリープ通知の直前または直後にCLI環境情報を設定する運用コマンド(set exec-timeout,set terminal help,set terminal pager)を実行すると,設定済みのCLI環境情報(自動ログアウト,ページング,ヘルプ機能のどれか,またはすべて)がデフォルト設定に戻るおそれがあります。
復旧するには,この状態になったユーザのホームディレクトリ配下にある.clircを削除したあと,CLI環境情報を運用コマンドで再設定してください。
なお,ホームディレクトリ配下に.clircが存在しない場合,そのままCLI環境情報を再設定してください。
(4) 装置スリープ機能とDHCP snoopingとの共存
装置スリープ機能とDHCP snoopingが共存する場合は,装置スリープ状態となる時間がDHCPサーバから配布するIPアドレスのリース時間より長くなるように設定してください。装置スリープ状態となる時間がリース時間より短いと,装置スリープ解除時にバインディングデータベースを復元できないために,DHCPクライアントから通信できなくなるおそれがあります。
通信できなくなった場合は,DHCPクライアント側でIPアドレスを解放および更新してください。例えば,Windowsの場合,コマンドプロンプトからipconfig /releaseを実行したあとに,ipconfig /renewを実行します。これによって,バインディングデータベースに端末情報が再登録され,DHCPクライアントから通信できるようになります。
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