コンフィグレーションガイド Vol.2


15.2.10 仮想ルータのグループ化

複数の仮想ルータをグループ化することで,最大1023の仮想ルータを使用できます。ここでは,次に示すグループ構成を設定する例を示します。

図15‒16 仮想ルータのグループ構成設定例

[図データ]

仮想ルータの役割

仮想ルータが設定されたインタフェース

仮想ルータID

仮想ルータ名称

フォローするプライマリ仮想ルータ名称

プライマリ仮想ルータ

VLAN 10

1

VRRPNAME

フォロー仮想ルータ

VLAN 20

1

VRRPNAME

(凡例)−:該当なし

〈この項の構成〉

(1) プライマリ仮想ルータの設定

[設定のポイント]

プライマリ仮想ルータの状態は,グループに属するすべての仮想ルータの状態を決定します。設定後,プライマリ仮想ルータが正しく動作していることを確認してください。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface vlan 10

    (config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0

    VLAN 10のVLANインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。VLANインタフェースへIPアドレスを設定していない場合は,ここでIPアドレスを設定します。

  2. (config-if)# vrrp 1 ip 192.168.10.100

    VLAN 10,仮想ルータID 1の仮想ルータに仮想IPアドレス192.168.10.100を設定します。

  3. (config-if)# vrrp 1 name VRRPNAME

    VLAN 10,仮想ルータID 1の仮想ルータに仮想ルータ名称VRRPNAMEを設定します。

(2) フォロー仮想ルータの設定

[設定のポイント]

仮想ルータからプライマリ仮想ルータ名称を指定します。プライマリ仮想ルータを指定した仮想ルータはフォロー仮想ルータとなり,指定したプライマリ仮想ルータの状態に従います。

フォロー仮想ルータには,プライマリ仮想ルータと同じ仮想ルータIDを設定することを推奨します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface vlan 20

    (config-if)# ip address 192.168.20.1 255.255.255.0

    VLAN 20のVLANインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。VLANインタフェースへIPアドレスを設定していない場合は,ここでIPアドレスを設定します。

  2. (config-if)# vrrp 1 follow VRRPNAME

    VLAN 20,仮想ルータID 1のフォロー仮想ルータが従うプライマリ仮想ルータ名称にVRRPNAMEを指定します。

  3. (config-if)# vrrp 1 ip 192.168.20.100

    VLAN 20,仮想ルータID 1の仮想ルータに仮想IPアドレス192.168.20.100を設定します。

[注意事項]
  • フォロー仮想ルータを設定する場合は,vrrp followコマンドから設定を開始してください。

  • 指定したプライマリ仮想ルータが存在しない場合,フォロー仮想ルータはイニシャル状態となります。