27.2.2 動作モードの設定
スパニングツリーは装置の動作モードを設定することで各種スパニングツリーを使用することができます。装置の動作モードを次の表に示します。動作モードを設定しない場合,pvstモードで動作します。
動作モードにrapid-pvstを指定しても,シングルスパニングツリーのデフォルトはSTPであることに注意してください。
| 
                      コマンド名  | 
                  
                      説明  | 
               
|---|---|
| 
                      spanning-tree disable  | 
                  
                      スパニングツリーを停止します。  | 
               
| 
                      spanning-tree mode pvst  | 
                  
                      PVST+とシングルスパニングツリーを使用できます。デフォルトでPVST+が動作します。シングルスパニングツリーはデフォルトでは動作しません。  | 
               
| 
                      spanning-tree mode rapid-pvst  | 
                  
                      PVST+とシングルスパニングツリーを使用できます。デフォルトで高速スパニングツリーのRapid PVST+が動作します。シングルスパニングツリーはデフォルトでは動作しません。  | 
               
| 
                      spanning-tree mode mst  | 
                  
                      マルチプルスパニングツリーが動作します。  | 
               
(1) 動作モードpvstの設定
- [設定のポイント]
 - 
                  
装置の動作モードをpvstに設定します。ポートVLANを作成すると,そのVLANで自動的にPVST+が動作します。VLANごとにRapid PVST+に変更することもできます。
シングルスパニングツリーはデフォルトでは動作しないで,設定することで動作します。その際,デフォルトではSTPで動作し,Rapid STPに変更することもできます。
 
[コマンドによる設定]
- 
                  
(config)# spanning-tree mode pvst
スパニングツリーの動作モードをpvstに設定します。ポートVLANで自動的にPVST+が動作します。
 - 
                  
(config)# spanning-tree vlan 10 mode rapid-pvst
VLAN 10の動作モードをRapid PVST+に変更します。ほかのポートVLANはPVST+で動作し,VLAN 10はRapid PVST+で動作します。
 - 
                  
(config)# spanning-tree single
シングルスパニングツリーを動作させます。PVST+を使用していないVLANに適用します。デフォルトではSTPで動作します。
 - 
                  
(config)# spanning-tree single mode rapid-stp
シングルスパニングツリーをRapid STPに変更します。
 
(2) 動作モードrapid-pvstの設定
- [設定のポイント]
 - 
                  
装置の動作モードをrapid-pvstに設定します。ポートVLANを作成すると,そのVLANで自動的にRapid PVST+が動作します。VLANごとにPVST+に変更することもできます。
シングルスパニングツリーはデフォルトでは動作しないで,設定することで動作します。動作モードにrapid-pvstを指定しても,シングルスパニングツリーのデフォルトはSTPであることに注意してください。
 
[コマンドによる設定]
- 
                  
(config)# spanning-tree mode rapid-pvst
スパニングツリーの動作モードをrapid-pvstに設定します。ポートVLANで自動的にRapid PVST+が動作します。
 - 
                  
(config)# spanning-tree vlan 10 mode pvst
VLAN 10の動作モードをPVST+に変更します。ほかのポートVLANはRapid PVST+で動作し,VLAN 10はPVST+で動作します。
 - 
                  
(config)# spanning-tree single
シングルスパニングツリーを動作させます。PVST+を使用していないVLANに適用します。デフォルトではSTPで動作します。
 - 
                  
(config)# spanning-tree single mode rapid-stp
シングルスパニングツリーをRapid STPに変更します。
 
(3) 動作モードmstの設定
- [設定のポイント]
 - 
                  
マルチプルスパニングツリーを使用する場合,装置の動作モードをmstに設定します。マルチプルスパニングツリーはすべてのVLANに適用します。PVST+やシングルスパニングツリーとは併用できません。
 
[コマンドによる設定]
- 
                  
(config)# spanning-tree mode mst
マルチプルスパニングツリーを動作させます。
 
(4) スパニングツリーを停止する設定
- [設定のポイント]
 - 
                  
スパニングツリーを使用しない場合,disableを設定することで本装置のスパニングツリーをすべて停止します。
 
[コマンドによる設定]
- 
                  
(config)# spanning-tree disable
スパニングツリーの動作を停止します。