MIBレファレンス


2.2 interfacesグループ(MIB-II)

interfacesグループ(MIB-II)の準拠規格を次に示します。

次に示すinterfacesグループについて説明します。

〈この節の構成〉

(1) 識別子

interfaces OBJECT IDENTIFIER ::= {mib-2 2}
オブジェクトID値 1.3.6.1.2.1.2

(2) 実装仕様

interfacesグループの実装仕様を次の表に示します。

表2‒2 interfacesグループの実装仕様

項番

オブジェクト識別子

アク

セス

実装仕様

実装

有無

1

ifNumber

{interfaces 1}

R/O

[規格] このシステムで,提供するネットワークインタフェースの数。

[実装] 規格に同じ。インタフェースに関するコンフィグレーションを変更すると,このオブジェクトの値も変わります。

2

ifTable

{interfaces 2}

NA

[規格] インタフェースエンティティのテーブル。

[実装] 規格に同じ。

3

ifEntry

{ifTable 1}

NA

[規格] サブネットワークレイヤに属するインタフェース情報のリスト。

INDEX { ifIndex }

[実装] 規格に同じ。

4

ifIndex

{ifEntry 1}

R/O

[規格] このインタフェースを識別するための番号。1〜ifNumberまでの値。

[実装] このインタフェースを識別するための番号。

ifIndexの割り当て方法は次のとおりです。

  • イーサネットインタフェース:スイッチ番号*100+ポート番号-1(スイッチ番号およびポート番号は1から)

  • ポートチャネルインタフェース:2000+チャネルグループ番号

  • VLANインタフェース:デフォルトVLANの場合は3,その他は2200+VLAN ID

  • ループバックインタフェース

    グローバルネットワーク:1

    VRF:6500+VRF ID【SL-L3A】

  • マネージメントポート:10

5

ifDescr

{ifEntry 2}

R/O

[規格] インタフェースに関する情報。

[実装] インタフェース種別ごとの固定文字列およびコンフィグレーションで設定された補足説明。

6

ifType

{ifEntry 3}

R/O

[規格] インタフェースのタイプ。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:ethernet-csmacd(6)。

  • ポートチャネルインタフェース:ieee8023adLag(161)。

  • VLANインタフェース:l2vlan(135)。

  • ループバックインタフェース:softwareLoopback(24)。

  • マネージメントポート:ethernet-csmacd(6)。

7

ifMtu

{ifEntry 4}

R/O

[規格] このインタフェースで送受信できるデータグラムの最大サイズ(オクテット)。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:規格に同じ。ただし,スタックポートの場合は0固定。

  • ポートチャネルインタフェース:VLAN情報と同じ。

  • VLANインタフェース:VLANに所属するイーサネットインタフェースのMTU値,システムMTU情報,およびIP MTU情報(設定時だけ)のうち最小のもの。

  • ループバックインタフェース:33180固定。

  • マネージメントポート:規格に同じ。

8

ifSpeed

{ifEntry 5}

R/O

[規格] このインタフェースの現在の回線速度(bit/s)。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:コンフィグレーションコマンドbandwidthが設定されていない場合は,該当インタフェースの回線速度を表示し,設定されている場合はその設定値を表示する。

  • ポートチャネルインタフェース:チャネルグループに属するポートのifSpeedの合計値。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:0固定。

  • マネージメントポート:規格に同じ。

9

ifPhysAddress

{ifEntry 6}

R/O

[規格] このインタフェースのネットワークレイヤ直下の物理アドレス。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:MACアドレスをキャノニカル表現した値を応答。

  • ポートチャネルインタフェース:チャネルグループのMACアドレスをキャノニカル表現した値を応答。

  • VLANインタフェース:VLANに割り当てられたMACアドレスをキャノニカル表現した値を応答。

  • ループバックインタフェース:値なし。

  • マネージメントポート:MACアドレスをキャノニカル表現した値を応答。

10

ifAdminStatus

{ifEntry 7}

R/W

[規格] このインタフェースの望ましい状態。

  • up(1)

  • down(2)

  • testing(3)

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:コンフィグレーションでshutdown指定時はdown(2)。

  • ポートチャネルインタフェース:コンフィグレーションでshutdown指定時はdown(2)。

  • VLANインタフェース:コンフィグレーションでVLAN suspend指定時はdown(2)。

  • ループバックインタフェース:up(1)固定。

  • マネージメントポート:デフォルトはup(1),コンフィグレーションでshutdown指定時はdown(2)。

11

ifOperStatus

{ifEntry 8}

R/O

[規格] このインタフェースの現在の状態。

  • up(1)

  • down(2)

  • testing(3)

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:規格に同じ。

  • ポートチャネルインタフェース:規格に同じ。

  • VLANインタフェース:規格に同じ。

  • ループバックインタフェース:up(1)固定。

  • マネージメントポート:up(1),down(2)。

12

ifLastChange

{ifEntry 9}

R/O

[規格] このインタフェースのifOperStatusが最後に変化したときのsysUpTime(単位:1/100秒)。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:規格に同じ。

  • ポートチャネルインタフェース:規格に同じ。

  • VLANインタフェース:規格に同じ。

  • ループバックインタフェース:規格に同じ。

  • マネージメントポート:規格に同じ。

13

ifInOctets

{ifEntry 10}

R/O

[規格] このインタフェースで受信した,badパケットを含むオクテットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:badパケットを含む,MACヘッダのDAフィールドからFCSまでのフレーム長の受信オクテット数。

  • ポートチャネルインタフェース:badパケットを含む,MACヘッダのDAフィールドからFCSまでのフレーム長の受信オクテット数。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:IPパケットの受信オクテット数。

  • マネージメントポート:MACヘッダのDAフィールドからFCSまでのフレーム長の受信オクテット数。

14

ifInUcastPkts

{ifEntry 11}

R/O

[規格] 上位プロトコルへ通知したユニキャスト・パケットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:規格に同じ。

  • ポートチャネルインタフェース:規格に同じ。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:IPパケットで上位プロトコルに通知したユニキャスト・パケットの数。

  • マネージメントポート:上位プロトコルに通知したユニキャスト・パケットの数。

15

ifInNUcastPkts

{ifEntry 12}

R/O

[規格] 上位プロトコルへ通知した非ユニキャスト・パケット(ブロードキャスト,マルチキャストパケット)の数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:規格に同じ。

  • ポートチャネルインタフェース:規格に同じ。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:IPパケットで上位プロトコルに通知したブロードキャストまたはマルチキャストパケットの数。

  • マネージメントポート:上位プロトコルに通知したブロードキャストまたはマルチキャストパケットの数。

16

ifInDiscards

{ifEntry 13}

R/O

[規格] パケット自身にはエラーはないが,上位プロトコルに渡すことのできなかったパケットの数(バッファなしなどで廃棄された受信パケットの数)。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:受信FIFO Overflowのため廃棄したイベント数。

  • ポートチャネルインタフェース:受信FIFO Overflowのため廃棄したイベント数。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:廃棄したパケットの数。

  • マネージメントポート:廃棄したパケットの数。

17

ifInErrors

{ifEntry 14}

R/O

[規格] パケット中のエラーが含まれていることによって廃棄されたパケットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:FCSエラー,ショートパケット,最大パケット長オーバ,衝突されたパケット,パケットフォーマット不正,端数ビットなどのエラーによって廃棄されたパケットの数。

  • ポートチャネルインタフェース:FCSエラー,ショートパケット,最大パケット長オーバ,衝突されたパケット,パケットフォーマット不正,端数ビットなどのエラーによって廃棄されたパケットの数。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:0固定。

  • マネージメントポート:FCSエラー,ショートパケット,最大パケット長オーバ,衝突されたパケット,パケットフォーマット不正,端数ビットなどのエラーによって廃棄されたパケットの数。

18

ifInUnknownProtos

{ifEntry 15}

R/O

[規格] サポートされていないプロトコルのパケットを受信し,廃棄したパケットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:0固定。

  • ポートチャネルインタフェース:0固定。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:廃棄した,IPパケット以外のパケットの数。

  • マネージメントポート:廃棄した,IPパケット以外のパケットの数。

19

ifOutOctets

{ifEntry 16}

R/O

[規格] このインタフェースで送信したパケットのオクテットの数。

[実装]インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:MACヘッダのDAフィールドからFCSまでのフレーム長の送信オクテットの数。

  • ポートチャネルインタフェース:MACヘッダのDAフィールドからFCSまでのフレーム長の送信オクテット数。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:IPパケットの送信オクテットの数。

  • マネージメントポート:MACヘッダのDAフィールドからFCSまでのフレーム長の送信オクテットの数。

20

ifOutUcastPkts

{ifEntry 17}

R/O

[規格] 上位レイヤが送信したユニキャスト・パケットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:badパケットを含む,ユニキャスト・パケットの数(MAC DAのI/Gビット=‘0’パケットの数)。

  • ポートチャネルインタフェース:0固定。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:IPパケットで上位レイヤが送信したユニキャスト・パケットの数。

  • マネージメントポート:MAC DAのI/Gビット=‘0’パケットの数。

21

ifOutNUcastPkts

{ifEntry 18}

R/O

[規格] 上位レイヤが送信した非ユニキャスト・パケットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:上位レイヤが送信した正常な非ユニキャスト・パケットの数(MAC DAのI/Gビット='1'パケットの数。ただし,MACパケットは除く。また,SMTは含む)。

  • ポートチャネルインタフェース:上位レイヤが送信した正常な非ユニキャスト・パケット数(MAC DAのI/Gビット='1'パケットの数。ただし,MACパケットは除く。また,SMTは含む)。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:IPパケットで上位レイヤが送信した非ユニキャスト・パケットの数。

  • マネージメントポート:MAC DAのI/Gビット='1'パケットの数。

22

ifOutDiscards

{ifEntry 19}

R/O

[規格] パケット自身にエラーはなく,送信処理で廃棄されたパケットの数(送信バッファ不足など)。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:送信FIFO Overflow(アンダーラン)のため廃棄したイベント数。

  • ポートチャネルインタフェース:送信FIFO Overflow(アンダーラン)のため廃棄したイベント数。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:廃棄したパケットの数。

  • マネージメントポート:廃棄したパケットの数。

23

ifOutErrors

{ifEntry 20}

R/O

[規格] エラーが原因で送信できなかったパケットの数。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:

    10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポートの場合,規格に同じ。

    100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-Tポートの場合,0固定。

    SFP+/SFP共用ポートの場合,0固定。

    QSFP+ポートの場合,0固定。

    QSFP28/QSFP+共用ポートの場合,0固定。

  • ポートチャネルインタフェース:規格に同じ。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:0固定。

  • マネージメントポート:アンダーラン,バイトカウントのミスマッチ,過剰衝突,過剰遅延,または送信タイムアウトしたパケットの数。

24

ifOutQLen

{ifEntry 21}

R/O

[規格] 送信パケットキューのサイズ。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:規格に同じ。

  • ポートチャネルインタフェース:チャネルグループに属するポートの送信パケットキューサイズを合計したもの。

  • VLANインタフェース:0固定。

  • ループバックインタフェース:送信待ちキューに積まれているパケットの数。

  • マネージメントポート:送信待ちキューに積まれているパケットの数。

25

ifSpecific

{ifEntry 22}

R/O

[規格] インタフェースのメディアの特性を定義するMIBへのレファレンス。ifTypeに依存するMIBのオブジェクトID。

[実装] インタフェースによる。

  • イーサネットインタフェース:1.3.6.1.2.1.10.7を応答する。ただし,非正常時は,0.0を応答する。

  • ポートチャネルインタフェース:0.0固定。

  • VLANインタフェース:0.0固定。

  • ループバックインタフェース:0.0固定。

  • マネージメントポート:0.0固定。