コンフィグレーションガイド Vol.3


26.1.6 注意事項

RIPngを使用したネットワークを構成する場合には次の制限事項に留意してください。

〈この項の構成〉

(1) RFCとの差分

本装置はRFC2080(RIPngバージョン1)に準拠していますが,ソフトウェアの機能制限から一部RFCとの差分があります。RFCとの差分を次の表に示します。

表26‒7 RFC2080との差分

RFC

本装置

must be zeroフィールド

処理については特に明記されていません。

本装置では,must be zeroフィールドの値をチェックしません。また,送信時には,must be zeroフィールドを0にします。

ネットワークプレフィックス

プレフィックス長以降のアドレスフィールドの状態については特に明記されていません。

受信したRIPngパケットで,プレフィックス長以降のアドレスフィールドが0にクリアされていない経路情報を受信したときは,プレフィックス長以降のアドレスは0にクリアされます。

triggered update

triggered update後,1〜5秒のランダムタイマを設定するべきであり,タイムアウト前にアップデートを送信する変更があっても,タイムアウトした際にアップデートを行います。

triggerd update後に1〜5秒のランダムタイマは設定しないで,経路情報に変更があった際は随時triggered updateを行います。

triggered update後の1〜5秒のランダムタイマ起動中に通常のアップデートがある場合,triggered updateは抑止されるかもしれません。

triggered updateの抑止は行いません。

スプリットホライズン

スプリットホライズン機能はインタフェース単位で設定変更を可能とするべきです。

本装置ではスプリットホライズン機能のインタフェース単位での設定変更はサポートしていません。

経路のネクストホップ情報指定

経路のネクストホップを明示的に指定できます。

本装置から送信するRIPngパケットにはネクストホップ情報は含まれません。本装置がネクストホップ情報を明示的に指定したRIPngパケットを受信した場合は,その値をネクストホップとして採用します。

応答パケットの送信先

ff02::9宛てでは不適切な場合(例.NBMAネットワーク)については実装依存とします。

本装置では,NBMAネットワークでのRIPng動作はサポートしていません。

認証

IPv6認証ヘッダおよび暗号化ヘッダを使用してパケットを認証します。

本装置ではIPv6認証ヘッダ,暗号化ヘッダによるパケット認証はサポートしていません。

送信元ポート521以外のユニキャストによるリクエストパケット受信時のレスポンスパケット返送

送信元アドレスに対して直接返送できます。

本装置では,送信元アドレスにリンクローカルアドレスを指定したリクエストパケットに対してだけレスポンスパケットを返送します。